夜行観覧車

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 6954
レビュー : 1125
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236941

感想・レビュー・書評

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  • TBS 金曜22時
    鈴木京香、石田ゆり子、宮迫博之、夏木マリ、高橋克典ほか

    http://www.tbs.co.jp/yakoukanransya/

  • 閑静な高級住宅街。

    立ち並ぶ家々はため息が出そうな程に美しく、
    (一体、どんな人が住んでいるのだろう・・・)と、想像し始めた途端、
    聞こえた様な気がした
    「やめろ!」と言う絶叫と、乱暴にドアを閉ざす音。

    物語中にそんなシーンもありはしたが、
    私は全く別の意味で、
    すべての家が、家族以外のよそ者を嫌悪しており、
    関わるな、
    近寄るな、
    触れるな、
    去れ!

    と、家自体が出す暗い叫びを始終聞き続けていた様な気がした。

    が、
    その中の一軒の家に黄色いテープが貼られ、
    警察と報道陣が、ようやくそのドアを開ける権利を得られた事により、
    近隣の住民達と読者は
    家が持つ暗い秘密を徐々に知る事となるのだ。

    著者の作風はみな、こうなのだろうか?

    殺人の起こった家の事情。

    その隣の家の事情。

    また、別の家の・・・。

    時間とその経緯をぶつぶつ切りつつ、
    場面を行きつ戻りつしながら、
    ぐいぐい真相に迫りゆく手法は、
    じれったくもあるが、ページを捲る手を決して止めさせない、
    深呼吸したくても、
    水面にあがろうとする足をぎゅっと掴まれているかの様な感覚。

    この苦しみに耐えながらも
    ドロリ、とした人の本質を知る為のドアを開けてみたい、と言う勇気のある人にはお勧め。

  • 人が観覧車に乗りたいと思う理由は様々ある。が、大体は、普段見ることはできない高い視点から美しい景色を眺めたいというのが大半だろう。陳腐な音をたてて回り続ける日々を人が生きる理由もきっと同じように単純なものだ。幸福になりたい、ただそれだけ。これは誰しもが持つ、普遍的である意味生々しい狂気じみた感情の渦の中で生きる人々の物語だ。

  • 連続ドラマが始まる前に読んでおかなくてはと手に取り一気に読んでしまった。
    湊かなえの書く、人間ドラマはいつもゾクゾクと背筋が凍る。
    人間の本質を書くのが非常に上手すぎるよ、この人は・・・。

    なんだかんだで、最後のページが1番恐怖に駆られた。

  • 家族でも本当のことは口に出さなきゃわからない。
    湊かなえは、登場人物の思ったことを、そのままの口語体で文章にしていることが多いけど、それでもミスリードされちゃう。あとになって、あ、本当はそういう気持ちだったのね、なるほど。そこがとても面白いし、すごい作家さんだと思う。

  • それぞれに関わる人間達の動向を、一人一人時間に沿っての表し方が、面白い。
    湊かなえっぽくって 先を知りたくなる。

    隣のおばさんが。。。。終始うざかったなぁ(さみしんぼうおばさんだけど)

  • 湊かなえさんって、学校の先生、または保護者と何か確執があったのでしょうか。いつもこの方達には厳しいですよね。
    きれいに終らせた感じだけど、私は彩花がどうしても生理的に受けつけなかった。だだのわがまま娘じゃん。もっとへこましてやればよかったのに。

  • 父親が被害者で母親が加害者―。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と、向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。
    ________

    それぞれの家庭の子供と母親、父親の目線から描かれた現代家庭の問題。
    家を建てて我が子のためにとすすめた私立受験が裏目に出た母親。
    家を建てれば妻が満足すると思った父親。
    高級住宅地に家なんが欲しくなかった娘。
    それぞれの思いが行き違い家庭内暴力に。
    もともと高級住宅地に住む家族にもそれぞれの思いがあって。
    印象的だったのは、めちゃくちゃになった家庭だけど、それでもその家族でやっていかなければならないということ。ハッピーエンドは描かれてなくて、救いのないままの家族だけど、現実ってそうだようなぁ…と納得。
    やっていくしかないんだもん。
    告白のような衝撃はなかったけれど、これはこれで考えさせられる一冊でした。

  • 結局真相はなんだったんだろう。
    母親としては、子どもに接する在り方を考えさせられたけど。
    良かれと思って追い詰めないようにしなきゃね。

  • コンプレックスから癇癪を起こし、暴れ回る娘 彩花に対してなす術もなく、ただひばりヶ丘に家を持てたこととアイドル俊介だけを心の拠り所にしている主婦 真弓。真弓たちの住む家の向かいには大学病院で医師として勤務している主人、美しく品の良い妻、医学部に通う長男、有名進学校に通う次男と、彩花が落ちた有名女子校に通う長女 という「絵に描いたように理想的な」一家が住んでいる。

    しかしそのお向かいの家で主人が殺されるという大事件が発生する。下手人は妻ということだが…

    それぞれの視点から語られる構成で、「藪の中」の如く複雑化していく真相は…。

    つくづく気の毒なのは殺されてしまった父親。

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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