螢草

著者 :
  • 双葉社
3.96
  • (43)
  • (73)
  • (38)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 359
感想 : 63
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575237986

作品紹介・あらすじ

菜々は武家の娘から女中に身を落としても、いつも元気よく朗らかで、心に一点の曇りもない。前を向いてゆく。切腹した父の無念を晴らすという悲願を、その十六歳の小さき胸に抱えながら。個性豊かな登場人物たちが、じんわりとした温かみを醸成する、極上の葉室エンターテインメント。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふんわかふんわりした時代物、あの葉室麟の作品にしては綿菓子みたいな優しい作りです。名うての策士で使い手に 父の敵討ちと立ち向かう健気な娘の物語。トントン運んでめでたしめでたしのエンディングはまさに物足りないけど、まあたまには良かろう(笑)

  •  あまりの面白さで一気に読み進めてしまいました。人を思うことの美しさと、それによって得る強さを感じ、菜々(主人公)が懸命に生きる姿を見て心が震えました。登場人物も皆個性的で楽しく、心地よいおかしみが溢れています。帯の売り文句にもある通り、『日本晴れの読み心地!』です。時代小説に縁のない方にも、ぜひおすすめしたい作品です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「時代小説に縁のない方にも」
      あまり読まないの方なのですが気になります(タイトルと、帯の文句良いですね!)。。。
      これは長編みたいですが、葉...
      「時代小説に縁のない方にも」
      あまり読まないの方なのですが気になります(タイトルと、帯の文句良いですね!)。。。
      これは長編みたいですが、葉室麟って文庫化された短編集ありますか?
      2013/01/18
    • 佐田美咲さん
       nyancomaruさん、コメントありがとうございます。コメントに対する返信の仕方が分からないのでここに書きます。返信ってできるのでしょう...
       nyancomaruさん、コメントありがとうございます。コメントに対する返信の仕方が分からないのでここに書きます。返信ってできるのでしょうか?
       「乾山晩愁」という作品が、角川文庫から出版されています。私はまだ読んだことがないのでどんな内容かは分かりませんが……。短編5篇が収録されているそうです。
       葉室麟さんはとても面白いのでおすすめです。ぜひ読んでみてくださいね。
      2013/01/18
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「乾山晩愁」という作品が」
      有難うございます!調べてみます。。。
      「「乾山晩愁」という作品が」
      有難うございます!調べてみます。。。
      2013/01/18
  • 蛍草、月草、露草

    儚げな名前のこの花のような主人公奈々が父の仇を打つという話。「日本晴れの読み心地」という帯の言葉のとおり、随所に心にささる文章があり心を揺さぶる。そして読後感は爽やかな青空が浮かびます。お決まりの悪者が罰せられ薄幸の主人公が幸せになる定番の時代劇小説。それがすとんと胸におさまってしまう。

    全編が清らかであたたかいもので囲われているようで最後は静かな涙が流れてました。

  • こういうお話は好き。
    時代小説としてはライトだけれど、とても読みやすいし、読後感が清々しい。
    菜々が旦那様(市之進)や奥方様(佐知)、正助坊ちゃま、おとよお嬢様に一途に仕えるひたむきさ、守ろうとする強さが胸を打つ。
    菜々を助けてくれた温かい人たちの存在も忘れてはならない。だんご兵衛さん(壇浦五兵衛)、死神先生(椎上節斎)、お骨さん(お舟)、駱駝の親分(湧田の権蔵)…ちょとした洒落っっ気もあって面白い。

  • 水戸黄門的な最後は勧善懲悪と分かっているので、ストーリー展開はそんなものかな、という感じ。菜々が仇討ちを果たすのも、佐知が死ぬのもはじめで分かった。楽しく読める時代劇。

  • 2021.09.15
    偶然手に取って読み始めたら「見たことがある場面だ」と思ったら、昨年2月にこれまた偶然に見たNHKの「蛍草 奈々の剣」だった。「清原果耶」さん主演で演技が良かった!こんな偶然があるもんだとササっと読んだ。清々しい!

  • ディテールはともかく、予想した結末にキチンと収まってくれる点が、落ち着いてストーリーを楽しめる理由。

    主人公の菜々が、真っ直ぐで一生懸命で、係る人たちから助けられるところ、それが最後に結実するところも嬉しい。

    トゲトゲする毎日の終わりに少しずつ読んで、厳しい一週間を乗り越えさせてもらった、感謝します。

  • 主人公 菜々の風早家にたいする直向きな想いが、とても健気で、応援したくなる。登場人物皆が個性が強くて、菜々を助けてくれるのが微笑ましかった。とても面白いかった!

  • 再読
    露草のごとき儚さと、朝露に濡れて凛と佇むその姿。人知れず枯れてしまうその姿を、好きだと言ってくれる人がいるだけで咲くことができるこの想い。
    やっぱり良い本です。

  • なんだろう、たまらなく泣けてきた。
    みんないい人なんだもの。
    物語にはありがちな「いい人揃い」だけど、すんなり入ってきて違和感が無い。特に剣の師匠!
    ありがちな大団円だけど、要所要所で思わず涙が出てしまう。
    難しくなくても、平易でも、心揺さぶる言い物語だと思う。

全63件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

葉室麟の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×