また、同じ夢を見ていた

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 4929
レビュー : 543
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239454

作品紹介・あらすじ

きっと誰にでも「やり直したい」ことがある。学校に友達がいない"私"が出会ったのは手首に傷がある"南さん"とても格好いい"アバズレさん"一人暮らしの"おばあちゃん"そして、尻尾の短い"彼女"だった-

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の奈ノ花は、「人生とは」が口癖の大人びた少女。たくさん本を読み、自分は他の子よりも賢いと思っている。

    馬鹿ばっかりのクラスには友達がいないけど、学校が終わると短い尻尾の彼女と一緒に、友達のところに遊びに行く。
    季節を売る仕事をしている優しいアバズレさん。リストカット癖があり口の悪い高校生の南さん。美味しいお菓子を作ってくれるおばあちゃん。
    隣の席の桐生くんは、いつもこっそり絵を描いている。とても素敵な絵なんだから隠すことないのに、いくじなし。

    学校の授業で「幸せとは」をテーマに考えることとなり、奈ノ花は友達にも聞いてみる。幸せってなんだろう?

    ーー人生とは、幸せとは。
    人の根源的な問いを小学生の奈ノ花と一緒に考える。
    私が今小学生の私に出会うとしたら、読んで欲しい本だった。
    小学生の女子は、男子より一足先に大人に近づくから、男子が馬鹿に見えちゃうときがあるよね。それに口もたつから、口喧嘩では言い負かすこともできる。でも、自分は賢くて間違ってないと思っても、それではいつの間にか一人になってしまう。

    『君の膵臓をたべたい』でも光ってたけど、軽妙で機知に富んだ会話のセンスとても好きだった。最後の二人の会話にしみじみして、読み終えてからの余韻もよくて。とても幸せな読書時間だった。

    "まったく、人生とはオセロみたいなものですよね。
    黒の嫌なことがあれば、白のよいこともある?そうじゃないわ。
    たった一枚の白で、私の黒い気持ちは一気に裏返るの。"


     

  • あぁ、今の気持ちをどう表現していいのか、
    不思議な愛おしさでいっぱい。

    自分は友達より賢いと思い込む、
    ちょっぴりナマイキな小学生、なっちゃんが主人公。

    毎日一緒に散歩する、しっぽのちぎれた彼女。
    夜のお仕事をしている、アバズレさん。
    屋上で待っていてくれる高校生、南さん。
    美味しいフィナンシェを作ってくれるおばあちゃん。
    もしかしたら、私も会っていたのかも…。

    大人になるということは、子供のころに見えていたものが見えなくなること。
    そんなふうに思ってました。
    でも、必ずしもそうではないんですよね。
    これからの出逢いの中にも、私にとっての南さんやアバズレさんやおばあちゃん、
    そしてしっぽのちぎれた彼女がいるのかもしれません。
    そう考えたら、どんな出逢いもおろそかにはしたくない。
    幸せな未来を、うっかり見落とさないように…。

    「しーあわせはーあるいーてこない。だーからあるいーていくんだねー♪」
    「ナーナー!」
    しっぽのちぎれた彼女と一緒に散歩して、
    幸せとは…、と思い巡らす心楽しい時間でした。

    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      毎日暑いね~。夏バテしてないかな?

      私も同じく『君の膵臓をたべたい』迷いつづけてる。
      最初、このタ...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      毎日暑いね~。夏バテしてないかな?

      私も同じく『君の膵臓をたべたい』迷いつづけてる。
      最初、このタイトルにギョッとしたよね。
      ホラーかと思っちゃった…。
      泣けちゃう恋愛小説らしいね。

      両方読んだわけじゃないからわからないけど、
      読みやすいというか、この本の方が好みってレビューいくつかあったよ。

      最近、恋愛小説を読んでないなぁ…。
      たまには動悸じゃないドキドキも味わいたいものだわ、なんてね。うふふ。
      2016/08/08
    • ortieortieさん
      こんばんは。
      レビューが素敵でお邪魔させて頂きました。
      「不思議な愛おしさでいっぱい」
      の一言にとても惹かれました。
      そんな気持ちに...
      こんばんは。
      レビューが素敵でお邪魔させて頂きました。
      「不思議な愛おしさでいっぱい」
      の一言にとても惹かれました。
      そんな気持ちになる出逢いの本ってあるなって。ぜひ読んでみようと思います^ ^
      最近はもっぱら図書館なので(本が増えてしまったので)しばらく先になるとは思いますが、、、。
      素敵なレビューを見るとまだ見ぬ本の世界に思いを馳せて1人わくわくしてしまいます 笑
      ありがとうございました。
      2016/08/23
    • 杜のうさこさん
      ortieortieさん、こんばんは~♪

      こちらこそ、ありがとうございます。
      こんな拙い感想を「素敵」と言って下さって、
      とてもう...
      ortieortieさん、こんばんは~♪

      こちらこそ、ありがとうございます。
      こんな拙い感想を「素敵」と言って下さって、
      とてもうれしいです!

