校長、お電話です!

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239096

感想・レビュー・書評

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  • 出来過ぎな感じがします。
    フィクションだからこれで良いのかな。
    実在するなら会ってみたいですね。

  • おれのおばさんという、タイトルを手にしてから、シリーズだと分かり一気に制覇した。おれの...シリーズではただ大人になる過程ではなく、子どもの複雑なる心情。内なる感情や、心の葛藤などが丁寧に描かれていた。
    本作は逆に、そういった複雑多感な子どもたちを見守る校長先生の話。改めて教師とはこの世に必要な職業だと思える。頭が下がります。こちらも一気読み。

  • 校長先生が主人公って斬新だわ。
    フィクションだけど、
    事実に近い部分も往々にあって、面白かった。

    管理職って、本当に大変。
    絶対なりたくない職だわぁ。

  • やたら、正義感あふれてるから、鼻につくかと思いながら、最後まで読んだ。こういう校長先生、少なかった気がする。お疲れさまって、言いたい‼️

  • シバロクさん、ステキ。
    こんな校長先生のいる学校に通いたかった。

  • 前校長のパワハラによって鬱病に追いやられた先生と元生徒達の再会や、やり直しの卒業式が描かれる終盤以外、入り込めなかった。キレやすい生徒を、自分が担任をしている間に何とか立ち直らせてやりたいとして頑張ったものの報われず、ショックを受けて鬱病になったとある教師の話に対する考えが印象的だった。生徒に対してであれその他であれ、いつまでにと区切って相手を変えようとするのはある種の暴力であり、自分の誠意をそのまま受け入れるように相手に強いることは出来ないというのに強く共感したし、非難でない柔らかいまとめ方も良かった。

  • 軽く読める。 2018.7.30

  • 母校の公立中学校に、校長として戻ってきたシバロク。
    彼の家は代々教員の一家で、父もその学校の校長として地域の教育に貢献した人だった。
    母校の百瀬中学校は前任の民間人校長と市長の暴走により荒れに荒れ、心身を病んで休職する先生も出る始末。
    新人校長シバロクの奮闘が始まる。

    ーーーー
    学校を舞台とした小説で、校長としての目線から語られる物語はあまり読んだことが無く、新鮮でした。
    柴山校長は生徒一人ひとりを大切にしているし、職員にも目を配ってくれているのが伝わってきて「いい管理職」なんだろう、とは想います。
    ただ、いささか暴走気味なところもあり、「理想論」にとらわれている部分もあるように感じました。柴山校長のもとで仕事をするのはやりやすいのか、やりにくいのか。

    どちらにせよ、学校現場として「問題が少なすぎる」ような気もしますし、過去のこと(前年度のことや、卒業生のその後)に縛られすぎている印象もあり、「どうなのよ、それは」という思いがぬぐい切れず、小説を楽しみきることができませんでした。

  • +++
    シバロクこと柴山緑郎は、問題が頻発していた中学の校長として赴任。
    母校でもある学校を建て直すべく奮起した矢先、休職中の教師が自殺未遂を起こす。
    校内からはタバコの吸い殻…。これらの問題を引き起こしたのは、元官僚の教育評論家である前校長の振舞いだった。
    学校現場を、一人の校長の目を通してリアルに描きだした物語。
    +++

    事務職員・福良さんの「校長、お電話です!」というひと言から展開する、新任校長・柴山緑郎(通称シバロク)の奮闘の日々の物語である。
    市長の肝煎りで民間から着任した前任校長の元教育評論家・野田欣也の対応に対する不満が爆発して荒れ放題だった百瀬中を立て直すために送り込まれたのがシバロクである。着任早々、たまりにたまった厄介事が押し寄せ、問題が次々に明るみに出るが、名校長の誉れ高かった亡父に言われた言葉が折々によみがえり、偶然の成り行きにも味方されて、ひとつひとつ着実に解決していくのである。私生活も絶妙に織り交ぜ、ついつい手に汗握って応援したくなってしまう。娘や友人の支えもあり、スーパーマンではないシバロクが奮闘する姿は、見ていて気持ちが好い。何事も人間関係と誠意が大切だと改めて感じさせてくれる一冊だった。

  • 威張るだけの管理職も多いですが、しっかり対話をして正対するのがいかに大事かを再認識しました。

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ・茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部出身。在学中は恵迪寮で生活し、現在は埼玉県志木市で暮らす。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。

「2021年 『満天の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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