仏果を得ず

著者 :
  • 双葉社
3.84
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本棚登録 : 2439
レビュー : 523
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575235944

感想・レビュー・書評

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  • 今まで多くの三浦しをん作品を読んできたが、この本は後回しになっていた。というのも、文楽に馴染みがなく、なんとなく堅苦しい小難しい話に思えたからだ。
    だが、読み始めてその考えは一掃された。とにかく面白い!文楽の物語と主人公である健大夫の心情を上手くリンクさせていて文楽の物語がとても身近に感じられたし、難しく思っていた文楽の世界も時に厳しく時にコミカルに描かれており、読み進めているうちにどっぷり文楽の世界にはまっていた。文楽ってなんて面白いの!
    勿論、本当の文楽の世界とは違うところもあるだろうし、まだまだ知らない部分もたくさんあるが、近々本物を見に行きたいと思う気持ちにさせられる程面白い世界だった。
    登場人物も個性的。そしてやはり三浦作品らしい(?)ちょっとBL風味なところもまた魅力的だった。

    • taaaさん
      ayakoo80000さん☆

      コメントありがとうございます(^-^)

      文楽!本当面白くて興味持ちました。
      伝統芸能(歌舞伎や能...
      ayakoo80000さん☆

      コメントありがとうございます(^-^)

      文楽!本当面白くて興味持ちました。
      伝統芸能(歌舞伎や能や…)の中でも一番
      私とは遠い場所にあると思っていたのに(笑)
      文楽に取り組む人達の人間関係が魅力的で、
      熱意がすごく伝わってきて…
      この本早く読んでおけば良かったと思いました。

      私的に月大夫さんと兎一兄さんの話も
      もっと読みたいな~と思ってみたり♡

      来年1月の文楽見に行こうと計画中です(^-^)
      2013/12/19
    • まっきーさん
      taaaさんへ

      こんにちは。いつも花丸ありがとうございます。

      私も「文楽」ってお堅くって、とっつきにくい!と思って、しをんさんの...
      taaaさんへ

      こんにちは。いつも花丸ありがとうございます。

      私も「文楽」ってお堅くって、とっつきにくい!と思って、しをんさんの作品、手をつけられずにいたのですが…。

      先日、他の作家さんの作品を読んでいたら「文楽」の話が書かれていて、ちょっと興味が出てきて…。

      そしてtaaaさんのレビューを読んで、私も「仏果を得ず」を手に取ってみようかな…と思いました。

      ロードレーサーに無知だったのを近藤さんがうまく物語にしてくれたし、他も原田マハさんの「楽園のカンヴァス」もそうだったし。

      なのでちょっと楽しみなんです♪
      素敵なレビューありがとうございました♪

      2013/12/20
    • taaaさん
      まっき~♪さん☆

      コメントありがとうございます(^-^)

      小説によって今まで無知だった世界を
      知る事ができるのは本当に楽しいで...
      まっき~♪さん☆

      コメントありがとうございます(^-^)

      小説によって今まで無知だった世界を
      知る事ができるのは本当に楽しいですね(*^^*)
      まさにこの本はそういう本で、
      是非読んでみて欲しい一冊です。

      文楽を完全に美化する事はなく、主人公に
      「この演目の主役の気持ちさっぱり分からない」
      などと思わせたりもしていて(笑)
      主人公と共に理解していく感じも
      取っ付きやすさを出している気がします。

      伝統があり長く続いているものには、
      やはり理由があるのだなぁと実感です(^-^)
      2013/12/20
  •  テーマが文楽。文楽とは、人形浄瑠璃のこと。
     わ、分からない・・・予備知識がない・・・でも、キャラが魅力的で読ませる読ませる。「油地獄」の練習をしてるはずの健と兎一郎が、実は「寺子屋」をしていて、師匠に『アホかあー!!』って怒られるところとか。笑いが止まらんかった。

     話の主軸としては、主人公「健」が文楽のキャラの心を、日常生活の出来事を通してつかんで行く。「ガラスの仮面」の北島マヤみたい。
     文楽って、遠い遠い異国の存在かと思いきや、そこに出てくるキャラたちは、江戸時代に生きていた人たちだ。現代の私たちのように、恋をしたり、憎んだり、自分の信じる正義に生きたりしている人たち。私たちと同じ人間。
     それを私たちは、太夫の語り、三味線の音色、人形の躍動を通して感じ取る。時空を超えた人々の、心の叫びを感じ取る。なんと、素晴らしいのだ、文楽なるものは!!見たことないけど・・・
     
