エバーグリーン

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 556
感想 : 127
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575235555

感想・レビュー・書評

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  • 10年越しの片思いの話。
    10年後にここで会おう、その時にはこうなってたいね、って、すごいスケール感だと思う。
    そのときの夢を叶えた方も、叶えられなかった方も、それぞれに苦しんだり、楽しんだり…、人生って、わかんないもんだなー。
    大人になったからこその充足感とか、共感。
    あたしも、好きだった人に今会ったら、どう思うんだろう。
    恥じることはないけど、自信持って会える人間になっていたい。
    そしてしっかり前を向いていたい。

  • 恋をするってこういう事なんだな〜と純粋な気持ちになれる。
    中学生の幼い恋で10年後に会う事を約束する。
    夫々の10年後の待ち方があった。
    恋する思いだけでは生きていけない現実もあるが、忘れないでいられる恋心がまた良かった。

  • 中学卒業の日に10年後の再会を約束したシンとアヤコが、大人になって実際に会うまでのお話。

    きらきらした想い出はひたすらに眩しく、その後辿った道は切なく。
    それでも約束に対して誠実であろうとした二人だからこそ、最後には現実を受け入れて良い区切りをつけられたのだと思いました。

  • 中学生の少年少女の淡い恋とその10年後の物語。最初の中学生の頃の話は、あまり目立たない少年少女の淡い恋が、それぞれの視点からうまく描かれていて良かったです。”神田川デイズ"もそうでしたが、この方、こういう地味なキャラの恋愛を描くの、うまいですね。ただ段々後半にいくにつれ冗長となり飽きてきました...

  • 少女マンガのようなほんとに純粋な学生時代の恋愛って感じ。
    若い頃の約束の日が近づくにつれて2人に訪れる変化が静かに描写されてた。
    劇的な変化があるよりすごく現実的な展開だった。

  • 10年って長いなぁ!再会できなくても、できても、結果はどちらでもよかったような気がした

  • 私も約束が、したい。

  • 青春小説。田舎の中学生の男女が10年後の再開を約束して別れる。双方25歳になり、一方は夢をかなえ一方は夢破れる。どこにでもありそうな甘酸っぱい、というより青臭い思いがつまった物語だった。きっと、その十年の間に波乱万丈を経験したほうが話的には盛り上がるのだろうが、主人公二人はかぎりなく純粋で地味である。なので、さほどの過激な展開もなく再会と物語の終焉を迎える。退屈といえば退屈であるが、この年代の10年間に鬱屈したものを抱えて、あきらめて、そして解放されて生きてきたある一定層の人間には響くものがある。途中、男の主人公のほうが、焦燥感からしばらく遠ざかってたギターを取り出してしゃにむに取り組むところなどは心情がとてもよくわかった。

  • 学生時代のお話と、大人になったイマのお話を交互に書いている点が好き。
    夢が叶う人もいれば、叶わない人もいるという、現実的な点もいい。
    ただ、なんかちょっと物足りなく感じられた。

  • 久しぶりの恋愛小説。舞台の最初は、バンド結成を夢見ているシンに憧れの気持ちを抱いているアヤコ。中学校の卒業式で、10年後の再会を約束したシンとアヤコ。夢をかなえるため、シンは地元に残りアヤコは東京に向かう。
    んー、なんかそんなに好きくなかったかもー。シーツの会社で働くシン、夢を叶えられなかったシン。漫画家になる夢をかなえたアヤコ。お互いが違った視線で、10年後の約束を見つめているんだけどねー。
    バンドやろうとして、結局諦めるシンとか、やっぱりちょっと現実な感じで、夢見る本って感じではないのがちょっとねー。でも、なんか文体とか水水しい感じがして「ザ新人」って感じなのはよかったかも?結局諦めるんだ、って思った。でも、たぶん、世の中ってそうやって進んでいく部分は多いんだろうなー。

    「-10年かけて腐ってるだけ。
    一瞬のきれいな思い出に取り憑かれて今をかえりみない私は、亡霊のようだ。思い出の中の男の子以外に思いやる相手を知らない。公園で見る家族のように、誰かにやさしくすることができない。やさしくされることもない。風邪を引いても、助けを求める相手がいない。」

著者プロフィール

2002年、新潮社「女による女のための『R-18』文学賞」で読者賞を受賞し、同年『青空チェリー』刊行でデビュー。著作に『檸檬のころ』『夜の朝顔』『リテイク・シックスティーン』などがある。

「2010年 『神田川デイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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