- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575238532
感想・レビュー・書評
-
おばあちゃんと同居することになった光一たち一家。
その日から光一一家に起こる数々のトラブルと、おばあちゃんが起こすミラクル。
まるで魔法使いのようなおばあちゃんが繰り出すのは、
「魔法の杖」ではなく鰯のぬかみそ炊きや炭を熾し土鍋で丁寧に炊いたご飯の塩むすび。
「魔法の呪文」ではなく、気遣いのある感謝の言葉と優しい嘘。
こんなおばあちゃん、いいなぁ。
「なりたいな」ではなく、「ほしいな」と思う。「孫」の目線になっている。
ふ、と。自分のおばあちゃんを思い出す。
ごく小さい頃は、おばあちゃんっ子だった。
おばあちゃんは激しい性質で怒りっぽくて、お料理がヘタで、音痴で、ビールが好きだった。
石川啄木が好きで、自分でも短歌や俳句を作っていた。
怒りっぽい人だったけど、私は孫の特権でたくさん優しくしてもらったと思う。
そんなふうに。
読んだ人が何歳であっても、自分のおばあちゃんがどんなおばあちゃんでも、健在であってもそうでなくても。
読後、自分のおばあちゃんを思い出しては、懐かしい気持ちに胸が満たされるのではないだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020最後の1冊^_^
面白かった!
ばあちゃんにいちばん目をかけられてるのは自分だと皆が思うくらい、上手に周りを気持ちよくさせる。
やさしい嘘と書かれていたけど、ものは言いようなんだなーと、今後参考にしようと思った。
歳を取ること、きちんとご飯を食べること、規則正しく生活して、運動して、人の役に立ち生きること。
ひかりばあちゃんを尊敬する。
年末にふさわしい1冊だった。
続編もあるみたいだし、来年も読むぞー!! -
俺・真崎(まざき)光一、浪人生。
父の兄が急逝して、その伯父さんと同居していたばあちゃんを家に引き取ることになった。
おばあちゃん・真崎ひかり、昔はこの土地に住んで書道教室を開いていた。
ばあちゃんを今でも敬愛する教え子たち、ばあちゃんに救われていく家族たち、そして、ばあちゃんの外出に必ず付き添う光一の姿がほほえましい。
ちょっとうまく行きすぎ感もあるが、日本昔話が大人向け小説になったと思って読むといいかもしれない。
とにかく素敵なばあちゃんだ。
私も立禅やってみたいなあ…
既にばあちゃんに入信してしまったかもしれない。 -
幸せになれる作品。
たくましく、したたかに生きるとはこういうことなのか!
展開も軽やかで、サクッと読めました。 -
光一は浪人生、妹の光希は家に寄り付かず、母親はパート先不穏な雰囲気。父親はまさかのリストラの危機?!
このままでは家族が崩壊かと思われたとき、おばあちゃんが帰ってくる。書道教室の教え子を訪ね歩くうち、一家の運命がどんどん変わっていく・・・。
こんなにうまくいくはずがない!と思う人がいるかもしれないけれど、それは小説の楽しみ方の違いなのです。作者が綿密に構成して、しかも説得力を持つ事情が次々明かされるので、私はとても楽しめました。
うまくいかないことばかりの人生でも、少し何かを変えることで、別の方向へ回り始めるかもしれない。そのヒントがたくさんある小説です。 -
イッキに読んでしまいました。
お陰で寝不足ですね。
でも良かったです。
最後までハッピーエンドで☺️
読むと幸せな気分になりますね。 -
なんというか
夢のようなご老人
ミラクルばーちゃんなのに
口調は優しくて丁寧 控えめ
ああ 世の中こんなに
穏やかな人ばかりなら
さぞかしいいだろうなぁ
とおもう 理想のおばあちゃんです -
ばあちゃんの観察力と対応力とコミュニケーション力と心遣いがすごい。(笑)
-
浪人生の光一の家庭が祖母と同居することになった。やってきた80歳過ぎの祖母は、昔馴染みの人たちから慕われ、またその質素な生活は光一には新鮮なものだった。
とにかくおばあちゃんのキャラクターが素敵で、昔書道教室をしていた時も、決してけなしたりせず褒めて伸ばすやり方で、また仕事を頼んで、そのお礼としていろいろ面倒見てあげていた。こんな風に人と接したらそりゃ好かれるなぁ。いろいろ問題のあった光一の家庭も、おばあちゃんのチカラでときほぐされ、良い家庭になっていく。
続編も読もうと思った。 -
最後がなんか雑い。
でも単純にこういう人が居たら良いなぁ。
うまく行きすぎなのはお話だけど。
しかしこの浪人生はまた落ちるな。