寒中の花こらしめ屋お蝶花暦

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575237153

作品紹介・あらすじ

江戸日本橋で御茶漬屋「夢見鳥」を営む女主人・お蝶。道理の通らないことには声を上げ(時には手も上げ)、困っている者がいれば助けを惜しまない。旨い料理が評判の店を切り盛りしながら、おせっかいもまるで生業に。周りの者たちは「こらしめ屋お蝶」と呼んで慕っている。そんなお蝶の亭主・伊三郎は「御役目」だと言い残し、一年前に姿を消した。時々届けられる花だけが無事の知らせ。いとしい人の帰りを待ちわびながら、今日もお蝶は世話焼きに駆けまわる。

感想・レビュー・書評

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  • 御茶漬け屋の女将「お蝶」は元深川芸者
    男顔負けのきっぷの良さと情に厚い良い女。

    自分に関わる人達の厄介事を放ってはおけず
    あちらこちらに奔走して悩みの種をこらしめる。

    なかなか面白い設定だったのにシリーズにはならなかったようです…残念(u_u)


  • 人の情が身に沁みる(*´ー`*)アンソロジーでお蝶さんに惚れて読みたくなった作品♪お蝶さん以外にも魅力的な人達がたくさん登場!そして恋の話にドキドキ(*^^*)じっくりと読みたかったのに、駆け足気味に話が進んだのが残念(-.-)

  • その正義感ときっぷの良さや美貌+腕っ節の強さで、「こらしめ屋」として有名なお蝶の事件簿。市井の一人でしかないので、捕まえても警吏に届けるかは別、というのがよいところ。その人が更生できる道を探すお蝶さんです。浮穴みみのデビュー作もなかなか面白かったけど、これもよかった。特に表題作の体格でかいおちまさんがプリティー。

  • 困っている人がいると放っておけない、頼れる姐さん・お蝶がイナセでカッコいいです。
    気立ての良い、おちまちゃんや、ツンデレっぽい(?)沙鷗さん等、ええ感じのキャラが集い、安心して読める一冊。

  • ついこの間、「吉井堂 謎解き暦 姫の竹、月の草」を読んで、この、浮穴みみ氏の本にはまってしまった。

    「寒中の花」も面白いとの事で、早速読んでみた。

    結婚を約束したのに、正体不明で、突然いなくなってい知ったお蝶。
    お茶図家や「夢見鳥」の御茶漬け屋を営むのだが、困っている人が居れば、口も手も出す お節介や であるが、みな回りから、好かれている。
    そのお蝶に、店の常連 一介乃沙鷗が、博学であり、この本の中でも、色々知ることが、あった。

    作者は、仏文科を卒業とのことだが、博識と時代小説の描き方が、上手い!

    最後に亭主の伊三郎が、旗本で、御休息お庭の者支配 
    (将軍家お庭番の統括者)と、わかるのだが、さてさて、お蝶さんは、またもや、一人になってしまって、これからも、揉め事に、色恋沙汰に首を突っ込むことになるのだろうか?
    続編を書いて欲しいと、思った1冊である。

  • 連続短編集。お蝶さんいいわ〜。お洒落できっぷがよくて、ちょっとお節介。まわりの登場人物もいい。一応ハッピーエンドだけど、もうちょっと続きが読みたいかな。

  • 結婚を約束した相手が『御役目』のためいなくなってしまった。
    それを待つ、お茶漬けやを営む女の短編集。

    身近なちょっと困った話を、さくさくと解決していきます。
    ミステリーではないので、さくっと分かりやすい状態。
    しかし、この状態で『夫』となる相手は帰ってくるのか…と思ったら
    一応ちゃんと終了いたしました。
    己の一番の事件解決w

    最後のネタばれでは、そうですか、という感じです。
    驚きもないですが、違和感もなし。
    すとんと受け止められる状態でした。
    しかし…最後にまとまったあの男女。
    そこまでしといてお断りしている従業員。
    男からすれば、何故に!? ですよね…。

  • 愛した男は何があっても信じ抜く。粋な女、お蝶が何とも素敵。こんな女性になりたいと思います。続編を期待してしまうくらい面白く、読みやすいお話でした。

  • 約束したその人のことを何も知らない…
    それでも彼を信じ、御茶漬屋を続け待つことに決めた主人公。
    粋でいなせな元芸者の主人公が健気に感じられる物語です。
    厳しい状態ではありますが、密かに守られている主人公に早く春がきて大輪の花を咲かせてくださいね。

  • 亭主の伊三郎が名づけた蝶の異名「夢見鳥」は江戸日本橋にあって、その御茶漬屋女主人・お蝶は、元芸者で悪事には拳を上げ、困っている者に手助けずにはいられない性分でこらしめ屋お蝶と呼ばれていた。還暦の旦那に囲われている幼馴染のお初が、拾ってきた牛のような大女お千万が、お蝶の持ち病癪を看病したことから、亭主の伊三郎が御役目だと言って姿を消し、女中が急に辞めた店で働く事になる。常連のお旗本で戯作者の一介乃沙鴎そして出入りする鳶の熊吉等の手助けを受けて、人々の厄介事を解決する。女心と人情に富む傑作連作5編。

    終編「花嫁」で、上手くケリをつけているが、身の回りの幼馴染お初・女中お千万・板前の鯛造・昔の同僚の話が中心で、お蝶自身のことにあまり触れたいないのが残念。亭主の伊三郎は御役目で不明のまま、続編。お蝶の芸者時代を読みたかった。

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著者プロフィール

北海道旭川生まれ。千葉大学仏文科卒。数年間の関東暮らしを経て、現在は札幌市在住。
 『寿限無 幼童手跡指南・吉井数馬』で、第30回(二〇〇八年)小説推理新人賞受賞。著書に『吉井堂謎解き暦 姫の竹、月の草』(双葉社)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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