金色の獣、彼方に向かう

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 628
レビュー : 113
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575237467

感想・レビュー・書評

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  • 4作の短編集。
    恒川さんはデビュー作が衝撃的すぎたゆえに、なかなかそれ以降の作品で納得のいくものに巡り合えず。
    今回は秀作ぞろいだと思うけど、期待が大きいが為に☆3つ。
    4作の中では、「森の神、夢に還る」がよかったかな。
    鼬を登場させたのは中々おもしろい。

  • ひっそりと怖い。すすっと、背中を一瞬だけ冷やすような。
    イタチと樹海がテーマなんですね。装丁はなんだかトイプードルに見えたけど。すぐそばにある、異界。
    どれも、人間のどうしようもなさをすぱすぱ書いている。人間、どうしようもねえな。
    異神千夜が一番好きかも。
    ただ、恒川さんの他の作品よりも感動はしなかったかもなあ、とも思った。残るものがない、というか。
    「異神千夜」鎌倉時代終わり頃か、南北朝時代頃か?対馬から宋、蒙古へと下った商人のお話。人を操り、村ひとつ丸々呑み込む祟り神。人の命を奪っても生きる神。そんなもんに魅入られたくないな。遼慶とばっちり。
    「風天孔参り」月野優の身の上話が切なくてたまらなかった。私も犬を奪われたらそうすると思います。
    風天孔に入ったらどうなるんでしょうね。少しだけ、惹かれるものがある。
    「森の神、夢に還る」ナツコとサクラの心のふれあいが少し温かかったけど、二人の前に横たわる物語はとてもシビア。でも、死んだあと、森をさまようのも、悪くないかもしれないと思った。
    「金色の獣、彼方に向かう」ルーク可愛い。千絵の置かれた状況がとても悲しい。ラストシーンがよいですね。魂の一部が囓られる。

  • 昔中国大陸からやって来た『神』にまつわる話。時代をこえて関係していることがわかる。
    神は何故日本に住み着いているのか気になった。
    現実世界と隣あっている不思議な世界、恒川ワールドが伝わる一冊。

  • 登場人物も時代背景も違う4つの短編。
    同じテーマは鼬と樹海。

    連作というのでもなく、全く別のお話のようでいて、どこか根っこの部分は共通してるんじゃないかと思わせる。

    最初の話は元寇の頃で、大陸から女に取り付いたお化けがやってくるんだけども、すわ白面の者か!?と思っちゃう私とは。
    ちょっとホラーっぽい、でもどこか物悲しい後味のお話でした。

    ホラーって隔離された小集団が未知なる怪物と戦う話だけじゃないんよね。ええそれはキングですね。キング大好きですけどね。笑

  • 恒川さんの本ってことで期待が大きすぎたのか…これまでの恒川さんの作品に比べるとやや叙情感が薄いと言うか、読後の寂寥感が感じられないというか、なんか物足りなさが残った。
    今年ももう残りわずかだけど、今年の読書はヤハリ恒川さんの作品との出逢いへの感謝の一言に尽きる。出逢えて良かった。
    これからも沢山読みたいのでどんどん作品を書いていただきたいと心から思います。

  • 良かったのは表題作と風天孔参り。異神千夜はいまいち。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou17006.html

  • 恒川ワールド全開のホラーファンタジー。各話に共通するのは、鼬のような金色の獣。金色の獣はどの話においても圧倒的な存在感を放ち、人々を魅了し、翻弄する。どの話にも明確なハッピーエンドはなくて、獣の気配をうっすら残したままフェードアウトしていく。恐ろしい描写もこの人の手にかかるとどこか幻想的になるのは不思議。2013/031

  • やはり「夜市」から読むべきだったかな…と思うのも実は恒川さん初読み、まさかここまで惑うとは思ってもみなかった。
    もともとこのジャンルは奥手でたぶん正確に評すことは無理だろうしミステリーにハイ/ローやダークなどの分類のあることもごく最近知ったばかりだ。
    しかしこの異界からの使いとも言える窮奇=鼬が縦横無尽に跋扈する四つの連作短編の世界観はなんなんだろう、是非はとにかくとして何にも似てないことは確かだ。
    静謐と騒乱のコントラストに加えて妙に希薄な人、そして命の関係が不可思議さに拍車をかける。
    もう一冊読んでみるしかないか…

  • ダークファンタジー。短編集なんだけれど、うっすらと繋がってもいる。お話としては『異神千夜』が一番面白い。なんでか猫の墓掘り人が頭に残った。

  • 幾つかのキーワードで繋がりをみせる4編の短編集。
    これまでには描いてこなかった様な設定の冒頭話から引き込まれました。
    これまでの作品と比べると、現実と地続きに繋がっている感が色濃くなった様で、人間の心の暗部だとか、どうしようもない状況からの逃げ場として異形のものが描かれているように感じます。
    『風天孔参り』は前作収録の『夜行の冬』と近く、好きな世界観です。
    『森の神、夢に還る』が特に印象的でした。
    余白を残して読み手に委ねてくれる部分が、これまでの著作に比べて多いような気がします。
    人間の業について考えさせられます。

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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