福島に生きる (双葉新書)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 77
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575153866

作品紹介・あらすじ

2011年3月11日、未曾有の大震災が東日本を襲った。さらに福島第一原発から膨大な量の放射性物質が放出され、人類史上稀にみる災厄に追い打ちをかける。原発から西45キロに位置する福島県三春町の寺に住む作家は、そのとき何を感じ、何に祈ったのか。福島に生き、福島を見据え続ける筆者が問う、これからの東北、これからの日本。

感想・レビュー・書評

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  • 福島在住の僧侶で作家であり、東日本大震災復興構想会議の委員である著者による、福島原発事故のドキュメンタリー。
    余りにも沢山の問題が山積みで、一言で感想を述べることは出来ない。
    今後、日本がどんな方向に進むにせよ、もはや無関心・他人任せではいられないところまで来てしまっているし、本当は事故以前からそうだったのだ。

    個人的には、福島市観光農園協会の会長が語った、「長年築いてきた信用が、事故の一瞬でなくなった。我々は東電からの補償ではなく、果物を売って自前で生きていきたい」という言葉に胸を引き裂かれる思いがした。
    勿論、福島の人皆がこう思っているわけではなく、100人の人に聞けば100通りの意見が出るだろう。
    ただ、ごく当たり前に営んでいた日常が、根底から覆された現実に対し、返す言葉も見付からない。

  • 著者は芥川賞作家であり、復興構想会議委員も務め、原発から50キロ圏の福島県三春町に住む住職です。震災関連の本は多いですが、本書は自身の故郷である福島に住み続ける者としての視点や復興構想会議委員から見た政府側の対応の杜撰さなどが明瞭に書かれています。被災地を取材としてではなく、自身が被災者として見る震災からは、現地の言葉がダイレクトに伝わってきますね。

  • 概算258枚。あの3.11以後の福島。図書館本

  • <閲覧スタッフより>
    原発から西に45キロ。福島県三春町に暮らす作家・住職、玄侑宗久。「フクシマ」に身を置きその状況を見守り続ける中で得た実態と実感、問題、警鐘を語りかけます。

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    所在記号:新書||916||ケン
    資料番号:10212040
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  • 著者は芥川賞作家であり、福島県三春町に住む住職。
    福島に住み続けるとはどういうことか。放射能にどう向き合うべきか。
    被災者として福島に住み続ける者の視点や、復興構想会議委員から見た政府側の対応の杜撰さなどが明瞭に書かれている。

  • 東日本大震災後の福島に住み続けるとはどういうことか。放射能にどう向き合うべきか。これは芥川賞作家であり、また福島県で現役の住職である筆者の説くこれからの東北、日本に対する提言と祈りの書であります。

    これは、芥川賞作家であり、また福島県で現役の住職である筆者があの3・11の大震災のさい、また原発事故で故郷が危機にさらされる中で、何を感じ、何を祈ったのか。それを綴った記録でございます。現在も筆者は原発から西45キロに位置する福島県三春町の寺に住んでいるのだそうです。

    その筆者がこれからの東北やこれからの日本に対する思いがこの一冊の中にこめられていて、ページをめくる手が読んでいて時々止まったことを覚えております。今、これを書いているときも筆者の声を聴きながら書いているので、その思いもひとしおでございます。

    全体を通して貫かれているものはこの惨禍に見舞われていても自分は『福島に生きる』という決然たるものがありました。中央の政治エリートと、現地での復興に対する考えの『差異』や今後の東北に対する構想に関する箇所も宗教家・文学者である筆者だからこそのもので、ここに書かれていることは被災地からの視点から綴られた貴重な提言であると思います。

  • 発災からの出来事を改めておさらいすることができた。あまりお坊さんが書いたっぽくない感じだった。
    最後の方の「自治」と「想定」の話は、なるほどなあ、と。想定に安易に身を任せることは自治をしていないということか。

  • 請求記号:543.5/Gen
    資料ID:50065648
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  • 福島県にある臨済宗のお寺の住職が書いた本。買ってから知ったけど、どうやら政府の復興構想会議の委員も務めておられた(おられる?)ようです。

    坊さんなのでもうちょっと悟った感のあることをこれ見よがしに書いてるのかなーと邪推しながら読んでみたら、結構な具合に政府と東電に恨みごとと不満をぶつけていて(そう主張するだけの正統性は、当然あるとは思うけど)、逆に親近感が湧きました。あ、そーゆー捉え方をしちゃってもいいんだねやっぱり、って感じで。むしろ殺処分される牛と、内部被爆している可能性のある被災者とを同じレベルで並べて話をしているあたりに、仏教の僧侶としてのプライドというか、正確なものの見方をしてるんだな、と感じました。

    放射線について教育の現場でもっとしっかり触れて正確なことを学ぶべきという論には賛成。臭い物に蓋のやり方は、あと20年もすれば死ぬ今の政治屋ならやってもいいかもしれないけど、これからの世界を担う子ども達に、そういう歪んだエゴを押しつけることはない。知るべきは知らないと。

  • 多くの悲劇を生んでしまった原発問題。私も福島県出身で、親の仕事の関係で幼稚園まで、そして中学から高校卒業までを福島で過ごした。実家があるわけではないのだけれど、多感な時期を過ごしたため自分にとっては間違いなくふるさと。自分も湾岸で被災したためではあるが、福島には何も出来ていないことが気持ちを重くしている。
    作者の玄侑宗久さんは高校の先輩。3年先輩なので同じ時期に通ったわけではないが、気になる作家だ。
    「アブラクサスの祭り」という映画を見た。玄侑さんのお寺を舞台にした映画。
    本書を読みながらその映画の風景を思い出していた。

    福島に生きるという事はフロンティアスピリッツを獲得して行く事に違いない。

    生きて行く意味は「大いなる命の流れに身を任せながら無常を楽しむ事だ」

    梅原猛先生の「この災害は天災であり、人災であるが、『文明災』だと思う」という言葉。

    復興はもちろん重要だけど、新しい何かを生み出して地球のモデルになることが意味付けられていると思う。
    そんなお手伝いを何かやりたい、と考えるきっかけとなる。

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