逆説探偵: 13人の申し分なき重罪人

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 102
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575235326

作品紹介・あらすじ

綾鹿警察署・五龍神田刑事が、次々と起こる事件の謎に挑む!事件解決のヒントは、正体不明のホームレス十徳治郎が握る。あまりにも意外で皮肉な12人の真犯人とは!?そして、最後に残る物語最大の謎とは!?ライト感覚の本格ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の刑事が公園のホームレスの協力で情報を得て犯人を推理するが、それがいつも的外れで‥というコミカルな連作短編集。キャラも立っていてさらっと読めるが、逆説というのはいまいち。この著者は幅が広い。

  • 連作短編集。
    タイトルでテーマや犯罪の種類などが決まっていて、他にもいろんな縛りがあるのに、バラエティ豊かなミステリが書けるものだ。
    文庫では『逆説的』と改題されて、『〜的』のシリーズに組み込まれた。

  • 2019.8.10 読了


    連作短編。
    殺人課の刑事 五龍神田(ごりゅうかんだ)
    数々の事件が起こり、捜査の度に
    ホームレスの たっちゃんのところに行く。
    たっちゃんは この辺りの情報通で
    たっちゃんのおかげで
    事件のカギが見えてくることもしばしば。
    最近 公園に住みついた じっとくという
    ホームレスにも 犯人の手がかりを教えてもらったり。

    けど、五龍神田は おっちょこちょいで
    手がかりを 最後まで聞かず、
    「ありがとよ!」と駆け出して
    上司に 自分の推理を告げるも
    いつも 少しズレていて、
    真犯人は別の上司に突き止められる。。。
    というパターン。


    以外と面白くて、一つ一つの短編も
    すぐに読めるので かなり読みやすかったです!


    ラストは若干 スッキリしなかったけど。。。



  • 自分には、いろいろと「合わない」感じ。
    何度か終わりにしようと思いながらも読み切りましたが^^;

    読んだことないけど、タイトル的にもチェスタトンへのオマージュなのかな?

  • ネタバレ

    「獅子身中の脅迫者」
    一発で惹かれた。フーダニットはそれほどでもないのだが、ハウが綺麗。「インテリのやくざの二代目がやくざを辞めるために対立する二つの組を潰す」という凄まじさ。目的のために大きな事件を起こすタイプのミステリで名が上げられても良いくらい出来が良いと思う。
    「火中の栗と放火魔」
    焦げ跡を消すなら火事の中とでも言いそうなオーソドックスなネタ。捨てネタの機密文書の紛失がありそうな感じも少し好き。もっとも、この作品のキーポイントは空になった煙草を握りつぶす何気ないシーンからのロジックである。ただ、事後従犯はちょっと余分かもしれない。狸も狐も結局は次期社長には値しないといったところか。*(某書評ブログにて、このようなケースにおける事後従犯は認められていない模様。まあ、これは瑣末な点か。ミステリ作者が法律に長けている必要もなし。作内ではそういうことで良いのだろう。)
    「堕天使はペテン師」
    大方の構図(本物、偽物。二人一役)は比較的見えやすいかと。ただ写真には笑った。
    「張子の虎で窃盗犯」
    脱力ネタ。これ、このシチュエーションを作ってしまう必要があまりなかった気がする。黙祷の間に盗んだという間違った推理も良い感じ。
    「ひとりよがりにストーカー」
    耳打ちが綺麗。こういう読み逃してしまうところに手掛かりを埋め込むのが本当にうまい。僕の読みが雑かもしれないが。ネタとしては犯人らしき人物は一人しか浮かばないのが難点か。しかし、だからこそ五龍神田の推理は個人的に驚いた。「女とは限らない」のダブルミーニングは個人的には不発だったが。
    ※耳打ちで伝えた情報をつい口走ってしまうのがやっぱり上手い。
    「敬虔過ぎた狂信者」
    バカミス。犯行方法がちょっと変わっているとバカミスに見えるようだと気づく。ダイイングメッセージを隠すための装飾はよくあるが、他のキャラクターが装飾の真の意味をうまく隠している。
    ※口に十字は確かに良いダイイングメッセージか。ダイイングメッセージものはあんまり好きじゃないのだけれど。
    「その場しのぎが誘拐犯」
    あれ? すごいな。いわゆる直観論理に近いが、見える絵が綺麗だし、納得してしまう。
    「目立ちたがりなスリ師」
    保留。分かり易くはある。
    「予見されし暴行魔」
    犯人は手紙の時点で予想がつく(ただし、メタ的に)。それよりも事件自体がすさまじい。よくこんな事件を思いつくものだと感心してしまった。オレオレレイプか。突飛なことを思いつくものだ。ただ、似た犯行の犯人が居るというのがこのミステリのキモだろう。
    「犬も歩けば密輸犯」
    少し方向性は見えるけれど、最後の一行が綺麗。ここらで(というか別作品も読んでいたのもあるが)連作の〆に向かっている感じがひしひしと。
    「虫が好かないテロリスト」
    ある種泡坂的というネタが興味深くて面白い。
    残り二作は連作の〆として十分な面白みがあった。まあ、一つ前で終わっていたら言いようのない不快感で脱力していたかもしれない。十と星野のネタは分かりやすく書いていたが、最終的な落とし所として良いのか?

