金色の獣、彼方に向かう

著者 :
  • 双葉社
3.50
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本棚登録 : 628
レビュー : 113
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575237467

作品紹介・あらすじ

稀代の物語作家が紡ぐ、古より潜む"在らざるもの"たちの咆哮4編。傑作ダークファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 共通点は”鼬”や”操り”?
    時代も話も全然違うけど、同じ鼬なんだろうか…違う気もする。
    どれも面白いけど”森の神、夢に還る”が一番好き。
    昔と現代、切なさと優しさが混ざり合ったお話です。
    最近文庫化されたけど、個人的にはハードのこの美しい装丁と、”金色の獣、彼方に向かう”のタイトルが素敵で好きだったのでもったいないと思う。

  • 独特の幻想的な風景、人ではないものを描き物語に織り込んで読ませてくれる作者さんですが、短編集のこちらでも壮大なファンタジックな世界がとても抒情的に描かれていました。
    人間世界の残酷さの救いのように「この世でないもの」が存在することがあれば、人間をとことん貶めるように存在することもある。けれどもやはり恐ろしいと感じるのは人間のなすことである、というのはしみじみと感じたことでした。

    獣たちは、この世ならざるものたちは、いつもいかなるときも変わらず、ただそこにあるだけなのですね。
    人はただそれに、そのときどきの自分の状況を当てはめて、反面教師のようにそれらに思いを映すだけなのだ、などと思ったりしたのでした。

    人と寄り添うようにそれらは存在しており、ときに近づきときに姿を隠す。ありえないものではなく、目に見えないだけのものなのだ、と信じさせられるような、それらの体温を感じるような描き方が本当に巧い、と思いました。

  • 4作の短編集。
    恒川さんはデビュー作が衝撃的すぎたゆえに、なかなかそれ以降の作品で納得のいくものに巡り合えず。
    今回は秀作ぞろいだと思うけど、期待が大きいが為に☆3つ。
    4作の中では、「森の神、夢に還る」がよかったかな。
    鼬を登場させたのは中々おもしろい。

  • ひっそりと怖い。すすっと、背中を一瞬だけ冷やすような。
    イタチと樹海がテーマなんですね。装丁はなんだかトイプードルに見えたけど。すぐそばにある、異界。
    どれも、人間のどうしようもなさをすぱすぱ書いている。人間、どうしようもねえな。
    異神千夜が一番好きかも。
    ただ、恒川さんの他の作品よりも感動はしなかったかもなあ、とも思った。残るものがない、というか。
    「異神千夜」鎌倉時代終わり頃か、南北朝時代頃か?対馬から宋、蒙古へと下った商人のお話。人を操り、村ひとつ丸々呑み込む祟り神。人の命を奪っても生きる神。そんなもんに魅入られたくないな。遼慶とばっちり。
    「風天孔参り」月野優の身の上話が切なくてたまらなかった。私も犬を奪われたらそうすると思います。
    風天孔に入ったらどうなるんでしょうね。少しだけ、惹かれるものがある。
    「森の神、夢に還る」ナツコとサクラの心のふれあいが少し温かかったけど、二人の前に横たわる物語はとてもシビア。でも、死んだあと、森をさまようのも、悪くないかもしれないと思った。
    「金色の獣、彼方に向かう」ルーク可愛い。千絵の置かれた状況がとても悲しい。ラストシーンがよいですね。魂の一部が囓られる。

  • 昔中国大陸からやって来た『神』にまつわる話。時代をこえて関係していることがわかる。
    神は何故日本に住み着いているのか気になった。
    現実世界と隣あっている不思議な世界、恒川ワールドが伝わる一冊。

  • 装幀:水戸部功
    装画:大島梢
    http://www.cov-inkk.com/

  • 読みやすく面白く、すごく良かったです。『森の神、夢に還る』はうるっとしました。

  • 127:恒川光太郎さんの新刊!! と気合入れて買いました。恒川さんお得意の、「日常と紙一重のところにある非日常世界」の住人たちとの邂逅。
    悲しく切なく、けれど激情を秘めた「異神千夜」、孤独と寂寥を感じさせる「風天孔参り」、因果応報ではないけれど、過去との対決、「雷の季節の終わりに」を思わせる「森の神、夢に還る」、そして日常と非日常を隔てる境界が揺らぎ交じり合う表題作。どれも恒川さんらしくて、すごく良かったです。恒川さんファンなら買い、ですよー。
    ものすごく淡々と語られる物語に何を思うか、何を見るかは読者に委ねられているのかもしれません。異形たちはすぐ隣にいてもおかしくないリアリティを持ちながら、同時に畏怖と限りない興味、関心を抱かせるのですよね。それはつまり、彼らが古代から日本の風土とゆかりあるモノだからではないかとも思うのです。

  • 恒山先生早期の作品に比べたら,読む時の恍惚感や浮遊感が少なった感じがするけど……個人的には最後の二つの物語が好き。

  • 恒川ワールドの長編が読みたいな

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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