犯人に告ぐ

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 1966
レビュー : 384
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575234992

作品紹介・あらすじ

連続児童殺人事件-姿見えぬ犯人に、警察はテレビ局と手を組んだ。史上初の、劇場型捜査が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 幼い男児を狙った連続殺人事件が起こる。行き詰まりを見せる捜査に神奈川県警は、6年前の男児誘拐殺人事件で大失態を犯し、県警の権威を地に落とした巻島特別捜査官を指揮官に据える。巻島は自らテレビカメラの前に立ち、犯人に呼びかける「劇場型捜査」を展開、しかし犯人に媚びるようなその姿勢は遺族や世相のみならず署内からの反発も呼び、巻島は孤立していく…。

    登場人物の存在感が出色。ウェーブのかかった長めの髪に優男然とした風情、「『太陽に吠えろ!』に出てきそうな」と評される巻島。左遷された6年間に田舎の警察署でズバ抜けた検挙数を誇り、読者の前に再登場したシーンは思わず「巻島屋!」と声をかけたくなる格好良さ。そんな巻島を精神的に支える津田、キャリア出の毛色の良さに自惚れ、マスコミに擦り寄る若き上司・植草と役者が揃った。

    「幼児連続殺人」というショッキングなテーマを扱いつつ、実は殺人そのものは物語の前半に終了していて、あとは巻島のテレビ出演とそれに対する犯人のリアクション、地味な科学捜査、視聴率に踊らされるマスコミにページが割かれている。さほど派手な展開もないのに引き込まれるのは、登場人物のキャラが立っているのと、それぞれの思惑及び6年前の事件が複雑に絡み合う筋立ての妙だろう。

    6年前の記者会見ではマスコミに煽られ、失言する青さを見せた巻島だが、再登場してからは直接心情を吐露するシーンはほとんどなく、被害者に対してもどこか淡々としている。だからこそ終盤の、6年前の被害者遺族に嗚咽しながら詫びるシーンが心に沁みた。

    と、絶賛の言葉を連ねてみたが、犯人逮捕があっさりし過ぎて尻すぼみの感があるのは否めない。メインテーマは別のところにあるとはいえ、読者が最大のカタルシスを得るのが植草の失墜ではちょっとバランスが悪いんじゃ。抜群に面白いのは変わりないけど。

  • 警察組織とマスコミを利用しての犯罪捜査の話。
    幼児誘拐など扱っている事件が重いため、前半は読むのが辛かったが、後半はマスコミを利用しての見えない犯人との駆け引き、マスコミ間の視聴率争いなど俄然面白くなってきて、2段組約370ページ、一気に読めた。
    犯人そのものより、捜査方法=マスコミの利用方法が面白かった。
    (図書館)

  • 舞台は身内さえも信じられない思惑と駆け引きがとぐろを巻く警察組織。観客との一触即発の真剣勝負が避けられない劇場型捜査に一身を賭する。家庭においても職場においても自虐をまといながらも、決して後ろ向きではなく誰かの役に立とうと懸命に生き抜く姿に心打たれる。見事な幕引きにただただ拍手喝采。見えない敵との葛藤。息詰まる神経戦。最後まで緊張が途切れることはなかった。

  • 映画もテレビでしてるの見たなぁと
    ぼんやり思い出しながら読んだ。

    『今夜は震えて眠れ』
    この言葉、嘘臭い言い方になるけど
    痺れる。

  • 映画見た後に見るとなおカッチョいい♪

  • 小川さんが本当に素晴らしいです

  • 『巨貌』『火の粉』など、骨太な作品で、じわじわと支持を拡大している雫井 脩介の新作。

    子供の誘拐殺人事件が解決しないまま、

    警察のとった行動は

    テレビニュースでの「劇場型捜査」

    地方に左遷された神奈川県警の警視・巻島が再び捜査の責任者として表舞台に!

    メディアを巻き込んだ捜査という設定の新鮮さは面白い。


    「犯人よ、今夜は震えて眠れ」

  • すっごい面白かったです!!!!!!
    久々に目を離さず一気読みでしたよ。
    今まで読んだ雫井さんの作品の中でも1番面白かったです。

    なんでかラストの方で号泣する私。
    これ映画化になるそうですが、映画化になったらラストかっこいいだろうなぁ〜と思います。
    巻島警視かっこよすぎ!
    最後の「○○(犯人)に告ぐ!」がかっこいいし、裏切り者に仕掛けたトラップが
    小気味いいし、なんか最後にすっきりできてでも感動もあって号泣しちゃうし・・・。本当に面白かったです。映画も楽しみ!!

  • 巻島さんを突き動かす執念みたいなものがもはや狂気になっているのが凄かった。どんなに叩かれても凛として貫き通す巻島さんかっこいい!!

    巻島さんの周りの人物、上司の曽根や植草が自分のことしか考えていなくてイライラする。特に植草は虚栄心を満たすためにあんなことして、本当に浅はかで。

    事件解決だけを見据えて動いている巻島さんと、自分のことしか考えていない周囲の人との対比がとても鮮やか。
    欲を言えば、もっと徐々に追い詰められていく犯人の心理とかを読みたかった。

  • 犯人側に思い入れてしまう作品。
    ラストは良かったなあ・・・
    涙ぐんでしまった。
    続きが出そうな雰囲気なので楽しみ。

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著者プロフィール

雫井 脩介(しずくい しゅうすけ)
1968年、愛知県生まれの小説家・推理作家。専修大学文学部卒業後ひとたびは就職。出版社などを経て、1999年内流悠人(ないる ゆうと)という筆名で応募した『栄光一途』が第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、2000年同作でデビューする。
2004年『犯人に告ぐ』が、2004年版「 週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、2005年版「このミステリーがすごい!」で第8位、第26回吉川英治文学新人賞の候補として選ばれ、第7回大藪春彦賞を受賞。豊川悦司主演にて映画化・ドラマ化。代表作となる。
2006年に恋愛小説『クローズド・ノート』を発表し、沢尻エリカ主演で映画化。2013年刊行の『検察側の罪人』は2013年度「週刊文春ミステリーベスト10」4位など評価を受け、2018年8月24日木村拓哉・二宮和也共演で映画化。

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