     「生きて生きて生き抜く。これからも文楽と共に」と、仮名手本忠臣蔵を語りながら悟る健太夫。かっこよかった。生きながら仏果を得てますね。

     芸を極めるものの、容赦のない魂と魂のぶつかり合い。かっこいいなあ。何かひとつを突きつめつくすって、すごく大変だけど、すごくかっこいい。故に、文楽はかっこいいと悟りました。

  • 久しぶりの再読。
    やはり三浦しをんさんは良い。
    馴染みのない文楽の世界を生き生きと親しみやすく描いてくれる。
    若い太夫と中堅三味線コンビの情熱と成長と次第に確立されていく繋がりと。
    こういう世界につきものの、陰険な人が出てこないのも良い。いるのはそれぞれのやり方で芸の道を邁進する人たち。
    これも兎一郎の言う『三百年以上にわたって先人たちが蓄積してきた芸を踏まえ(中略)自分自身の芸を磨ききる』のに六十年でも足りないのだから、人を貶めたり陥れたりする暇などないということか。
    恋愛も出てくるが、こちらも相手女性が男前なのでサッパリしていて気持ち良い。
    これからの彼らの成長が楽しみになる。

  • 人形浄瑠璃・文楽で、語り手(大夫)を務める「健」。
    年若い彼は、人間国宝・銀大夫師匠の命令で、無口で変わり者の三味線「兎一郎」と組むことに…
    特定の相方を拒む兎一郎をつかまえて、どうにか練習に漕ぎ着けようとする健だが…

    渡る世間は芸事の鬼ばかり。登場人物の半分が文楽にどっぷり取り憑かれてます。
    一見おだやかに見える亀治兄さん(銀大夫師匠の相三味線)すら、家族旅行なのに家族そっちのけで銀大夫と音合わせしてるし・・・
    芸術家の嫁は大変だなと思いました。でも三浦しをんさんの書く女は強かな人が多いので、まあそんな旦那でも尻に引いたりマイペースに生きていったりするでしょう。バランスよければ全てよし。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「渡る世間は芸事の鬼ばかり」
      ホントですねぇ~
      「あやつられ文楽鑑賞」を先に読んで、三浦しをんの眼力の凄さに恐れ入ってます。
      「渡る世間は芸事の鬼ばかり」
      ホントですねぇ~
      「あやつられ文楽鑑賞」を先に読んで、三浦しをんの眼力の凄さに恐れ入ってます。
      2014/04/17
    • ダイコン読者さん
      「あやつられ~」の存在を知らなかったので、教えて頂けてありがたいです^^*
      読んでみたいなあと。
      「あやつられ~」の存在を知らなかったので、教えて頂けてありがたいです^^*
      読んでみたいなあと。
      2014/04/18
  • 文楽のことは全然知らない状態で読み始め、特に説明もない中でどんどん話は展開していくんだけど、自然と話に入りこんでどんどんのめり込んでいってしまいました。

    主人公の健の文楽への想いとその周りの人たちとの関係が熱くて、時にはホロリときたりして。
    最後までどっぷりハマってしまいました。

    「これまでの三百年と、これからの三百年を生きる人々を」
    文楽の伝統の長さと重さと感じるフレーズだなぁ。
    昔の伝統を未来に繫げる…いや~、かっこいい~。

    「三浦しをんにやられた!」感がいっぱいでした^^;

  • ものすごく面白い!!『舟を編む』よりもっともっと面白い!!!文楽を好きな人、興味のある人、つまらないと思ってる人、そもそも存在さえ知らない人、そのすべての人に読んでもらいたいと思った。ややきわどい表現はあるものの、それさえなければ子どもたちにも是非読んでもらいたい。学校の課題図書にしてほしいほど。

    文楽と、それに関わる人たち(太夫・三味線・人形遣い)に対する作者の愛と好奇心が存分に感じられ、それにまた心打たれてしまう。来月に文楽鑑賞デビューを控え予習の意味も込めて手に取ってみたのだが・・・当日が待ち遠しくてたまらなくなった。どうしよう!