      「不思議な愛おしさでいっぱい」
      そうなんです。
      なんか夢をみていたような気分でした。

      実を言えば、私もこの本を読んだきっかけはブク友さんのレビューなんです。
      こんな風につながっていけるって、素敵なことですよね。

      本、増えますね。私も着々と増殖中です。(笑)
      そびえ立つ積読山に「ごめん…」とあやまりながら、
      書店やブックオフに出かけては、つい…。
      そのうえ、次から次へと図書館本を予約してしまい、返却日に追われるという…。
      でも好きなんだから仕方ないですよね~。(開き直り・笑)

      読み終えたら、また感想をきかせてくださいね!
      楽しみにしています♪
      2016/08/24
  • ちょっと生意気な小学生の私(小柳奈ノ花)は、大好きなひとみ先生から出された課題「幸せとは何か」について考える

    クラスには友達がいないがへっちゃら、だってカッコいいお姉さんのアバズレさん、いつもおいしいお菓子を用意して待っていてくれる一人暮らしのおばあちゃん、手首に傷がある高校生の南さん、尻尾の短い黒猫の"彼女"がいるから

    学校が終わると、"彼女"と一緒に、友達の家を順番に回っていく
    アバズレさん、おばあちゃん、南さんと交わす会話が、絶妙!
    シャレがきいていて、まるで禅問答のようだ

    「幸せとは誰かのことを真剣に考えられるということだ」
    というアバズレさんの言葉の意味を考え、成長していく私

    しかし、しかし、南さんが私の前から突然姿を消し、アバズレさんまでが、やがておばあちゃんまでが・・・
    まるで夢を見ていたかのように

    南さんやアバズレさんは、私の将来の姿なのか!
    警告のために私の前に現れたのか!
    back to the future かと思った

    ふわふわ綿菓子みたいな話だなとは思ったが、小生意気な私が妙に可愛く面白かったが、途中からこれってファンタジーだったの?と訳が分からなくなってしまった
    どうもこんな話は苦手だ

    今までの話は夢だったの?と読者を混乱させ、その夢から覚めたかのように大人に成長した私と桐生くんが現れたラストはステキだった

  • 昔、テレビか何かでみたものを、
    私はずっと信じている。
    寝ている間というのは、違うあちらの世界に出向いて
    向こうで作戦会議をしているんだと。

    まさか本の中で作戦会議を体感できるなんて…。

    小学生の奈ノ花が友達になる
    南さん、アバズレさん、おばあちゃん、
    そして尻尾のちぎれた彼女とともに考える
    幸せとは、人生とは…のお話。

    いい大人の年齢になってしまうと
    大真面目に誰かとこの2つのテーマは話し合わないから
    本の中でいろいろ考えてみる機会ができるのは
    ちょっと有り難かったりします。

    夢なのか現なのか、曖昧な世界だからこそ
    見ていたものの奥行きが透けてくる。
    私が生きていく時間、環境に変化があり続けても
    奈ノ花のように選び取っていきたい
    そう思わせる一冊です。

    表紙の尻尾のちぎれた彼女目当ての読書でしたが
    尻尾のちぎれた彼女は私の初代大親友猫ぴーと
    容姿がそっくりで…。
    (理由は違うけど尻尾がちぎれたところまで一緒)
    物語の中で私も奈ノ花と一緒に歌いながら
    ぴーと一緒に歩いているような幸せを感じました。

    もしかしたら、ぴーが本を引き寄せ
    作戦を一緒に考えてくれてるのかもしれませんね。
    この本は私だけの幸せの一つとさせてもらいます。

  • 住野よるの2作目。

    不覚にも中年の親父が思わず人前で泣きそうになってしまった。

    人生とは、難しい。
    強く生きすぎると周りと軋轢を起こしてしまう。
    孤独に生きたくても、人は一人では生きていけない。

    人生はプリンのようなものだ。
    カラメルのようなアクセントが必要なのだろう。

    自分にとっての「幸せ」を考えさせられる作品。

  • 住野さんの本は二冊目。
    読み終わって、気になった箇所をもう一度読み返して、ああ!そういうことか!と納得。
    終わりに向かって物語が加速していって、今までの話が繋がって、最後はほっこりしあわせを感じる。
    私好みの物語でした。

