自画像

  • 双葉社
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本棚登録 : 188
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239232

作品紹介・あらすじ

十代の自意識が膨張し衝突する「教室」。その密室に潜む邪悪なまなざし。三人の少女はこの世界の暗闇に立ち向かう。倫理観を揺さぶる展開に心ふるえる衝撃の問題作!

感想・レビュー・書評

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  • 中学一年生。
    教室という世界におけるヒエラルキー。
    グループに所属することで得られる意味のない安心感。
    思春期特有の幼い傲慢と残酷さと、
    少女たちの揺れ動く感情を描いている作品…と思って読んでいたら、
    それだけではありませんでした。

    命を奪わずとも、心を殺し、未来への希望すら持てなくする。
    生徒にとって絶対である人が、それを犯す。

    この”解放”と名付けた復讐を肯定してはいけないのかもしれません。
    でも法律が裁くことのできない”悪”…
    それを裁いてくれる何かがあったらと願ってしまいました。

    終始、心が抉られる一冊でした。

  • 暗くなりそう。いじめって嫌だね。でも、集団になったら年齢を問わず発生してしまうんだろうか。
    ガマンすることはない。その場から逃げるに限る。それが1番。
    復習だけ考えるだけ時間のムダのような気がする。

  • 男子による女子ランキングなど、ヒエラルキーが形成された中学の教室で、ひとり孤高を保つ少女がいた。
    少女は容赦ない方法で、担任教師の行いを告発し、学校から追放する。
    それは、ある長い闘いの序章だった――。
    緻密な心理描写、胸を抉る衝撃の真実、祈りにも似た希望が立ち上るラスト。
    (アマゾンより引用)

    何かこの作者さんっぽくない作品というか…(´・ω・`)
    でも嫌いではない
    ただ主人公…主人公というか、物語の大部分を占める語り手、彼女みたいな性格の生徒、実際にもいただろうなと思った( Д |||)
    何ていうかもっとドロドロした終わり方のほうがより面白かったかも

  • 十代の自意識が膨張し、衝突する「教室」
    ヒエラルキーが形成された中学の教室で、ひとり孤高を保つ少女がいた。
    少女は容赦ない方法で担任教師の行いを告発し、学校から追放する。
    それは、ある長い闘いの序章だった---。


    冒頭から「わたし」は、婚約者で中学教師の「あなた」と会話している。
    会話のトーンも暗く、よそよそしい雰囲気…。
    「あなた」の故郷での話に違和感を感じながら読み進めた。
    「わたし」は中学受験の頃から、顔中に芽吹きじわじわ広がっていった、
    面皰の事や中学時代の出来事を淡々と語っている。
    中学の入学直前に目を整形し、お人形の様に可愛くなった松崎琴美。
    清子のクラスメイトの蓼沼陽子は、面皰のせいで孤立していた。
    まだ、幼い中学生の見た目で判断する。
    醜いもの弱いものにどこまでも残酷になれる姿が、
    これでもかと描いてて、読んでて嫌な気持ちだった。
    また、「わたし」田畠清子の中学時代の内面も嫌なものだった。

    延々と続く清子の暗い語り。
    一体この話はどうなっていくんだろう…?
    何なんだろう…と、読み進めて行った。
    途中からもしかして…いやまさか…。
    清子の婚約者で中学教師の「あなた」と清子達の中学時代の
    担任教師「岩永」は、児童性愛者である事がわかる。

    テレビで放送されているのを目にはしていた。
    それを、深く考える事をしてなかった自分に気付いた。
    「体をばらばらにされる…」想像することは出来る。
    でも、想像は想像でしかない…。
    自分の欲望を満たすために教師という立場を利用し、巧妙に脅し、
    追い詰められ人生を狂わされる子供達を思うと怒りが湧いてきた。

    ラストに救いはあるのですが、何とも言えない気持ち。
    読んでてとっても苦しかった

  • 物語は、女の独白からはじまる。
    女が、婚約者である男に、自分の過去を語り始める。

    病的な面皰に悩み、美醜によるヒエラルキーを怨み、時に臆病に、時に攻撃的になりながら自己保身をし、生きてきた中学生の頃。
    ああ、こういう子いるよね、という、彼女の語るクラスの雰囲気が、まるで自分が属していたクラスのようにリアリティを持って語られ、引き込まれていくうちに、物語は徐々に様相を変え始める。

    彼女は何を語ろうとしているのか。
    悔恨か、懺悔か、あるいは・・・・?

    醜いこと。美しいこと。女である限り、どちらであっても異なった苦しみを生むことがあることを、胸を痛くしながら読んだ。

  • 「わたし」が「あなた」に語りかける、復習の物語。

  • 婚約者に語り始めた私の過去
    ニキビと妬み、黒い気持ち、これまでの自分

    私立中学の教室で起きる思春期の残酷さ
    そして成長していく自分

    途中、婚約者の身に異変が生じ始める

    私刑を下すかつて教室にいた少女だった女性たち
    解放の先にそれぞれ向かっていく

  • 10代の頃、自分の容姿でめちゃくちゃ悩んでた(今もだけど)ことがフラッシュバックした。

    とにかく話が重い、暗い、読んでてつらいけど、最後まで一気読み。止まらなかった。
    読後感は最悪。でもまた読みたい。
    清子たち、ちゃんと幸せになれるのかな……。

  • 一気に読んだ。
    「」に入っていない会話文が多かったゆえに、疾走感があった。どんどん引き込まれていった。

    「わたし」が婚約者に話したい内容の時系列が、いったりきたりする。でも不思議と、ごちゃ混ぜにならず、すんなりと「わたし」の体験を頭の中で並べることが出来た。
    ふと、漱石先生の文章?って思うことがあった。

    相手を否定して、自分の位置を確認する、高める。男だから女だから。
    かつて思春期の子供だった大人が、すでに忘れているであろう葛藤を、改めて考えるきっかけになるのではないか。
    未来の子供たちに相談された時、「そういうもんだった。」で片付けない大人になりたい。

  • 久しぶりに読んだことのない作家さんの作品を読みました。
    読みなれない文を読むのは大変だったけど、ストーリー的にはそれなりに面白かった。

    人は大人になると「この本を学生のときに読めていたら」と思うことがよくある(私は特に)けど、『学生のときに読みたかった本』にいくつも出会ってその度に大人になる、成長と言うほどのものではないけど、学生の思い出に対する抗体が出来ていくのではないでしょうか。

    何を言いたいのかって、本読むのは素晴らしいよ、っていうお話。

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著者プロフィール

朝比奈あすか

一九七六年生まれ。二〇〇〇年、大伯母の戦争経験を記録したノンフィクション『光さす故郷へ』を発表。06年「憂鬱なハスビーン」で群像新人文学賞を受賞。著書に『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『天使はここに』『自画像』『人間タワー』『人生のピース』『君たちは今が世界』などがある。

「2019年 『さよなら獣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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