犯罪小説家

著者 :
  • 双葉社
3.11
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本棚登録 : 916
レビュー : 211
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236354

感想・レビュー・書評

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  • 雫井脩介おそるべし。
    この人は無理にミステリーにこだわらなくても、魅力的な作品を書ける人だと改めて感服しました。
    人間の心理や異常性をこれでもかと書いてあって、読むほどに背筋が寒くなる。
    「犯人に告ぐ」でもそうでしたが、犯人探しはストーリーのほんの薬味程度のもので、
    実は主人公巻島の心の動き、葛藤を余すことなく書き込んでいるヒューマンドラマなんですよね。

    この「犯罪小説家」もそう。3人の登場人物の心の動きを細密に表現しています。
    ミステリーとしてのトリックや推理だけを目的にして読んでいる人には、かなり物足りない内容だと思います。
    ストーリーの中心が犯人探しでないからです。
    ただ、「犯人に告ぐ」のように事件の解決を偶然に頼ってしまうことがなく、その点が練れているなと思いました。

    「犯罪小説家」。。。。う〜〜ん、良いタイトルだと、読み終わって思いますよ

  • ★4にとても近い★3つ。

    とりあえずオノミツがウザいです。笑
    不自然なまでにウザい。
    不自然なまでに。
    まー、でもあれ、純粋な突っ走りなんですよね。

    今泉さんの不安定さ、分かっていても引き込まれるものがあって読んでいてとてもしんどかったりです。

    冷静なつもりが取り込まれる人、虚無な純粋を追い求め狂った人、一見冷静な中に凶気をはらみそれを許容する人、最後の章は素晴らしかったです。
    本当にラストが見もの!!



    @図書館本

  • ミステリー小説で文学賞を受賞した街居に、小野川は映画化を持ちかけてくる。原作を大幅に変えて過去の自殺サークル事件と物語を絡めようとする小野川の提案に街居はウンザリするが、彼はそれを断らない。

    小野川はライターの今泉と共に、自殺サークルのサイトに関係する人物たちと接触し、自殺サークルの主催者と幹部といわれる常連を洗い出していく。

    まず初めに今泉が森の奥で答えを見つけ、彼女はこの世から落下していく。
    街居と小野川も答えを見つけ、二人はその興奮を創作活動に向ける。

    ---------------------------

    漫画『DEATH NOTE』を思い出しながら読んだ。
    謎を解き明かそうと本能のままに向かってくる奇才と、協力者を装いながら策を練る犯人。

    序盤もたついてどうなのかなとは思ったけど、森に入ってからはペースが上がって気持ちよかった。街居も小野川も、興奮を創作に利用する変態だったというのは最高のオチだったと思う。

  • 最初のほうは全く話に入れず、結構時間がかかってしまった。けれど、会の真相に迫っていく件は秀逸。本当に緊張感と緊迫感を味わった。ただラストは・・・。そして死んでしまうのは・・・。この暑い時期にぴったりのぞくぞく感でした。

  • うーん、これはなかなかおもしろかったです。文章自体は会話が多くてものすごく読みやすいので読み応えはかなりライトなほうなんですが…(2~3時間)すごく映像向きですね。この内容でそれ言うの、けっこう微妙ですけど(^_^) メインの3人はすごく人物をつかみやすくて、話に入り込めます。ぐいぐい読み飛ばせるので、3時間前後という読んでいる時間もあって、おやテレビをつけたら内容の濃い2時間ドラマを見ちゃったラッキーという印象。(ほめてます)クライマックスから終わり方の転換もよかったです。難を言うなら、こんな話なのにせっかく出てきた刑事が…べつにいてもいなくてもよかったのでは? と思った点と、メインの3人の誰も愛せない(笑)ところ。すごく生き生きしていますし生々しい人間として感じられますが、みんな嫌いです☆ だから読後感はさわやかではない。でもそこは好き嫌いだから私にとってはマイナスだけど小説としてはべつにプラスでもマイナスでもないかな。

  • 「凍て鶴」を読んで「落花の会」に結びつける小野川って過ごすぎでしょ。
    結びつけてる事自体に無理を感じていたので、そこを解き明かすために物語が進む事に違和感を感じたし、繋がってたってわかった時に「えぇ〜」って思った。

