- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784572001184
作品紹介・あらすじ
文人佐藤春夫の「一代の名著」としてほまれ高いエッセイ集。大正期ほぼ10年間の創作以外の文章をすべて収める。形式、主題ともに多様な、滋味に富み、諧謔あふれる全102篇を、いま、初版の排列そのままに上下両巻に分かち、内46篇を本書とする。(解題・丸谷才一)
感想・レビュー・書評
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「別れざる妻に与うる書」でヘンなおじさんだな、と興味をかきたてられて読み始めた随筆集。佐藤春夫はセンスのひとだった。真似しようがない。理屈じゃなくて、なんか春夫が言うんだったらそうなんだろうな、と思わされる。
元々いいおうちの子だったからか当時の文壇での立場上なのか、春夫は自分の意見をそのまま出すことにためらいがない。いくつか引用したけれど、批評の言葉にユーモアがあってくすりとさせられた。わたしは昭和以降の小説ばかり読んでいるので、志賀直哉や里見弴が「くん」付けで「まあまあだけど今回のは大したことないでしょ」的に批評されているのはなかなか新鮮だった(そうは言っても武者さんと志賀直哉はほかの人たちとは扱いが全然別で、非常に高く買っていたみたいだけれど)。
大正時代の幸せなのか、佐藤春夫は文学ナントカレンジャーの勢いでストレートな物言いを通すんだけど、ひとつ「好き友」という3ページほどの小文があってそれにぐっときた。ほかにも、「懸泉堂の春」や「わが父わが母及びその子われ」などの家族を扱った随筆が愛情に溢れていて、おしゃべりでなくていい。評論はおしゃべりなところがいいのだけれど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
<07/4/28〜5/2:途中放棄>書評で絶賛されていたので読んだのだが、どこが面白いのかわからなかった。