僕と先生

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575238495

作品紹介・あらすじ

大学の推理小説研究会に入ったけれどこわがりな僕と、ミステリ大好きでしっかりした中学生の先生が、日常に潜む謎を解いていく〈先生と僕〉シリーズの最新刊。
社会問題にも目を向け、ちょっぴり大人になった二人の活躍をどうぞお楽しみに!

感想・レビュー・書評

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  • うっかり二作目を先に読んでしまった(°_°)
    「先生と僕」が一作目だったみたい笑

    中学生探偵の隼人と大学生家庭教師の二葉
    美少年探偵コナン君と頼りない助手が日常ミステリーを解決する、ほのぼの系の中にちょっと人の持つ毒入り短編。

    コナン父が登場する「差別と区別」が良かった。
    就活中の先輩のエントリーシートが盗まれた…
    女子が感じる差別に目からウロコの差別と区別の違いに納得‼︎

    2人のコンビが良いですね。
    頭のキレる隼人が人として成長するには、頼りないけど優しくてお人好しな二葉が〝先生″になると思うと安心します(^ ^)

    たくさん推理小説が出てくるけど…
    詳しくないからわからなかった(//∇//)

  • 二葉さんと隼人くんのシリーズ2冊目。
    二人が可愛くてついにこにこしてしまうのは変わらず。
    二人が解明する事件がちくりと痛いのも変わらず。
    悪意について考え始めると怖くなる。
    それは私の周りにも間違いなく存在するもので、実際小さな悪意にはよく遭遇する気がする。
    その反動か二葉さんのような人に会うとものすごく感動する。なんて優しいのかと。
    でも、本当は誰の中にも二葉さんのような面とそうじゃない面がある。
    私の中にも。

    今思うのは、他人のことは私にはどうにも出来ないということ。
    こうしたらいいのにとか、こうしてほしいのにとか、考えてはいけない。
    そうではなくて相手に対して自分がどうするかなんだと思う。常にその選択の繰り返し。
    相手がこうだから私もこうでいいんだと言い訳するのは本当は違うんじゃないか。
    そんな風に思い始めている。

  • 続編 読みました。

    今回は 前回よりも ワトソンこと 僕が 頑張りましたね。

    てんとう虫のお姉さん すごく 気になります。

    3作目は あるのでしょうか。

    とても 気になります。

  • 冒頭───

    寒いと毛細血管が収縮して、切れやすくなるって本当だろうか。
    だとしたら二月の戸外で行列に並ぶなんて、寿命を縮めているようなものだ。
    「あのさ、チョコレートを買いに行きたいんだけど」
    つきあってくれる? そう聞かれて、つい気軽にうなずいてしまったのが運の尽き。だって僕の中でのチョコレートは、近所のコンビニとかスーパーで買うもの。ということは、十五分もあれば済む用事だ。そう思ってたから。
    なのに、その目的地が家から電車で四十分かかるデパートで、さらには朝の九時半から並ばなければいけないなんて、一体誰が想像できただろう。

    僕、大学生である伊藤二葉と、家庭教師の教え子の中学一年生隼人君が、日常のミステリーを解決していくシリーズの第二弾。
    アイドルのようなルックスの少年名探偵隼人君は、ますます推理の腕を上げ、僕二葉は、相変わらず心配性でヘタレキャラである。
    まあ、お互いに前作より少しは成長しているのだが、中学生になった勇人君の成長ぶりが著しい。
    完全にホームズ=隼人君、ワトソン=二葉の公式が出来上がってしまったようだ。
    二葉の軟弱さゆえに、殺人事件などの出てこないほんわかミステリー路線。
    そのため、事件の内容があまりにも浅く、物足りなさが残ってしまうが、これはそういう設定なのでは仕方ないか。
    個人的には、語りがラノベ調であまり好きじゃないので評価は低い。
    軽く暇つぶしに読めるライトミステリーといったところか。

  • 今回も二葉と隼人のコンビがいい感じで癒された〜
    また続きがあったらぜひ読みたい!

  • 『先生と僕』に続く、第2弾。
    ジャニーズ系の微笑みで女子をとろけさせる中学生「隼人」と
    見たものを記憶できる才能を持ちながらも
    怖いものが大嫌いな推理研究会「双葉」。

    今回も二人の名推理が炸裂します。

    この作家さんの本は、非常に今の時代を反映して
    現代人の悩みや問題をさりげなく物語に反映しています。
    そのさじ加減がとってもいい!
    問題提起をしながら、登場人物の考え方や
    解決法を探す姿勢も好感が持てます。

    今回は美意識が高い美人怪盗も参戦。

    毎年加熱するバレンタインを含むチョコフィバー
    大学生の悩み就活についての、悩み
    青少年のいじめ
    都会のゴミ出しルール違反
    などなど、身近な問題を盛り込んでの物語作り。
    ちょうどいいリアル感出しています。

  • 『和菓子のアン』のコミックス最終巻で紹介されていたことから知った作品。
    調べると、『先生と僕』と『僕と先生』の二冊あり、最初違いが分からなくて、続編の方の『僕と先生』から読んでしまいました。

    前作は読んでませんが、そんなに前作での出来事に左右されない感じで、今作から読んでも十分楽しめる話でした。
    話の流れがテンポよく、あんまりにおもしろかったので、2日で読み切ってしまいました!!

