我が心の底の光

著者 :
  • 双葉社
3.14
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感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575238884

感想・レビュー・書評

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  • 過去は自分のせいじやないから、上を向いて生きてよかったのに。
    これだけ知識、技術、思考能力、度胸があれば、仕事でも成功できたはず。
    でも、心の支えだったんだね。

  • 読み始めは続きが気になってとても面白かったです。
    ネグレクトという児童虐待を受け死の淵を見た主人公の復讐の物語。
    ただ最後の監禁の辺りから失速しだし、彼女の命はどうでもよくて「え?」ってなりつつ。
    何年もかけて復讐をしていくには弱く感じる理由。
    だけど、それは自分が本当の絶望を知らないだけなのかもと思い直す。
    誰も幸せになれないラスト。
    重い。

  • 最後が、想像してなかった主人公の想いが出てきたので驚いた
    切ない感じが、胸の中に残ってる

  • 貫井さんの本は殆ど読んでいます。
    これも帯からして、つらい展開は想像できました。
    それでも、”光”の一文字に救いがあるのでは…と読み続けました。

    こういう類の小説を読むときは、できる限り感情を押し殺して読むようにしています。
    でも、突然の捨て猫ちゃん登場には本当にまいりました…。
    (泣きどころなもので…)

    たしかに、驚愕の結末ではあったかもしれません。
    でも、犯罪に手を染め続ける理由…
    晄はなぜこんなにも平然としていられるのか…
    心の底の光がなんだったのか…
    それがわかったとき、私はさほど驚きませんでした。

    孤独で地獄のような生活。
    晄にとってあの地獄に比べたら、
    いじめられる痛みなどさもないことだった。
    その中で、ただひとつの生きる希望だったトラスケ…。
    あの密室で、幼い自分とトラスケの互いのちっちゃな命を見つめ続けた時、
    晄の心は凍ってしまったのだと思います。

    読み終わって、ふと”赦し”ということを考えました。
    晄の半生にも、その道はきっとどこかにあったはずなのにと…。
    「やっとトラスケのところにいける」
    その晄の言葉があまりに悲しくやるせなかったです。

  • 復讐の相手がいったい誰なんだろう・・・・と思いながら読み進め、正体がわかった時は「えぇ・・・?そこ?」とちょっと違和感を感じたのだが。

    でもラストは涙が出た。圧倒的な孤独に。絶望に。

  • 親からのネグレクトを受けていた不幸な生い立ちの晄。
    彼の短い人生の話。

    21、25、29歳で、晄は犯罪を犯します。
    その動機は最後に明かされるのですが、なんともやり切れないものでした。

    小さな子供の圧倒的な孤独。
    それは想像を絶するものだと思います。
    そこで出会った1匹の子猫。
    普通の環境でも、動物との出会いで子供は変わることが多いのに、その環境下での出会いであったら、その後の晄の気持ちも分からないでもないかも。

    かなり極端な話ではありましたが、全ての悪の根源は親でした。
    親の責任は重大であると、毎回思います。

  • 母親の育児拒否により、幼少期に飼い猫のトラキチと共に餓死の危機をさまよった峰岸晄。5歳で伯父夫婦に引き取られ、学校ではいじめに遭い、友達も出来ずに育つ。そんな晄が成人し、取った行動とは・・・
    救いようのない話ではあるが、途中までは引き込まれた。しかしながら終盤は乗れなかった。意外なラストではあったが、そっちだけなのかという感じ。

  • 一気読みしました。
    だから、面白かった・・・と言いたい所ですが、中盤あたりから別の話になった、いきなりヤクザという非日常的なものが出て来て大味になった、という感じ。
    それまでの主人公の印象も変わってしまったし、もっと深みのある話じゃないかと読んでいる間期待していたので残念です。

    主人公は悲惨な人生を歩んできた男性。
    子供の頃、父親が殺人を犯した彼は親戚に引き取られ、そのラーメン店の手伝いをさせられて生きてきた。
    学校でも殺人者の子供として周りに避けられる上、無口な彼は虐められ、万引きを強要される。
    友人もいない彼の口癖は「仕方ない」。
    そんな主人公の14歳、16歳、19歳、21歳、25歳、29歳をそれぞれの章で描いた物語。

    読んでいる途中、とても重たいテーマを扱った話だろうと思い、結末に期待していましたが、それを見事に裏切られました。
    私の読解力が甘いのかもしれませんが・・・。
    後半になるにつれ、どうでもいい感じになって、まるでやっつけで終わらした感じ。
    私なりに読んでいる最中に作者の言いたい事を考えていたのに・・・。
    主人公の行動も理解できないので悩むことが2つ。
    心を開く相手が出来たのにそれをあっさりと拒否して捨ててしまう所と、唯一自分を理解してくれた人をあっさりと見捨てようとしたこと。

    彼の生い立ちを考えればそれだけ心がすさんで当たり前でしょう、と思うけれど、そうじゃない所に光を当てた話だと思っていたのに・・・とにかく、読み終えた感想は残念の一言です。

  • 中盤まではよかったんだけどなぁ
    惜しいなぁ~
    終盤になるにつれマンガチックというか
    陳腐な三流映画的な感じになってしまい
    あぁ。
    オチがネコのための復讐っていうのは
    悪くはないんだけど。

  • 絶望の幼年期を過ごした男。 生き延び、数々の犯罪に手を染めていく。
    男を突き動かしているものは何か。
    心を殺し続けた男が最後に見せる思いは、驚くほどに純粋だった。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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