優しい音楽

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 1948
レビュー : 385
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575235203

感想・レビュー・書評

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  • 「えっ、それいいの?」
    ということを、割合あっさり受け止めてしまう3編のお話。

    表題作「優しい音楽」
    駅で自分の顔をじっと見つめてきた妙な女の子、千波。
    毎朝話をするようになり、付き合うようになり、そして訪ねて行った千波の家で、自分は亡くなった千波の兄に似ているのだということを知る。

    これはちょっと複雑な気分だろうなぁ…。

    “「僕は千波さんのお兄さんとは違う。お兄さんと似ていることを光栄にも思うし、悲しくも思う。ただ、僕は千波さんが好きだし、お父さんやお母さんがうれしそうな顔をされるのを見るのは嬉しい」”

    こう言えるタケルくんは、とてもいい男だと思う。
    優しい音楽、表題そのままに、本当に優しさ温かさの伝わるお話。

    「タイムラグ」
    不倫相手平太の子どもを預かることになった深雪。
    娘のサナに頼まれて、平太の父のところに、平太と妻サツキの結婚の承諾をもらいに行く。

    平太がどうしようもなくアホで身勝手だと思った。
    損で間抜けな役回りだけれど、これを機に、こんなアホな男との不倫なんてやめて、真っ当な恋愛をしてほしいところ。

    「ガラクタ効果」
    同性相手のはな子が、公園から佐々木さんを拾ってきた。
    佐々木さんは、大学を解雇され、財産を全部とられた挙句に妻に離婚を言い渡され、公園でホームレスをしていたのだ。

    公園からおじさんを連れてきてしまうはな子のぶっとび具合と、混乱しながら、何となく受け止めてしまう章太郎の懐の広さがすごい(笑)
    奇妙な三人の共同生活だけれど、なぜか自然な感じもしてしまうのは瀬尾さん効果?

    さっくり読めて面白かった。

  • 登場人物の底抜けの人の良さと現実世界にギリギリありそうでありえない設定とを組み合わせた3つの短編が収録されている。読み終わったあと、実際はこんな優しさだけで上手くいくことなんて有るわけないと思いつつも、少しだけ人に優しくしようかなと思えた。

  • 日常的に有り得ないような話だったり、ちょっとズレていたりするけれど、どのお話も相手を思いやっていることが伝わってきてよかったな。

  • 初めての瀬尾まいこさんの作品。図書館で借りた。文章の書き方と話の内容が好みで読みやすかった。3作とも、とても穏やかなお話。オチもほっこり温かくて、これが瀬尾さんらしさなのかなと思った。一部好きになれない考え方をしているけれど、それ以外は文句なし。いい作家さんに出会えた。積極的に読む気はないけれど、読みたい本がなくなったときに瀬尾さんの本を読もうと思う。

  • 瀬尾まいこの作品に出てくる人物は皆、優しい。
    不倫相手に娘を預けて妻と旅行に行くちゃらんぽらんな男も、息子の嫁の耳が聞こえないという理由だけで結婚を許さない頑固親父も、リストラにあい妻にも離婚されホームレスになった大学教授も、そして彼を公園から拾って家に連れて帰った女も・・・みな、優しさと、ちょっとの悲しみを抱えて日々の小さな出来事によろこびと幸せを感じて生きている。
    その姿に、読んでいるこちらもほっとし、慰められ、癒される。
    若いカップルを描いた3編のどれもが、今日の春の光を感じさせるような話だった。

  • もっと深刻にも重くもできそうなところを不自然でない軽さで、読み心地がよかった。
    「タイムラグ」は最後まで不倫の恋をどうするかに触れていないところがいい。

  • 瀬尾さんの書く話は、大体が読み終わった後 優しい気持ちになれる癒しの本。
    登場人物が 変わり者が多いけどそこもいいところ。
    今回は、深雪グッジョブ!って思いました。

  • タケルくんのひた向きさがすごい。タケルくんがタケルくんとして、千波の家族に受け入れられた時は感動した!

  • ほんわか、ほっこり。
    人の優しさをしみじみと感じられるお話ばかりでした。

  • 文章は丁寧で好感が持てるが、設定がありえなさすぎて受け付けにくい。

著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

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