鏡よ、鏡

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575238556

感想・レビュー・書評

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  • 就職先の美容部員として知り合ったふたり。
    性格や着るもの、メイク、食べ物の好みなどがことごとく正反対。
    お互いに合わないことを肌で感じていたが、小さなきっかけであっという間に親友に。
    美容部員として切磋琢磨して成長し、強みと弱味を補いあって最強に心地よかった友情関係。
    ところが会社への不信感が芽生える出来事がおこり、そこに男性が絡むと崩れかかってしまう。
    仕事はどうなる?ふたりの友情は?

    反目し合うふたりが、お互いの違いを認めて楽しめるようになると強そう。
    途中登場する男が後々友情に響く振る舞いをするんだろうなーと、ふたりの友情を読むのが心地よかったので憎らしく思えた。

    前半は友情中心、後半は仕事中心の急展開。
    後半の方が楽しめたけど、終盤にしぼんだ感じ。

    久しぶりに化粧品売り場に行って、美容部員さんにメイクしてもらいたくなった。

  • 自分と正反対の人って、似ている人よりは付き合いやすいと思う。
    「あぁ、この人苦手」と思ってきた人のことを考えると、どうやら自分と似ているところがあって、それが嫌なところだったりするもん。
    正反対だと「あぁ、こういう考えもあるのか」と幅広く物事を捉えることができそうだしね。
    そうは言っても、似ていない人との接点ってそれこそ同期だとか、同級生だとか意図せず一緒にならないと持てないよなぁ。

  • 一人の時、家族、恋人、友達と過ごす時、仕事してる時、全部自分だけどちょっとずつ違う自分。
    色んな顔を持っている。

    それはわかっていても、やっぱり先入観てこわいな。途中まで「鏡よ、鏡…」の部分がリナとエリコ逆だと思ってた。

    急速に仲良くなっていく感じのリアル感。こわい。
    そして、時間。相手を許せるようになるために必要な時間。もう少し時間が経ったらきっとまたこの二人は仲良くなるのかなぁ。

  • 女同士のどろどろした話かと思ったら、友情ものでもあった。
    美容部員になった莉南と英理子、そして百合。
    過去や事情を抱えつつ、一所懸命仕事をして、少しずつ成長していく物語。
    字体が変わって「鏡よ、鏡。」から始まる部分、これは結局誰のセリフかわからずじまい。
    もう1度読めばわかるのかな。

  • 莉南と英理子は化粧品会社の美容部員。
    愛想がよく、コミュニケーション力に長けた莉南。
    自分の価値観を優先し、上っ面の付き合いを嫌う英理子。
    対称的な二人は自分にないものを持った相手に惹かれ、親友になる。
    だが、ある事が原因で会社側と対立する英理子。
    その時、莉南はーーー。


    莉南と英理子は、一泊二日の新人研修で出会う。
    同室になった二人はお互いに良い感情を抱かなかったが、
    同じ店で働く内に、全てが正反対で互いにないものを持っていて
    認め合う様になり、ほんの些細なきっかけで一気に親友になっていく。
    私は、周囲に気遣い愛想良くしてしまうから莉南よりかなって思ったけど、
    妙に馴れ馴れしく自分を作っている様な莉南にも、
    余りにも自分の殻に籠って、言葉のキツイ英理子にも、
    極端過ぎて共感し辛かったあせあせ(飛び散る汗)
    二人がどうして、今の様になったのかが明らかにされた時、
    辛かったんだね。頑張ったんだねって、応援したい気持ちになった。
    特に莉南…裕治君とそのお母さんが居て良かった。

    鏡よ鏡…鏡に向かって誰かが語ってるシーン…逆だと思ってた。
    著者の思い通りに騙されてた気がします。

    英理子の極端過ぎる暴走には、驚いた。
    二人は正反対の決断をする。いずれも、その人らしい選択。
    同じ事が正しいわけじゃない。違う事が間違いなわけじゃない。
    二人の仲違いは、切なかったなぁ。
    もっと、心を割って話していれば、違ってたんじゃないかな。
    5年後の再会で、顔を合わせてアイメイクをしあうシーンは、
    胸があつくなりました。
    結末の余韻も良かった。

  • 正反対な2人は磁石のようだった。相違して離れたり、くっついたり。陰と陽という対照的な関係。真逆の性格・思考の人と仲良くなるのはすごく楽しい。この作品からもそういうのが伝わってくる。女のリアルな部分がしっかり詰め込まれている。飛鳥井千砂の描く女の友情がリアル過ぎていろいろ怖くなった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「女の友情がリアル過ぎて」
      それを、頭の隅に置いて読みます。
      「女の友情がリアル過ぎて」
      それを、頭の隅に置いて読みます。
      2014/04/09
    • 610@活字中毒さん
      女子(女性)特有のあるある的な感じがしました。女性作家なのでそういうリアルな感情が上手く書かれてます。
      女子(女性)特有のあるある的な感じがしました。女性作家なのでそういうリアルな感情が上手く書かれてます。
      2014/04/09
  • 化粧品に興味が出てきた最近、久しぶりに美容部員の話を読み返してみようと思い、2024年1冊目読み終わった本。さらっと読める。

  • オーガニック化粧品会社の美容部員の話。性格が全く違う2人が、徐々に心から信頼し合う相手になっていくの感じる。

  • 合わせ鏡のように正反対な美容部員のリナとエリコのお話。
    2人が最初に衝突した時は、単純に「こういう相性の悪い人っているよなぁ」という気持ちで読んだけど、後半こんなに愛憎相半ばするような関係になるとは思わなかった。

    どちらの考えも少しずつ自分の中にもあって、どちらにも少しずつ感情移入していたから、2人ともそれなりに幸せに過ごしているようでホッとした。

  • 全てにおいて意表をつかれた。

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著者プロフィール

1979年生まれ、愛知県出身。2005年 『はるがいったら』 で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年に上梓した 『タイニー・タイニー・ハッピー』 がベストセラーとなり注目を集めた。他の著書に 『君は素知らぬ顔で』(祥伝社文庫) 『女の子は、明日も。』 『砂に泳ぐ彼女』 など多数。

「2021年 『そのバケツでは水がくめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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