日本のセックス

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 301
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236927

感想・レビュー・書評

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  • まず本屋で手に取り、レジでお金を払う所から羞恥プレイが始まる。男性定員に「お願いします」と差し出した時は恥ずかしかった。家族と同居してる人は、家でも羞恥プレイを強要されるかもしれない。父親に「四十八手か?」とニヤニヤしながら言われた時は恥ずかしかった。

    本書を開いて前半はエロ。ドエロ。恐らく変態的行為と思われるエロしかない。官能小説を読んだことのない私としては、正直しんどかった。生々しい。(けれど、これ以降もし手にした本にエロ展開が描かれていたとしても、多少耐性が付いたのではないかと思う。)
    途中エロではなくグロを挟んで、後半法廷ものにシフトチェンジ。ホッとする。エロの中に紛れ込んでた伏線を拾いながら問題提起もしつつ終結。ホッとする。しかし、しっくりというか、頭に「?」が残る。多分著者と年代が違うので、散りばめられたサブカルチャー(特に音楽面)が今一理解出来ず終わってしまった所為だと思う。

  • わけの分からない不安定さとスピード感

  • 昼休み本屋で文庫本が平積みになっていた。題名に惹かれて手にとった。筆者は「さらば雑司ケ谷」の著者,この本は読んだことないが,ラジオの書評で評判を聞いていた。冒頭を立ち読みすると判決の言い渡し場面だった。

    最初の1/4ぐらい導入部なのであるが,官能小説みたいな内容で,電車ではちょっと読みづらかった。登場人物が一通り揃った後に,話しは動き出し,裁判の判決が下る冒頭のシーンに来る。ここで,話しが終わりと思いきや,その後も話しは続き,さらに話しが展開してエンディング。最後まで読んでみて,なぜタイトルが「日本のセックス」なのかが,分かった気がした。

    読み終わった後は,なんとも後味が悪かった。分かり合えていると思っている夫婦でも,互いに100%分かり合えること出来ない。しかも,そのことを死別した後に知ることもあるとは。確かに,知り合うまでのことは知らないし,結婚しても,24時間一緒にいる訳ではないだから,当たり前と言えそうなのですが。

    自分は妻と分かり合えていることを信じられているまま,死んでゆきたいなぁ。

  • 生きる者に明日は来る。

  • 本仲間が貸してくれた本。
    「たぶんキライだと思うけど面白いから読んでみ?」って。

    ずいぶんすごいタイトルだなあ…と思いつつ。
    あとがきにサッと目を通したところそこまで酷い本でもなさそうな感じ。

    じゃあ読んでみるか…と、読み始めたら。

    これがもう。。エログロで。
    本当にもうエログロで。

    途中で「もうやめようかな」と何度も挫けそうになりました。
    後半に入るまで作者に対しては嫌悪感しかありませんでした。

    でもこの本の一番の面白さは後半部分にあったのですね。

    途中でやめたら、ただのエログロ本でしかなかったから。
    最後のあの部分までちゃんと読みることができて本当に良かった。

    エログロの部分は、自分の耐性に合わせて飛ばし読みするのが良いかと思います。
    たまに伏線がはられているので、バッサリと省略して読めないのがツライところだけど。

    1頁を数秒でザッと…程度のナナメ読みでも、十分 ひろえる伏線かと思います。
    (エロとグロの間に散りばめられている人間関係さえ拾えていれば大丈夫)


    ラストパートの物語の展開はホントウに秀逸。
    あんなにも嫌悪感を抱いていた物語だとは思えないほどの読後感!

    すごい本でした。

  • ただのエロ小説で終わるのかと思ったら、法廷ものだった。3分の2くらいはアイズワイドシャットな描写ばかりで疲れてきたとこにやっと事件が起きたからやれやれした。タイトルと中身が合わない・・・著者と年代が同じなおかげで音楽面のネタはくすりとできた。Great3がこんなに出てくる本もないだろう。再読は無い。

  • 110930onBS171 テロル...に他書記載
    ---
    官能から始まる物語は、やがて、圧巻のバイオレンス&法廷サスペンスへ――

    『さらば雑司ヶ谷』で話題沸騰の新しい才能の最新作は、不覚にも最後は涙する〈マニア夫婦の激動ライフストーリー〉。
    緻密な計算と破天荒な展開、洞察力に満ちたダベリが、ページを繰る手を止めさせない、21世紀の『O嬢の物語』

    容子と佐藤はスワッピングマニアの夫婦。あるマニアが集うパーティーで、マサトとミユキと名乗るカップルと出会う。
    だがそれは、ふたりの人生を大きく狂わせる暴走ラブワゴンへ乗り込むことだった……。

  • 「いくら絶望しようとも、女はへこたれる生き物ではない。男のように女々しくはない。彼女らと自分はもちろん違う人間だが、その女性たちは心の奥底で、「自分を裏切ってほしい」「心を打ち砕いてほしい」と望んでいたのではないか。でも、私は嫌だ。損をすることは嫌いだ。」

    なんともなしに、読んでしまったのだけれど、
    このタイトルが全てを包括しているかどうかは、少々謎…。
    前半部分での性描写などが日本のセックスと言われてもそうではないと思うし、後半からの法廷の様子がそうだと言われてもそうではないと思うし。
    あぁ、でも日本的な文化をとても表しているなぁ、と思う部分はいくつかあった。
    それはやはり、最後の参考(?)文献的なところの量の多さ(もちろん、どの作家さんでも大量の参考文献があるとは思うけれど)から着ているのかなぁ、というような知識の量があったような…。
    とは言っても、やっぱりよく・・分からない。
    読まさせるのだけれど、ヨクワカラナイ。

    【9/24読了・初読・市立図書館】

  • 2011年44冊目
    エロから始まってグロくなったと思ったら事件が起きて淡々と物語は進む。いろんなカルチャーに対する切り込み方が面白く、村上春樹のことが嫌いなんだろうな、なんて思いながら読んだ。
    女性に読んでもらって感想を聞きたい。

  • 妻と他人の性交を見て興奮する男となすがままになっている妻。後半は殺人事件もからんできて、純愛とは何をを問いかけようとしているような気がする。
    まあまあかな?

著者プロフィール

東京都豊島区雑司ヶ谷生まれ。出版社に勤務したのち、2009年『さらば雑司ヶ谷』で小説家デビュー。11年『民宿雪国』が山本周五郎賞と山田風太郎賞の候補作となり話題に。著書に『日本のセックス』『テロルのすべて』『二十五の瞳』『タモリ論』『ドルフィン・ソングを救え!』などがある。

「2023年 『無法の世界 Dear Mom, Fuck You』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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