    タイトルの「先生」は、ミステリの先生である中学生、瀬川隼人くんのこと。

    家庭教師としてのお仕事小説、というよりは大学生と中学生のコージーミステリ。
    奇妙な友情と、ちょっぴり甘酸っぱい青春の物語です。
    怪盗レディーバード(※てんとうむしの意)と隼人探偵が、『名探偵コナン』のコナン君と怪盗キッドみたいで微笑ましい♡
    (コナン君の方は、作中でも言われてますが)
    レディーバードと二葉助手の、恋のゆくえも気になるところ…。

    あと、ショートケーキの上の苺のくだりで、
    隼人くんは苺を最初に食べるタイプ、二葉さんは苺を最後まで取っておくタイプだとお見受けしました。
    で、二葉さんが最後まで取っておいた苺を、隼人くんが「食べないならもらっちゃうよ?」って小悪魔な笑顔で横取りしていく図が浮かびました…。
    小悪魔な美少年、いいですね。
    隼人くんと違ってイケメンでない二葉さんの非モテオーラ全開なところにもキュンキュンします♡

    また、性別不詳の作家さんとのことで、男目線の心情があったり女子目線の悩みがあったりと、中性的な表現が特徴。
    (でも、ちょっと女子的な悩みの方が詳しい気がする…)
    登場キャラに大学生が多いこともあり、就活の場面もあって、
    今回もまた、登場人物のセリフを通じて、就職面接や仕事として働くということの心得というのを学ばせていただきました。
    (特に、業務上のコミュニケーションが図れていなかったマンションの清掃員とオーナーに、隼人くんと二葉さんが喝を入れた場面)
    以前、『シンデレラ・ティース』を読んだときに、あとがきで「歯医者さんへ取材をした」と語られていたこともあり、
    外国人労働者の苦労やデパートの食品売場の事情など、非常に丁寧に描かれていたので、きっと今回も熱心な取材をされたのではと思いました。

    坂木さんの作品は、全体的にほのぼのとした雰囲気で、たまに胸キュンあり、それでいて社会問題にも喝を入れるところが好きです。

    それと、読んだあとは、ちょっぴり賢くなったような気がします。


    *ミステリの先生(隼人)からの宿題 (作者あとがきより、参考文献)
    『快盗ルビイ』 監督・和田誠 →小泉今日子主演作
    『快盗ルビイ・マーチンスン』 ヘンリイ・スレッサー 村上啓夫訳(ハヤカワミステリ文庫)
    『ブラウン神父の童心』 G・K・チェスタトン 中村保男訳(創元推理文庫)
    『ポー名作集』 エドガー・アラン・ポー 丸谷才一訳(中公文庫)
    『11人いる!』萩尾望都(小学館文庫)
    『怪盗紳士リュパン』モーリス・ルブラン 石川湧訳(創元推理文庫)
    『大誘拐』天藤真(創元推理文庫)
    『江戸川乱歩全集第9巻 黒蜥蜴』江戸川乱歩(光文社文庫)
    マ行の『黒蜥蜴』(読んだことがなく、雰囲気で松本清張かと思って調べたら、三島由紀夫なんですね)

  • ごく平凡な大学生、僕こと『伊藤二葉』は、中学一年生の『瀬川隼人』の家庭教師をしている。もっともそれは表向きで、半分はミステリー談議をする秘密の契約を、彼とかわしている。
    そんな二人が出かけたチョコレートフェアーで、窃盗事件に遭遇する。
    二葉と隼人の事件簿シリーズ。


    語り手が極度の心配性で恐がり。推理小説研究会に籍を置いているくせに、殺人事件を扱うようなミステリーは読めないという設定なだけに、この本で扱われるのも、日常の謎の部類。
    作中にもあるが、殺人事件が起きないからと言って、それが優しい話とは限らない。動機の解明に重点がくるぶん、他人の悪意とか社会問題などを扱うので、殺人事件より身近で身につまされる。その痛みは、小さな棘のようにちくちくと痛みが続く。
    正しくありたいけど、優しくもありたい・・・。私も二葉同様に答えを出せないでいる。

  • 『僕と先生』なんていうタイトルだから
    てっきり学校を舞台にした真面目~なお話かと思いきや
    思いっきり期待を裏切ってくれました。

    もちろん、いい意味で。

    5つの短編ストーリー。
    主人公の大学生二葉と、ミステリ大好きな美少年隼人君。

    この二人のコンビがなんとも言えずほほえましく
    一気に読んでしまった。

    『なんていうか、どれをとっても「そうなってるから」としか言えない自分が悲しい。』

    『雑誌と同じじゃなくていい。そう言ってくれる大人がいたら、僕らはもっと気が楽だろうに』

    『僕らは平等じゃない。だって人は、同じじゃないから』

    『言葉を惜しむのは怠慢』

    坂木さんの登場人物のせりふにはいつもドキッとさせられる。
    大げさに叫ぶでもなく、サラリと言うその内容は
    純真でまっすぐで、きっと誰しもが持っていたのに
    成長するに連れて、少しずつ失っていった(気が付かないふりをしている?)
    気持ちだったりする。

    坂木さんは、大切なメッセージを
    重く深く伝えるのではなく、あくまでもサラッと軽く伝えてくるから
    なおさらドキッとさせられます

  • 「先生と僕」の続編。同じようなノリ。だけど、こんな題名にするってことは、シリーズ化の予定はないのかしら。

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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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