君の膵臓をたべたい

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239058

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わったあと本作がデビュー作と知って驚いた位、ステキな作品だった。他の著作も読んでみたい。
    桜良が「生きること」について語るシーンが印象的。「誰かと心を通わせること。そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ(中略)私の心があるのは、皆がいるから、私の体があるのは、皆が触ってくれるから。そうして形成された私は、今、生きてる。(中略)だから人が生きてることには意味があるんだよ。」

    まさかの不幸の上塗りにショックを受けた。「共病文庫」は涙なしに読めない。
    読み終わった後【 】内を順番にチェックしてみたら春樹と周りの人の関係の変化が読み取れたし、遺書を読んで以降は【 】は登場しない。だから周りの人間が自分のことをどう思っているか想像するのを辞めたのだな、人と心を通わせて生きていくことを選んだのだなと気付いた。

  • 主人公の女子高生が不治の病だったり、
    にもかかわらず、
    やたらと暴飲暴食気味だったりという
    ストーリーの是非は置いといて・・・
    私は主人公二人の関係がとても胸に響きました。
    お互いを『あちら側の人間』だとみなしていた二人が
    それぞれ自分に足りないものを相手の中に見つけ出す。
    いつの時代も教室の中にはゆるぎないカースト制度があって
    どういうわけか、明るい方が暗いより偉くて
    友だちの数か多い方が正義だという不文律がまかり通っているけれど
    こんな風に相手との違いを受け止められたら
    主人公たちの様にもっと刺激的で愉快な日々が送れるだろうに。
    『×××君』と書かれていた名前は
    映画ではどのように表現されていたんだろうか。
    それが知りたくて、映画も見てみようかなと
    思っているところです。

  • 何とも強烈なタイトル。にもかかわらず表紙はまったく別の雰囲気を醸し出していて、全く内容の予想がつかないまま、映画化の作品と言うことで読んでみた。
    高校生が主人公と言うことで、文章もサラッと読みやすいので中高生向け小説と思われる人も多いようだけれど、私は純粋にこの子達の世界に入り込んで一気に読んでしまった。
    余命わずかな病気を抱えてと言う設定もよくあるパターンかもしれないけれど、この子達の心の葛藤が初々しく感じたのは自分が歳を取ったから?
    原作にはない12年後が加えられていると言う映画の方も楽しみです。

  • インパクトのあるタイトルで気にはなっていた本。映画化されるということで先にげんさくを読んでみた。
    よくある高校生の純愛物かと思って読んでたけど、好きだの愛だの恋だのをこえた人間関係を描いている。
    いつも人との関わりを避けて一人で生きている主人公は、彼女と会うことで人と人との繋がりに意味を見出していく。
    反対に人との繋がりで生きていると感じる彼女は、反対に人との関係性を持たずに自分を確立する主人公に憧れる。
    お互い知らない間に相手みたいになりたいと思い、最高の褒め言葉として贈るのが「きみの膵臓を食べたい」であった。この部分を読んだ時にジーンときた。良い本だ。

    ただ、このような地味な男の子が可愛くて明るい女の子と上手くいくという展開はあくまでフィクションにしか思えず、現実を見て寂しくなった。

    旅行先の描写は福岡で梅ヶ枝餅を久しぶりにたべたくなった。

    主役の女の子は頭の中で広瀬すずを当てはめて読んでた。ぴったりじゃないか。

  • ひとつひとつの文章がライトノベルのもののようでした。
    一文が長くないので、割とすぐに読み終えられた気がします。そういう意味ではすらすらと読みやすい本ではありますが、一方で、文章自体に読み応えを感じられなかったのが残念でした。
    帯やポップで絶賛されていて、読む前から期待をしすぎたかもしれません。それでも一応、投げ出さずに最後まで読んで面白かったと思える本でした。

    • にゃん吉さん
      コメントありがとうございます。共感していただけてうれしいです。会話の部分・・・他の作品でも思ったのですが、ちょっと合わなかったです。本当ゾク...
      コメントありがとうございます。共感していただけてうれしいです。会話の部分・・・他の作品でも思ったのですが、ちょっと合わなかったです。本当ゾクゾクしました(笑)多分観にはいきませんが、映画ではどうなるのか気になります。
      2017/06/14
  • 切ないのにどこか心が優しくなれる本でした。
    だれしもに当たり前に明日があるわけではないこと。
    「1日」の価値は同じでなければならないこと。
    人が死ぬこと。人が生きること。
    友達がいること。友達がいないこと。
    当たり前だと思っていたことが決して当たり前でないこと。
    人と関わることで形成された女の子と
    人と関わることなく自分を形成した男の子
    「共病文庫」に記された彼女の本当の気持ちは優しくて、暖かくて、ジーンとしました
    男の子の心にいつの間にか溜まっていた暖かい感情が一気に溢れ出す瞬間。私は涙が出ました。

    • ぱぴこさん
      レビューから失礼します。
      私もこの本を読んでから、生きていることが当たり前でもないし、今周りにいる人に感謝の気持ちを伝えていきたいと思いまし...
      レビューから失礼します。
      私もこの本を読んでから、生きていることが当たり前でもないし、今周りにいる人に感謝の気持ちを伝えていきたいと思いました。
      フォロー失礼します。
      2017/06/28
  • 二人の価値観の違いが、話を面白くしてなかな、と思います。
    主人公は現実的、控えめで深い優しさ、女の子の無邪気さ、儚さ、
    それぞれのキャラに愛着が湧きます。

    最後に辿り着くまでは、とても深くて、人間味があって、現実的かつ非現実、最後は意外にも、ありきたりな言葉で締めくくる。

    こんなところに、住野よるさんのユーモアが感じられるかな、と思います。

    凄く良い作品でした。

  • ちょっと前にメガネびいきで加藤浩次が読んで号泣し、おぎやはぎの矢作に薦め、矢作も号泣ぬて言っていたのを聞き「ほへー」と思った。

    妹から借りて読んだ。面白かったけど号泣はしなかった。

    キャラも話も会話も薄っぺらいと思うけど、それでもよく出来てるなって思う。
    主人公がキザな野郎だけど他人とは思えない程ひねくれてるし。女の子も可愛い!甘酸っぱい!
    だけど自分が小説に求めてるものとは違う、もし主人公がこの小説を読んだらくだらないって思うんじゃないかな。でも「だから何?」って感じ。売れてるし。
    ああ、自分は意地悪な視点で読書してるなあ…。本はもっと、まっすぐに読まなきゃ、それを思い知った。

  • 奇をてらったタイトルになかなか手を出さなかったことは置いといて。
    この手のもので、まだ涙が出る自分に驚きました。この本に、彼と彼女に、大切なものを教えてもらいました。。

  • タイトルから猟奇的な何かかと思い、ホラーミステリーサスペンスが好きなので手に取ってみました。

    内容は全く予想外の純愛のお話。
    セカチューが好きな人は絶対に好きでしょう。

    悲しい中にもほっこり出来る部分もありました。

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著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

住野よるの作品

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