断鎖"Escape"

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 347
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575234138

感想・レビュー・書評

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  • 捕まったら逃げられない。目をそらすことはできない。引き返すことは不可能。
    そんな、ブラックホールのような魅力がある本。
    危険で不安な気配を漂わせるのに、どこか甘美な美しさを感じさせる悪魔のような男・サーシャ。彼の大きすぎる存在感と魅力が、この本の魅力そのものなのではないかと思う。
    惹かれ、惹きこまれてしまった亮二は、読者と同じ位置にいる存在なのかも…と思わせて、どこか退廃的な雰囲気も感じさせる。

  • 2段で読めるか心配だったが物語に引き込まれた。緻密な印象。

  • 「ーーー革命を起こさないか、この国に。」


    前から気になっていた革命シリーズの一作目。そして、初の五條瑛。

    気になってはいたけれど、前情報はあまり入れずに読んだ。
    「革命」というからには、たとえば国と反乱軍の派手な攻防戦みたいな感じなのかなと思っていたから、日本の普通の日常(犯罪ではあるけれど)みたいなシーンから始まって意外だった。

    けれど、その日常は一変する。亮司が後戻りのできない方へどんどん堕ちていく様子は緊迫感があって、読むのをやめられなかった。

    亮司は確かにチンピラで、決して人に胸を張れるような生活を送っているわけではないけれど
    素直で、人のことを気にかける心ももっている、愛すべきキャラクターだと思った。
    このあとどういう風に変わっていくのか見届けたい。

    「暁光」がなんなのか、サーシャが何者なのか、まだまだわからないことだらけで続きがすごく気になる。


    2021.8.11 読了

  • なんか読んでいてくれ違和感というかなんかおかしいところもあったけど読了。今の中国人の大半は普通に観光で日本に来ているので時代を感じる設定でもあった。

  • 図書館で背表紙に惹かれたものの、長編らしいと気付いて尻込みしてたけど、完結してるみたいだと気付いて借りてみた。
    大正解の面白さで、当たりに出会えたと幸せ気分。

    親の重たい愛に耐えかね家出を繰り返していた亮司が、安息を求めて中国の密航をビジネスとした仕事につき、大きな事件に巻き込まれる。
    そこから深い裏社会へと自ら進んでいく、といった重たく感じられるストーリー。
    だが、素直に人を信じるところや、(自分のためでもあるが)人のために力を尽くそうとする亮司の人柄の良さに惹き付けられる。
    キッカケにしか過ぎなかった襲撃事件から、大きな思考へと繋がる展開も良かった。
    ラストも、亮司が不幸な結末を迎えすホッとした。

    そしてこの読み応えある1冊が1巻という衝撃…充分面白いのに、これからどんな展開になるのか楽しみだ。

  • 諸事情により、他の巻から読み進め、やっと第1巻を手に取ることができました。
    他の巻で登場する「リョウジ」くんとイメージが違うな~。
    でも、やっぱりおもしろい!
    五條さん、さすが!

  • 革命小説シリーズ制覇中。

    プロローグを読んで、文章はやたらかっこいいけど何のこっちゃと思ってたら、ラストシーンと呼応してた。革命を起こさないか、この国に、ってなんてシビれるセリフなんだろう。

    亮司が悪いやつになりきれないところが、長所であり短所なんだろう。ほっとけばいいのに見捨てられない性分というのか。

  • ー革命を起こさないか、この国に。

    図書館にずらっと置いてあるのが目に付いて、開いてみると字がちっちゃいこと!読み切れるか不安だったけど、一行目のサーシャの口説き文句で落とされました。

    文章量が多いし密入国という重い題材だけど、わかりやすくて展開もすごく早いので、スラスラと読めました。五條瑛さんは初めてだったけど、食わず嫌いせずに借りてきて、よかったなあと思いました。

  • そうか、これがR/EVOLUTIONシリーズの始まりなのか。
    亮司が男になっていく時間に居合わせた感、バリ3!

  • [2013.12.24]

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著者プロフィール

大学時代は安全保障問題を専攻。大学卒業後、防衛庁に就職し、調査専門職として勤務。退職後、フリーライターを経て1999年に北朝鮮問題を題材とした『プラチナ・ビーズ』で作家デビュー。2001年『スリー・アゲーツ』で第3回大藪春彦賞を受賞。

「2018年 『焦土の鷲 イエロー・イーグル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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