直木賞作家の山口洋子さんが亡くなられた。
就職して間もない頃、クラブ姫のホステスにスカウトされた。錦糸町や新宿の薄っぺらい兄ちゃんの勧誘には慣れていたが、パンツスーツを着こなした清楚な女性に声をかけられたので油断した。銀座4丁目交差点近くにある靴店だった。靴の話で談笑していたら名刺を出されて驚いた。銀座のクラブは違うなあと関心したものだ。是非いちどお店に遊びに来て!ただ酒飲ませてあげるからと言われた。
すっかり忘れていたのにテレビのニュースを観て突然思い出し図書館で本書を予約した。何だか古き良き(?)時代のメロドラマだ。ラストワルツどころか冒頭からキャットファイトである。惚れた腫れたの夜の蝶。太く短く今を生きる。ワオ!
こっちの人生もアリだったのかと感慨深い。
残念ながら、全くもって夜の蝶ってガラでも見た目でもない…。
こちとら銀座のクラブでお酒を呑む機会など一生ない人生だ。一杯飲んどきゃ良かったか?
お悔やみ申し上げます。