金色の獣、彼方に向かう

著者 :
  • 双葉社
3.50
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本棚登録 : 712
感想 : 122
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575237467

感想・レビュー・書評

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  • 読書完了日2012年02月01日。

  • 中編4編。この所ちょっと低迷してた感のあった著者ですけど、今作では恒川ワールド全開。何とも言えない、雰囲気のあるファンタージです。

  • この世界観は好きです。

  • 大好きな恒川光太郎の7冊目の単行本。
    収録されているのは、異神千夜/風天孔参り/森の神、夢に還る/金色の獣、彼方に向かう。

    最初に収録されている「異神千夜」が一番いい。怪しくて、怖くて、きびきびしていて無駄がない。日本の古典文学で味わえるような生死無常の美意識がた~んと盛り込まれて。読み終わるとしみじみと「今の日本に生まれてよかった」。とホッとするのでした。

    次作にも期待してます。

  • ややホラーめいた、幻想的な短編集。それぞれの短編は別々に読むことも出来るけれど、どこかしら繋がっている気がします。それらに描かれる「金色の獣」は妖怪なのでしょうか、それとも神なのでしょうか。
    お気に入りは「森の神、夢に還る」。どこかしら穏やかな心地になれる一編でした。

  • 圧倒的な存在感のある世界。
    神様とか怪異とかがすんなりと生きているような気持ちにさせらる。
    わたしは3つめのお話が好き。

  • 稀代の物語作家が紡ぐ、古より潜む“在らざるもの”たちの咆哮4編。
    傑作ダークファンタジー。
    対馬生まれ。韓国の貿易商の養子になり。
    通訳候補。博多の大物に会う。
    蒙古が来て、貿易商は牢獄、処刑。自分は労役。元寇の為のスパイになるのを条件に出所。博多に偵察。博多の大物に会いに行くが、すでに他界。しかし、元寇の予言していた。誰かが情報を持ってくる。
    情報が漏れ食料不足が分かり元は1日で帰った。
    スパイの疑いで隊長は首を刎ねられた。次の元寇まで日本で待機。
    元の残党はつかまると首を刎ねられた。博多の奥に逃げる。
    占い女は密告の任。日本人だとばれたが逃げる手助けを条件に一緒にいることにしたが、奥深い山村の住民を皆殺しをしていたのがわかる。
    何とか逃げた。しかし、女の体にもぐりこんだ魔物は生き延び、自分のそばまできていた。

    山奥で脱サラで旅館レストラン経営するバツイチ50男。団体に同行していた女、月野優が戻ってきて宿泊。部屋に入ってきた。抱いた。
    料理のメニューを増やし人気が出たが、やがて去る。団体のまたきた。
    彼らは自殺志願者達。竜巻に順番に飛び込む。案内人は継承される。
    月野優がまたくる。告白する。偽名を使っていた。苛めにあい、仕返しで相手を殺し、少年院へ。出所すると家族から見捨てられた。
    彼女も竜巻に飛び込む。案内人も飛び込む。男は死ぬ気はなし。

    憑依していた女。実際の女が絵を描くと自分が見たことのある風景を書く。気づいたので、自分の本名と馴れ初めを名乗った。震災孤児だった。
    ヤクザの金を盗んだ男。その弟分と一緒に逃げた。弟が兄を殺し。
    自分も殺された。その後、森の漂っていた。その時、駅にいたのがあなた。あなたのバイト仲間に連れていかれた鼬行者。自分を殺した男。

    金色の獣を飼う。やがて獣を通して風景が見えるようになる。
    お金持ちの家の女子。実は泥棒の娘。父を殺し死体を埋める相談される
    獣を取られた。樹海に入る。獣を籠から出した瞬間、逃げられた。

  • その昔、彼らは選んだ。自由を。深山を。闇を。幽谷を-。稀代の作家が紡ぐ、古より潜む“在らざるもの”たちの物語。表題作を含む全4編を収録。

    鼬に似た妖怪?が4篇中3篇に登場する点では薄く繋がった連作短編集。デビュー以来の暗い・冷たい雰囲気は健在で、今回は森が舞台となることが多く、より神秘的な感じが強まった。冒頭の話は元寇という史実が背景だが、従来の恒川作品(全て読んでいる)は時代が曖昧だったので、新境地なのかも。今後も「最小限の言葉で豊かな幻想的イメージを伝える」恒川ワールドに期待する。
    (A)

    • g2altさん
      私の中では元寇がブームです。
      私の中では元寇がブームです。
      2012/01/11
  • ダークであっても、最後に救いがあるのが好き。
    一冊通して、実は話がつながっているという設定も好き。
    が、今回のは、救いがあったのやら、ないのやら。

    「森の神、夢に還る」が、一番、不思議感を味わえたように思う。

  • 日本に渡来した金色の鼬:窮奇と、それに関わった人たちを描く連作として読んだ。憑依、操られる人々、かまいたち、風天孔。伝承からのファンタジックな世界が広がっていく。
    ウィキペディアの鎌鼬の項なども読むとさらに面白い。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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