優しい音楽

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 439
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575235203

感想・レビュー・書評

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  • 短編集だから読みやすかった。最後の話はちょっとしっくり来なかったけど本としては面白かった。
    (*´ー`*)

  • もっと深刻にも重くもできそうなところを不自然でない軽さで、読み心地がよかった。
    「タイムラグ」は最後まで不倫の恋をどうするかに触れていないところがいい。

  • 2021年11月号の雑誌「ダ・ヴィンチ」が、瀬尾まいこさん特集でした。
    瀬尾さんの小説は、いくつか読んだことがあったのですが(ちなみに中でも好きな3作挙げるなら「戸村飯店青春100連発」「強運の持ち主」「傑作はまだ」です。2021年11月時点)、まだまだ読んだことがないお話があるんだなあ…とわかりまして、まず手に取ったのが本書「優しい音楽」です。

    本書は「優しい音楽」「タイムラグ」「がらくた効果」の短編3本から成り立っています。どのお話も独立して読めます。

    「優しい音楽」は、主人公・タケルと、のちに彼女になる千波との、ふしぎな出会い方がまず、ポンと置かれます。
    ただ、その出会いをふしぎに思っているのはタケルだけで、千波には理由はわかっているのです。その理由とは…あっ、モゴモゴ…(口をナニモノかに塞がれる音)

    「タイムラグ」は、不倫相手・平太から、「妻と旅行に行くから、娘預かってちょ」と言われた深雪と、娘の佐菜ちゃんのお話。
    少しずつ、平太の妻のことがわかるにつれ、平太、実はいいやつ?!と見せかけてきますので、ぜひともジャッジをお願いします。
    ちなみにわたしは最後まで読んでも平太アウトー!でした。

    「がらくた効果」は、いつもがらくたを拾ってきてしまう恋人のはな子が、今度は人を“拾って”きてしまうお話。
    唖然とする主人公・章太郎でしたが、“拾われて”きた佐々木さんとの関わりが、2人に変化をもたらします。さてそれは、どんな変化だったのでしょう?
    あれですかねこれは、一緒に怖い体験すると、吊り橋効果でふたりともくっついちゃうやつですかね、これ。(いや違うし)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    日常のなかの、ちょっとした違和感は、それぞれを立ち止まらせて考えさせるきっかけを作ります。
    ふだんの暮らしでは、実際にそうした違和感に出会えないことの方が多いかもしれませんが、「優しい音楽」を開くと、そこにはさりげない違和感がキュッと置かれています。
    それが登場人物たちだけでなく、読み手の日常にも「タイムラグ」はすこしありつつも、「がらくた効果」をおよぼしてくれるのですね。

    超能力者が飛び交ったり、実は命の危険のある場面に出会したりはしませんので、インパクトという意味では物足りなく感じるかもしれませんが、何気ない日常の中、ふわっと「アレ?」とちょこっと歩みを止めるにはぴったりの短編たちですので、よろしければこの感想を読んだ方に、バトンのようにお渡しできたらとおもいます。

  • 私はおじさんを、拾ってきちゃうはな子さんのお話が一番面白かったかな。おじさんと言っても博識なおじさんでなんとなく頭の中では、ちびまる子ちゃんの佐々木さんを思い浮かべて読んでいた。

    サラリと読める中にほっこりがある瀬尾さんの本!魅了されてしまって図書館でまだ借りられる本は全部とりあえず制覇してみようと思う。

  • 表題の「優しい音楽」と他2編「タイムラグ」「がらくた効果」の短編集

    ええーっ、そんなことありえへん。絶対おかしいと読者をもやもやさせる設定、書き出しから始まって、最後には
    変にこちらが納得?とまではいかないまでも、丸め込まれてしまうこの手口
    瀬尾マジックというべきか

    確かこんなこと、以前読んだ瀬尾作品でも感じたぞ
    そうだ 「そして、バトンは渡された」だった
    作品が生まれた時からすると後先になるけど、瀬尾さんの特徴なのか???

    亡くなった兄そっくりの男性をプラットホームで見つけ、毎朝顔を見るうちに恋人に・・・「優しい音楽」
    まあ、これはあり得ない話ではない、これぐらいの設定は許そう

    不倫相手の男性に妻と結婚記念日を祝うため一泊旅行の間、子供を預かって欲しいと頼まれ引き受けてしまう
    「タイムラグ」

    公園でぼんやりしているホームレスの元大学教授の男性を恋人と同棲している自分の住まいに連れてきて一緒に住まわせてしまう・・・ 「がらくた効果」

    でも、最後には登場人物みんなほんわかとても幸せそうなんだよねえ
    それで読者も、まっいいかということになってしまう
    やはり瀬尾マジックかな

  • ホント瀬尾さんの作品は読みやすいです。
    あっという間に読めました


    ちょっと変わった出来事を綴った
    短編が3作


    3作くらいだと短すぎず
    ちょうど良い長さだなと感じました


    初対面なのに自分を見つめて、探してくる少女と
    毎朝会話するようになって付き合うようになった話


    恋人が妻と旅行する間、
    娘を預からないといけなくなった話


    同棲してる彼女が
    ホームレスのおじさんを拾ってきて
    一緒に生活する話


    あまり自分には起きなさそうなことなのに
    何かを気づかせてくれるような言葉が散らばっていました


    3作とも心があったかくなるような読了感でした(^^)

  • どの話も、心があったかくなるような良い話でした。
    特に、一話目の優しい音楽が良かった。タネがわかった瞬間、これはハッピーエンディングにはならないのでは?と思ったんだけども、良い終わり方だった。

  • 2019(R1)10/10-10/12

    社会の中にいそうだけど、ちょっとヘンテコな人たちが織りなす日常の変化を切り取って綴った短編集。

    登場人物の設定がおもしろい。
    初対面でいきなりガン見する美少女とそれに惚れてしまう男。
    不倫相手に自分の子どものお守りをさせるアホな男に辟易しながらも、子どものお世話をするうちに、不倫相手の奥さんを守ってしまう女。
    ホームレスのオジサンを拾ってきて同棲を始めるカップル。

    その誰もが日常生活の中で少し成長していく。
    その過程をサラリと綴っているところが気持ちいい。

  • 優しさを感じた

  • 優しいしほんわかする!
    短編集でサラリと読めるせいか、あまり印象に残らず、すぐに忘れてしまいそうではある。
    でも、最近重い話の小説を読むことが多かったので、気楽に安心しながら読める瀬尾まいこさん作品はリフレッシュになって良い!

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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