窓際の死神(アンクー)

著者 :
  • 双葉社
3.08
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本棚登録 : 176
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575235111

作品紹介・あらすじ

「死」を想ったこと、ありますか?目の前に現れた、黄泉の国への死者。死と向き合ったとき、生きることの実感と歓びを知るのかもしれない。おとぎばなしをモチーフに描く寓話的ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • グリム童話の怖い話、、とか、昔話に裏の解釈があるという物かと、思ったけれど、、、、
    「おむすびころりん」と「舌きりすずめ」のおとぎ話のモチーフに、入院中の母親からもらった千円で、低学年の息子が、書店で、手にした『日本むかし話』から、どんどん小説が始まって行く。

    普通のサラリーマン的な男性が、死神であり、自分の身の周りには、生と死と、隣り合わせにあるんだと、、、、
    作者が、若くして、弟さんを亡くしているせいだろうか?
    ブルターニュ―地方の伝承の中で存在するカマを持った死神(アンクー)としての怖い存在として描かれていない。

    だれしも、生を受けて、この世に生まれ落ち、そして、消えて行くのだが、誕生の時は、日にちがわかるが、死への日にちは、誰もわからない。

    消える時には、死神、もしくは、亡くなった人が、迎えに来てくれるのであろうか?と、思ってしまいながら、短時間で読み終えてしまった。

  • サクッッと読めた。
    とても面白かった。
    デリカシーの無い死神…私も死神はそんなイメージ。
    どこかで会いたいとさえ思える愛嬌もあったように思える。
    運命がコロコロ変わってしまうのも不思議な感じで良かった。

  • ★1.5

  • 自分を連れに来た死神になら会ってもいいけど、自分の身近な人を連れに来たのなら会いたくないなぁ。
    生まれたら死ぬに向かって進んでいるのだけれど、そのときを知るって結構ツライんじゃないか。
    自分なら運命と思えても、身近な人なら「なんとかならないのか」と悪あがきしてしまいそう。

  • 面白かったです。何かの折に、ふっと思い出す本だと思いました。

  • 生きるということは、すべての価値を生きていることそれ自体に見出すこと。他のことはどうでもいいんです。
    何もないところから何かを作り出す、それは神様の行為です。

  • 4575235113 284p 2004・12・30 1刷

  •  童話、「おむすびころりん」と「舌きりすずめ」に準えた二つの物語と、幕前・幕間・幕後の断章の物語を収録。
     共通して出て来るのは「島野」と名乗る死神。どこにでも居そうなおじさんで、実際どこにいてもおかしいと感じない。

    死神を見るものは、死神が自分の世界に既知のものとして組み込まれている。死神が去ったあとは、記憶に残らない。始め

    から居なかったことになる。

     「おむすびころりん」では、余命いくばくもない好きな人の命と自分の命、引き換えますか?と死神は問う。漫然と生き

    、そのまま漫然と死ぬことになりそうだった多美は、死神に問われて初めて、生きるってどういうことだろう、自分はどん

    な風に生きたいんだろうと考える。やっと、自分の周りにはたくさんの人が居たんだということに気付く。
     命を交換しないことを選択した多美。その選択が正しかったかどうかは、今度死神が迎えに来るまで判らない。でも、「

    明日が来るのが、待ち遠しい。」そんな気分になれたのは、生きていたからこそ。

     「舌きりすずめ」では、小説家志望の麦穂と、見事小説家になった京美が死のバトンをやり取りしています、と死神は告

    げる。ほんの些細なきっかけで二人の運命はくるくる入れ替わる。小説で成功する方には死、成し遂げない方には生を。ど

    ちらを選ぶか、どうなりたいか。こちらでも死神が表れて初めて自分自身と向き合うことになる。
     創造の神の手の上で、苦痛すら感じなくなるほどの快感を手に入れること。それが勝ちか負けかは、やっぱり今度死神が

    迎えに来るまで判らない。「いつま日か自分は、創造の神の掌の上で断末魔の悲鳴をあげるのだろう。」自分の道を決めら

    れるのは、生きているからこそ。

     死神が導く魂たち。こんなカウンセラーのような一風変わった死神も、本当にどこかに居るのかも知れません。

  • 昔話になぞらえた、死神と死に近しい人の話。

    ひとつめは好きな人の婚約者を殺す妄想に取り憑かれる女。

    ふたつめは小説家を夢見ながら囲われた女として生きている女。

    死神に囚われ、それでも生きることを選択した女達。

  • 書き出しの子供の描写部分から、いきなり引き込まれ。

    第1話、主人公のダイエットしてきれいになるわけじゃないことに気づいて・・・からも一気に引き込まれ。

    最近、読んだ中でとびきりいい本だったと思います。
    おもしろくて、感動して、考えさせられて、爽快な気持ちにもなれる1冊です。

    柴田よしきという作家さんの本、最初に読んだのが「小袖日記」だったと思いますが、この作家さんは、いろいろ違った雰囲気の本が書ける方だと感心してしまいます。

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。青山学院大学卒。1995年『RIKO――女神の永遠』で第15回横溝正史賞を受賞しデビュー。本格ミステリー、サスペンス、伝奇小説、ファンタジーなど多彩な作風と旺盛な執筆力には定評がある。2013年『激流』(徳間文庫)がベストセラーとなり、NHK「ドラマ10」にてドラマ化された。

「2018年 『象牙色の眠り 京都洛東連続死の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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