  • 「犯罪小説家」
    落花の会。


    苦労を重ねながら、遂にデビュー以降、賞を獲得した小説家・待居涼司。「凍て鶴」は好評を受け、映像化の話が持ち込まれる。話の主は、ホラー界で著名な脚本家の小野川充ことオノミツ。彼は「凍て鶴」に異様な興味を見せ、自らの主張、プロット、熱意をこりもなく待居に訴え、映画を作ろうと説得する。しかも、オノミツが脚本、主演、監督の三役で、だ。オノミツは、熱意だけでなる、自殺サイト「落花の会」の主宰者が自殺した事件に異常な拘りを見せ始め、待居は次第にその異様さに気味が悪くなっていく。


    読み始めた時は、オノミツの異常な鬱陶しさと妙な軽さに、鬱陶しさを感じ、こいつが犯罪小説家じゃないかと疑っていた。「落花の会」の主宰者だけではなく幹部や事件そのものを映画に投影しようとする意味が分からないし、原作である小説を尊重するといいながら、頑なに意思は曲げない。これを異才と呼ぶならばそうだが、この鬱陶しい異才ぶりは、黒幕感がぷんぷんだったのだ。しかも、ノンフィクションライターまで巻き込む始末で、怪しさが高まっていく。


    しかし、これぞ、著者に嵌められた証拠だった。「凍て鶴」に漂う僅かな痕跡を異才は嗅ぎつけた。嗅ぎつけたというのが、純粋な興味からなのか、本能なのか、探偵的な勘なのか。それは読んで頂ければ。


    テイストは、オノミツのキャラぶりによって、ホラーでオチもホラーかと思いきや、ミステリーの残りはあった。とは言え、常軌を逸した終わりぶりだったので、一種のホラーみたいなもんだった。オノミツも待居も。

  • 新進作家、待居涼司の出世作「凍て鶴」に映画化の話が持ち上がった。
    監督に抜擢された人気脚本家の小野川充は「凍て鶴」のヒロインには、
    かつて伝説的な自殺系サイト「落花の会」を運営していた木ノ瀬蓮美の
    影響が見られると、奇抜な持論を展開する。
    実は待居がサイトの幹部であり、自殺ほう助や幹部の殺害を実施していたのだった。

  • 小説家の待居が凍て鶴という作品を書き上げ、小野川が映画化する段取りになる。自殺系サイトの落花の会に小野川が注目し、凍て鶴に投影しようとするが、落花の会は既に閉鎖されている。
    最後まで結論が分からない、先が気になる。
    人物の登場頻度など、よく表現されている。

  • 途中までは★1つだったが、最後で何とか挽回。

    賞をもらった小説家に映画化の話が持ち上がる。
    その映画の監督候補は自殺系サイトの会の主催者をモチーフにと考え、会が消滅した経緯などを追っていく…。

    とあらすじをメモってみたものの、
    2/3までは話がどこに向かっているのかサッパリわからず、
    だいぶ飛ばし読み。

    ラストで謎の人物とライターとメールをやり取りして、森に入るところから俄然面白くなったけど遅すぎた。

    もう少し作家のキャラを立てて、前半を端折ってくれたら結構飽きずに読めたような気がする。

    前半は忍耐が必要なので、それほどオススメはしません。

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著者プロフィール

雫井 脩介(しずくい しゅうすけ)
1968年、愛知県生まれの小説家・推理作家。専修大学文学部卒業後ひとたびは就職。出版社などを経て、1999年内流悠人(ないる ゆうと)という筆名で応募した『栄光一途』が第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、2000年同作でデビューする。
2004年『犯人に告ぐ』が、2004年版「 週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、2005年版「このミステリーがすごい!」で第8位、第26回吉川英治文学新人賞の候補として選ばれ、第7回大藪春彦賞を受賞。豊川悦司主演にて映画化・ドラマ化。代表作となる。
2006年に恋愛小説『クローズド・ノート』を発表し、沢尻エリカ主演で映画化。2013年刊行の『検察側の罪人』は2013年度「週刊文春ミステリーベスト10」4位など評価を受け、2018年8月24日木村拓哉・二宮和也共演で映画化。

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