築地の門出 ヤッさんIII

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 168
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239263

作品紹介・あらすじ

本物の蕎麦職人を目指す妻・ミサキは、農家に住み込みで働くことになった。取り残された恰好の夫・タカオは、自らも修業し直すことを決め、ヤッさんの助手として再び築地の人々のために奔走する!

感想・レビュー・書評

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  • ヤッさんの弟子、タカオとミサキの門出だ!
    矜持あるホームレス、食のコーディネーターヤッさん第3弾。
    吹き荒れる築地移転の騒動。
    けれど、ぶれることない基本、それは、旨いものを食べさせたいという食魂だ。

    蕎麦職人、そして、自分の店を持ちたいミサキと
    その夫タカオを巡る食の波乱万丈物語。

    築地の豊洲移転。
    関係者にとっては大騒動だ。
    生き残りを賭けた店主たちの奮闘をタカオ視点で描いている。

    生き残りたい。
    自分の店を残したい。
    その奔放ぶりが、店主の性格や、世代によって、迷走する。
    けれど、気づく。
    「旨いものを食べさせたい」
    それが、食魂。

    そして、やる気の大切さ。
    「やる気ってもんは、いつでも湧いてくるもんじゃねぇ」

    食にまつわるのは調理人だけではない。
    農家、漁師や一次産業はもとより、卸売り、ドライバー、研ぎ師など。
    築地移転にあたり、揺れる騒動の中、思い出さねばならないのは、
    もともと築地も移転だったということ。
    知恵を出し合い、協力していく一体感が楽しい。

    そして、前2作まで、ぶれることないヤッさんが、
    今回では、過去の失態や弱気な面が見えたりして、
    ヤッさんも、一人の人間なんだと思わせる。
    そして、これまで揺れるタカオが、愛する妻のために、
    奮闘する様が頼もしく、かっこいい。

    今の現代は、ファーストフード全盛。
    あるいは、食通ぶったうん蓄。

    そんな現代日本の食の事情に、著者が問題提起しているように思える。
    そして、これからの希望や指針を描いて解決しく様が気持ちいい。
    まるで、自分が旨いものを食べて元気が出てくるような感じになる。
    ヤッさんシリーズの醍醐味を味わった。

  • 少し前から図書館の「今度読みたい本」に登録していたのですが、どうもタイトルが時勢的過ぎて、暫く借りるのをためらっていた作品です。
    ホームレスなのに体を鍛え(都内の移動は常にランニング)常に身綺麗にして、食のコーディネーターとして高級料理店や築地市場で頼りにされるヤッさんとその弟子のタカオが活躍する「ヤッさんシリーズ」の三作目です。
    6つの短編。気楽に読めて面白いのですが、ややワンパターンですね。持ち込まれたトラブルに弟子のケンジが通俗的な判断をし、それをヤッさんが咎め、突き放しながらも解決に導く。それにしてもヤッさん、だいぶん迫力が無くなっちゃった気がします。

  • ヤッさんシリーズIII
    料理の話というより
    料理を通じた生き方のひとつの
    在り方を楽しく表現している感じかなぁ。
    年齢を重ねてきたが故に
    惹かれるものが 多いです。

  • 築地の移転で振り回される様々な店と人。本の中ではハッピーエンドでおさまったけど、その後都知事が変わって移転延期してまた振り回されて。
    そらうんざりするよなーと思いながら読んだ。

  • 相変わらずブレないヤッさんでしたが、今回は築地移転で珍しく弱気になりましたね。でも弟子や仲間が当然助けてくれます。商売で一番大事なこと、人間関係で大事なことをたくさん気づかせてくれる、とてもいい話でした。

  • これもシリーズ3作目。いやはや、移転問題は実際、大変だ。テレビでドラマも始まった(16年7月)が、伊原剛、あってるわあ~

  • 今回は築地の移転に翻弄される築地の人々、そしてタカオとミサキの新たな展開の話。築地の移転に勇ましく立ち向かう人もあれば、涙する人もあり、また新天地へ踏み出す人あり。現実にもこんなドラマが展開されているんだろうか…?タカオは相変わらずグダグダだなぁ、と思ったけれど、最後にはようやくカッコいい姿が見れて嬉しかった。ミサキに引っ張られて、いい夫婦になって欲しいなぁ。築地移転でピンチになったヤッさんにもヒヤヒヤしたけど、いつものように丸く収まって、めでたしめでたし!

  • つらいニュースが続く
    そんな今だからこそ
    読んでおきたい一冊

    舞台は言わずと知れた
    東京の築地です

    もちろん ヤッさんを始めとする
    魅力的な登場人物たちが
    活躍してくれます

    「食」とは何か
    にとどまらず
    人が生きていくとは
    どういうことなのだろう
    人が人らしくあるとは
    どういうことなのだろう

    ゆっくり たっぷり
    考えながら
    読み進めさせてもらえる
    シリーズ第三作目です

    読み終わった後
    さわやかに ほっ とさせられます

  • いきなり襲われたヤッさん!Σ( ̄□ ̄;)どうなることかと思ったけれど、築地市場移転に伴って起きた問題を次々解決(^^)最後の方はヤッさんが移転後の市場に出入り禁止だとか、遂にオモニにプロポーズするも振られるとか大変な事になっていたけれど、弟子のタカオ&ミサキの蕎麦屋も開店し、華やかな雰囲気で終わって良かった♪ヤッさんは永遠です(^^)d

  • タカオとミサキが築地に蕎麦屋を開業できて良かった。この後の繁盛具合が楽しみ。

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著者プロフィール

1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー。鋭い風刺とユーモアで描く独特の作風で話題に。07年、ある書店員の熱心な応援で、2001年に文庫化した『床下仙人』がブレイク。09年、グルメのホームレスが人助けをする人情小説『ヤッさん』が、15年には『握る男』がベストセラーになるなど、時代を超えてヒットを連発する人気作家。

「2019年 『星をつける女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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