    現大阪市長に是非とも献上したいものだと友人に言ったら、全国から送られてきて既に売るほど持っているのではないかと返されてしまった。確かに。

  • 予備知識なく目について手に取り読み始めましたら、義太夫の話でありました。授業で少し聞いたことある演目がいくつか登場し、あの人形浄瑠璃はこんな話だったんか〜。

    研修所出で人間国宝の銀大夫師匠に弟子入りして10年になる建。
    師匠に言われ組むことになった、少し難しい三味線の兎一兄さん。
    大きな役に抜擢され芸に苦悩したり、一目惚れしたり。

    こんなに打ち込めることがあるのも幸せだし、それが一生かけられる仕事だというのも幸せ。
    わたしには、ないかも。何よりも大事なんて。

    そしてやっぱり、読後は心が温かいのです。
    いい話でした。

  • デビューしました。面白くて、一気に読みました。
    ちょっと感想がずれますが、高校時代不良だった人って不器用で融通が利かなくて、一途ですよね。何だか女性の造形にもそれを感じるのは、著者が元ヤンなんだろうか、とか思ったりして。

    もう亡くなったのですが義理の父が歌舞伎の義太夫だったので、語りと三味線を両方やるってどんななんだろうと思いながら読んでいました。多読家でしたが、小説でも勉強していたのだろうか。もっと話を聴きたかったなあ。

    ***以下抜き書き**
    ・俺はついに、確信を抱いた。近松門左衛門は『女殺油地獄』で、あらかじめ定めづけられた生への疑問を、描きたかったんだ。
    たとえばいま、女だから俺と同じ舞台に立てないと知って、ミラちゃんががっかりしているように。たとえば研修所出身の俺は、自分の見台なんか一個しか持ってなくて、師匠に借りたりしてやりくりしてるけど、文楽の家に生まれた大夫は、代々伝わる漆塗りや螺鈿の見台をごろごろ持ってるように。
    自分ではどうしようもない部分で、なにかが決められてしまうことがある。
    それは仕方のないことだ。そこから自由になりきれるものは、だれもいない。だけどそれは、哀しみやむなしさを確実に生み出しつづけている。俺は語れる。それを自分なりに咀嚼して、語ることができる。

    ・「どっちもあっていいんじゃないですか。この世界だって、研修所出身と文楽の家に生まれたものとで、半々ぐらいだし。どっちなのか、べつに気にする人もいないいし」
    そういえば、兎一兄さんがどちらなのか知らない。健はそう思った。
    「それを聞いて安心した」
    兎一郎は浴衣姿で腕を組む。「古い考えのひともいる世界だから、いたずらに刺激しすぎるのはよくない。モーツァルトのオペラを無邪気に楽しんだ、アホなフランス貴族とは勝手がちがう。革命的舞台を作りあげたいなら、細心の注意を払って駆け引きしないとな」
    「いや、そんなおおげさなつもりはなく…」
    「近松門左衛門は、きっとそういうつもりだったさ」

    ・勘平がどんな男なのか。意志のひとなのか、いいかげんなやつなのか。それをつかめば、「勘平腹切の段」に揺らぎがなくなる。夜空を眺めつづけて、ついに星のめぐりを把握した太古の人々のように。茫漠として見える言葉の堆積は、実はきらきらと光る宝をひそかに隠している。それを探り当てなければならない。

  • 初っ端から親切な説明などなく、文楽の世界が展開されていく。
    有無をいわさず、引き込んでいく。
    夢中で味わい尽くそうとする、未知の、だけど魂が揺さぶられる舞台。
    三浦しをんさんって、スゴイ。
    きっと、自身も心動かされたであろうプロの世界を、その感動の揺れ幅を決して損ねずに、全くの門外漢たちをも虜にさせていく。
    最終章、いきなり文楽の世界にすでにおかれていることに、震えた。

  • とっても面白かったです^^
    あまり馴染みのない古典芸能の世界を、こんなに身近に生き生きと楽しそうに書けるのは三浦さんだからかな、と思いました。ところどころ笑えて、しかも一生懸命芸を極めようとするのも感じられて、文楽にも興味をもつという、お得な一冊です。登場人物も皆いいです^^

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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