紫嵐―Violet Storm

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 239
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575234398

作品紹介・あらすじ

過保護な両親から逃れてきた青年・亮司に、謎の男・サーシャは囁く。「革命を起こさないか、この国に」と-。この作品は、全10作からなる「R/EVOLUTION」=革命小説シリーズのEにあたる序章でもあり、また亮司の成長物語でもある。

感想・レビュー・書評

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  • 「ーーーこの街、この国に、お前の嵐を起こしてくれ。」


    革命シリーズ2作目。
    前作以上に重く、考えさせられるお話だった。

    鳩やすみれ、井口さん、亜由、みんながあがいて生きている様子がつらいし切ない。

    いつもかわいいすみれが恨みを言葉にしたときはびっくりした。こんなに小さいのに、人一倍世界を知っているからこその言葉だと思う。
    それはすごく悲しいことだけど、その分、すみれは強かに生きていきそう。今後の成長が楽しみ。

    そして何より印象的だったのは、亮司。こんなにかわいかったっけ?
    『断鎖』での経験でここまで変わったのか、それとも他人の目線から亮司を見るとこんな感じなのか。
    わからないけど亮司がもっと好きになりそう。

    それと、亮司が前よりも自分の境遇を受け入れられている感じがして安心した。
    サーシャは相変わらずよくわからない人だけど、亮司との関係が気になる。


    2021.8.15 読了

  • 1巻に引き続き2巻も読了。変わらす面白かった!

    主人公が変わるだろうな、と思っていたから最初も違和感はなかったが、2巻の主人公の名前が「鳩」で、どうにも伊坂幸太郎さんのグラスホッパーシリーズを思い出してしまった。
    それはさておき、鳩、最初から無茶やってるから20代前半かと予想していたら、まさかの30代で驚いた。
    しかし「いい年した大人」「そろそろ将来を見据えたい」がテーマになっていると知る。

    カンボジアの過酷な環境から生き延び日本に密航してきた鳩。
    同じような世界を出てきたすみれ。
    鳩の鬱憤とした思いも(想像でしかないが)理解出来るような気がする。
    すみれの大食い番組を見ながら漏らす本音とか、切なくなった。
    どこまでも自分の為しか考えてない人々がリアルでもあり辛い。
    思ったより早く亮司が出てきて、更に「育ちの良さ」を気にしなくなっているのが良かった。

    てっきり、花月は1巻で死んだと思ってたので、
    犯人探しの時ハラハラしていたが、死んだかどうか確認してない事を忘れてた。
    亜弓もまさか生きているとは、という状態だったけど、結末は悲しかった。

  • 革命シリーズ2冊目。

    テンポの問題なのか、断鎖ほど引き込まれず…途中は頑張って読み進めました。最後の6章辺りからは色んなことが明らかになっていく感じが面白かった。

    すみれがとても魅力的で、物語中の短期間で急成長していく様子がすごかった。人は死ぬほどつらい経験をすると、幼くてもこんなに聡い子になってしまうものなのかな。最後の方なんてもう、ミニサーシャみたいになってきてたので、この後のシリーズでも出てきてくれることを期待。

    【追記】

    恥ずかしながらポル・ポト政権についてよく知らなかったので、少しだけ調べてみた。本の中で描かれていた内容も酷いけど、実際に起きたことはそれ以上で、逆に作り話みたいだった。きちんと知ってからもう一度読むと、もっと違う感想になるのかも。

  • 革命小説シリーズ制覇中。展開が早く、一人一人の個性が際立っていてぐいぐい引き込まれてしまった。
    すみれがすごく魅力的なキャラ。この子は一体どんな存在になっていくのか。
    死ねばいいと口走ったシーンは、思いが迫ってきて辛かった。

    あゆもパチャラも、なんだか哀しかったなぁ。

  • 再読

  • [2014.01.10]

  • 2012/08/31

  • 「革命シリーズ」第2巻。
    「プラチナ・ビーズ」で拾われた男の子「すみれ」が強く愛らしく強かに成長して登場します。
    育ての親に似て魔性の子に成長したすみれが起こす嵐。

  • 哀しい……

    でも、「私は生きるわ、誰を蹴落としてでも!」と言い切る登場人物たちがある意味羨ましくもある。
    それだけ、私はのほほんと生きているのだなあ、と@@

    小説としてもありとあらゆる要素がてんこ盛りで、果たしてこのシリーズはどこが着地点なのか。興味津々。

    すみれはあまりにも哀しく、その分強くて潔い。
    本当の「優しい人」は、自分の言動に言い訳をせず、潔い人なのかなあと思います。
    そしてあらゆることを見渡せても、決して不用意には表明しない……

    このシリーズ、読むのが止まらないわ。
    スゴイわ五條先生。

  • 2003年3月14日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    <革命>シリーズ二作目。
    今回はおそらく最重要人物の一人となるであろうすみれ君登場。
    『プラチナビーズ』ですでにおなじみとなった北朝鮮出身の少年。
    半ば死にかけていた少年が、日本までやってきて、
    並の少年よりもずっと逞しく、強かに成長しているのである。
    おそらく、この少年は日本に仇をなそうというのであろう。
    しかし、それを危ぶむどことか、何をしてくれるのかワクワクするのだ。
    彼の虜となってしまった鳩ことキューの気持もわかるというもの。
    三作目がすでに待ち遠しくなってしまった。

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著者プロフィール

大学時代は安全保障問題を専攻。大学卒業後、防衛庁に就職し、調査専門職として勤務。退職後、フリーライターを経て1999年に北朝鮮問題を題材とした『プラチナ・ビーズ』で作家デビュー。2001年『スリー・アゲーツ』で第3回大藪春彦賞を受賞。

「2018年 『焦土の鷲 イエロー・イーグル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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