    おなかいっぱいでした。

  • サンタクロースの話がよかった!
    やったね、おめでとう!みたいな(笑)

  • 前読んだアンソロジーから。13話の連作短編集。探偵役のじっとくが途中でいなくなり、探偵の星野がじっとくみたいな役をするようになったな、と思ったら、案の定同一人物。しかし最終話のたっちゃんと星野が正当防衛とはいえ殺人を犯したってアリ?まぁバカミスっぽい感じでこういうのもアリか。1話が短いのがいい。でもどれもぱっとしない感じ。

  • 事件が起きます。刑事(主人公)が五里霧中。謎のホームレスがヒントになるようなことを示唆します。「よし!謎はすべて解けた!!」

    間違い。

    という感じの連作短編。
    そんなに厚くもない本に13編、ということで要するに一本はかなり短めです。
    お気楽な感じで読み進め・・・・てたんですが、後半はちょっと色合いが違ってくることに。

    お気楽な感じで進めていたのにちょっと・・・個人的には最後までお笑い的な感じで行って欲しかった。途中から作風が違ってきているようで読んでいる方としてはちょっと面食らいました。。。。

    おもしろいか?!と聞かれると・・・まあぼちぼち?

  • うーん、主人公の刑事が万事解決かと思いきや、毎度いいところを持ってかれる…なんとなく残念感漂いました。
    ヒーローを夢見てたらダメですね。
    じっとくが好きだったのになぁ。ラストは切ないです。。たっちゃん!

  • 綾鹿市を舞台にした連作短編。綾鹿署の五龍神田刑事が主人公です。
    おなじみの谷村警部補と南刑事は今回は脇役でした。

    ホームレスのまとめ役・たっちゃんと新入りのじっとくに助けられ、解決の一歩手前までいくものの、いつも的外れな推理を展開する五龍神田刑事。
    しかし最期の事件でたっちゃんが殺害され死体が行方不明に!?

    330ページほどのハードカバーですが、短編が13も入っているのでさくさくと読みました。
    赤川次郎さん風のライトなユーモアミステリーといった感じで、どれもあまり印象には残りませんでした。
    やっぱり『中空』『非在』のような長編が読みたいです。
    残る一冊はトビさんが出てくる長編のようなので期待しています。

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著者プロフィール

1960年福岡県生まれ。九州大学理学部卒業。2001年『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。主な著作に「観察者」シリーズ、「綾鹿市」シリーズなど。碇卯人名義でテレビドラマ「相棒」シリーズのノベライズも執筆。2016年『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞【小説部門】を受賞。

「2021年 『指切りパズル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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