    南さんもアバズレさんもおばあちゃんも、こうした方が良い、ということはわかっていたけど、そうはしなかった、出来なかった。
    ちょっとした意地だったり、言葉の掛け違いだったり、自分の感情を説明できるだけの言葉が足りなかったり…。
    きっとナノカ一人だけならそこがターニングポイントだと気付かずに過ごしていたかもしれないな。
    でも三人が教えてくれたから、最終的にナノカは自分のしあわせを見つけられた。

    住野さんの前作で「選んできたもので自分ができている」という内容があったけど、本作にも通じてるなと感じました。
    その場にいるときは、この選択は後々の後悔に繋がる…なんて考えられないかもしれない。絶えず流れてく時間の中で、ここがあなたのターニングポイントです!って教えて貰えるわけじゃないし。選ぶ、と言っても、無意識に選んでしまってるものもあると思うし。

    でも、せめて、迷ったとき、違和感を感じたとき、いや、些細なものだとしても自分の中の感情に気が付いたときは。南さんや、アバズレさんや、おばあちゃんがナノカにしてくれたみたいに、少し立ち止まって、考えてみることが大切なのかも。
    「人生とは」「幸せとは」という問に、自分なりの、迷いのない答を出すために。

  • 小学生の小柳奈ノ花の語りで、綴る物語。彼女は学校には友だちはいないが、猫や高校生でものを書いている南さん、
    お菓子を作ってくれるあばあちゃん。夜の仕事をしているアバズレさんが相手してくれて、その会話が面白い。
    住野よるの作品は「君の膵臓をたべたい」に続いて二作目。
    十分住野色がでている作品。
    奈ノ花にかわいげがないのが、少し不満だなあ。子供って同類で仲良くなるんじゃないかな?一気に歳を取った女性と友だちになるのは、頭で考えることが多いから?

    ひとみ先生が国語の授業で幸せって何かを話し合います。と言って彼女も考え始める。

    集団心理は恐ろしい。
    漠然と、桐生君に対しての批判的な視線。彼女は桐生君の代理で言い返すが、桐生君に嫌われてしまう。

    クラスへ出て来なくなった、絵が上手な桐生君の家を訪ねて行く。一度目は会ってももらえない。ひとみ先生の助言を受けて桐生君の味方になろうとする。二度目に出掛けた時に、
    桐生君が、自分のせいで彼女が学校へ行かなくなるのは、いけないと部屋から出て来てくれる。

    この物語はいろいろな比喩が上手く会話の中で使われている。ちょっと住野さん的な物語りの特徴です。
    最後は「薔薇の下で」。

  • 読み終わった時自分のなかに何か幸せなものがいっぱいに広がった。人生とは、幸せとは、答えを出すのは簡単じゃない。だけど、この物語は一緒に考えることの手助けをしてくれる。ここにいていいって認められること、誰かのことを考えられること、私は幸せだっていえること、それぞれに幸せがある。私の幸せはなんだろう。

  • 私はこの本で夏休みの読書感想文を書きました。


    この本は奈ノ花が幸せについて学ぶ物語。




    この本には不思議がいっぱいあります。
    例えば奈ノ花はアバズレさんと南さんに名前を教えていないけど名前を呼ばれたり、突然消えてしまったり。

    何回も読み返して私が思ったことは、アバズレさんと南さんは、奈ノ花の未来の姿なのではないかということです。アバズレさんと南さんは過去で過ごした日々を悔やんでいます。そんなことにならないように奈ノ花に人生のアドバイスをしにきたのではないかなと思いました。
    おばあさんの絵、誰が描いたかわかったらこの本がますます好きになります!


    最後は「薔薇の下で。」住野さんらしいですね。この終わり大好きです。



    文が長くなってしまいました、ごめんなさい!(>人<;)
    読むことは簡単なのに全体を理解することが難しいこの本。さすが住野よるさんです!私はこの本を読むことを全力でおすすめします!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (๑❛ᴗ❛๑)

  • 主人公の女の子が、不思議な出会いから仲良くなった人達(主人公の友達)とのやり取りから「幸せとは何か」という難しいテーマについて、自分の答えを見つけ出していくというお話。自分の幸せが何なのか、それを見つけることにより、普段気づかなかった当たり前の幸せに気付くことが出来るのかな…と思いました。自分の幸せが何なのか、考えるきっかけになりました。

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著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第2位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』。

「2020年 『青くて痛くて脆い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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