ハーレーじじいの背中

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239492

感想・レビュー・書評

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  • 「晴じいはきっと私を搜してくれる。たとえ私が、自分を見失っていたとしても」
    ハーレーを乗り回す、カッコよくてファンキーな祖父との夏の逃避行を描いた物語。

    卒業後の進路や友人関係など悩みの尽きない高校3年生の真理奈。そんな鬱々とした日々をおくる真理奈の前に、ハーレーに乗って颯爽と現れたのは母方の祖父・晴じい。
    この型破りな晴じいがとにかく魅力的。例えるならジブリ映画『紅の豚』のポルコ・ロッソ。
    渋くてカッコいいんだけれど、照れるとカワイイところが何ともお茶目。
    母方の祖母・清ばあや孫娘・真理奈に翻弄されているところもポルコそっくりで、女心をくすぐられる。

    人生はこれから。可能性は限りない。なんだってなれる。どこにだって行ける。
    勉強もできる優等生の良い子ちゃんの真理奈が、晴じいとの旅を通して少しずつ自分の殻を破って弾けていく様子が清々しい物語だった。

  • 高校生の孫娘・真理奈をハーレーに乗せ、旅に出るおじいちゃん・春じい。
    真理奈を春じいにさらわれたと思い込んだ母親(元レディース総長)と、
    晴じい(元全共闘)のバトルがものすごい!
    とにかく、はちゃめちゃな家族です(笑)。

    この晴じいときたら、無責任でいいかげん。
    家族も顧みず、日本中を気ままに旅してばかりで。
    でも、真の姿は、義理人情に厚い純情一途なおじいちゃんでした。
    おばあちゃんへの変わらぬ恋心を指摘されて、
    照れる晴じいがかわいい。

    大好きな「無責任男シリーズ」の植木等さんや、
    「じゅん散歩」の高田さんを勝手に配役しちゃいました。

    日本の農業の未来や、農家の嫁不足問題など、考えさせられることも多かったです。
    「田んぼアート」と美味しいすいかの尾花沢、行ってみたい。

  • 初めての坂井希久子さん。
    タイトルで あー読んでみよう。と思ったけど…
    読み始めたら、ウーン。
    ところどころ感動部分はあったけど、どこかで読んだことあるなぁ〜の連続でモヤモヤ。登場人物が全体に緩くて…いろんな本から出てきた主人公たちでストーリーを作ったって感じがしてしまった。

    文章は読みやすかったから、他のも読んだら、また印象は変わるかな?

  • 評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    真理奈は高校三年生。自分が医学部を目指したばかりに、代々銭湯を営んでいた実家は廃業。大好きな母方の祖母・清ばあは惚けが進み、父とその両親は家でごろごろするばかり。おまけに学校では友人との三角関係に巻き込まれて息がつまりそう。そんな彼女の前に、母方の祖父・晴じいがごついハーレーに乗って現れた。真理奈をタンデムシートに乗せて晴じいが向かった先は―ヒロインの成長ぶりがみずみずしい!『ヒーローインタビュー』の著者が贈る青春家族小説

    皆魅力的な人ばかりなんだが・・・話が綺麗すぎてしまい最後まで入り込めず。ぶっ飛びじいちゃんと優等生な孫を描こうとしているのはよく分かるのだが・・・唯一母の桃子のメチャメチャぶりはよかったが。。。

  • 思春期の悩める女子高生と、ちょっと不良なおじいちゃんがハーレーにタンデムで乗って旅するロードノベル。

    ちょっと粗さがみえる展開もあるが、基本直球な青春劇で荒っぽさも味わいに見えてくるあたりが、坂井さんの筆が持っている個性かな?とにかく爽やかな気分と甘酸っぱい気分が充満していて、展開が読めてくる序盤以降はページを繰るたびに微笑みが止まらない!って気分になれる。

    俺はどっちかというと、もう晴じいの側に位置する立場なんだが、晴じいよりも、入り婿である主人公のお父さんに共感が持てた。ワンポイントリリーフ的な脇役ながら、すごくいい仕事をしてて、こういう大人に俺はなってみたいと思えるキャラクターである。

    しかし、若い子らに負担をかけないような生き方を、俺ら世代からでもできないものか?現役老人世代の一部やっかいな連中のような、醜い老い方をしないで舞台をそっと去るような、何がしかの仕組みを構築する事が俺ら世代の喫緊課題であり、今後のワークなのではないかと…。

    まぁ、この本には書いてないような事が頭に浮かんだりしたわけである。

  • 坂井さんは「泣いたらあかん、通天閣」からの2作目。

    晴じいに最初イライラした。
    完全に真理奈ちゃん目線である。
    だんだんと晴じいのこと、周りの人のことを知ると、
    「なるほどなぁ」という感じで
    好感度アップであった。

    もう一回言うけれど完全に真理奈ちゃん目線である。

    言わないと伝わらないことって案外身近なことだったりするんだよ。

    晴じいの恋バナがすごーくよかった。

    もう一回言うけれど完全に真理奈ちゃん目線である。
    それはもう終始。

  • わははははははは。なんなんだこのジジイ!カッコいいったらありゃしない!
    超ド級の豪快さ、もうたまりませんわ。あ、外から見てると、ですけどね。ええ。これが自分のおじいさまだったら…ははははは。
    けど、この豪快さの裏にあるチリチリとしたいろんな思い。その一つ一つの繊細さと悲しさを包み込んでなお余りある晴じいの器の大きさ。いや、桃ママの方が大きいか。
    でもこんな家族に囲まれてたら大丈夫だ。真理奈はきっと大丈夫。夢に向かって突っ走っていけ!

  • 家に寄りつかない祖父と孫娘の家出旅。知らなかった祖父のこと、家族のこと、色々なことを知って少女は少し大人になる。おじいちゃん格好良いなぁ。

  • すごく好きだった。
    若い頃にありがちな視野の狭さと、何歳になっても願う「ここではないどこかへ行きたい」気持ち。行って帰ってくるストーリー。
    状況は変わってないけど視野が開けて生きやすくなった。

    なんつーか、他者理解の大切さがひたすら続いてく感じだったな。
    こうやって書くと安っぽくなるけど、実際しょっちゅう現実で繰り返してるもんね。
    嫌われてると思ってた、とか。実際に話してみないと、本当はどう思ってるのか分かんないのに。

    お母さんとお風呂入るところで泣いちゃった。


    とにもかくにも晴じいがファンキーで格好良くて。清子ばぁちゃん、幸せ者だなぁ。

  • 晴じぃ格好いい!
    まさかのお母さん笑

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂井希久子の作品

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