罪のあとさき

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 198
レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239850

感想・レビュー・書評

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  • 自分の子どもが14歳を無事に生き抜いてくれてよかった、と本当に心からそう思ってしまう。
    加害者にも被害者にもならずに、とりあえずは「ちゃんと」生きていてくれている、ただそれだけでもう充分じゃないか、とも。
    14歳のときに教室でクラスメイトの首を切って殺害してしまった卯月君と、そのクラスメイトの楓ちゃんの再会とその後。
    なぜ卯月君はクラスメイトを殺してしまったのか。理由が明かされないまま二人の距離が接近していくのを危うい思いで見つめながら読む。たとえどんな理由があったとしても、そしてそれが未成年者で「罪」として残らなかったとしても、絶対に許されるはずがない。幸せになんてなっていいわけがない。そう思う気持ちと、そこにあったであろう理由によっては、もしくはその後の生き方いかんによっては、新しい人生を歩き出してもいいんじゃないか、と言う気持ちで揺れ続ける。
    卯月君の発達障害らしい性質と彼をちゃんと受け入れられない母親と、そして殺してしまったクラスメイトのヒミツ。いろんな条件がそこに重なっているけれど、多分、外から見ると「同級生刺殺事件」という一言で片づけられてしまう。たくさんの人の人生がその一言で片づけられてしまう。
    犯罪者は幸せになってもいいのか。彼と楓ちゃんが選んだ道の険しさを思うと暗澹たる気持ちになるけれど、安易なハッピーエンドは必要ないと思う。罪を憎んで人を憎まず、と理解はしていても、殺してしまったクラスメイトにはもう二度と人生は戻ってこないのだから。やり直すことさえできないのだから。

  • 賛否ある作品だと思う。
    でも一途な卯月くんの気持ちがせつなくって、可愛らしくも思えた。
    卯月君が救われてほしい。
    ふたりが幸せになるには、たくさんの障害があるけど、どうか幸せになりますようにと願う。

  • 私が楓の友だちだったら…
    こんなに立派な対応ができるかな。
    たぶん、できない。

    それくらい重い決断。

  • 過去にストーカーをされ今も怯えながら生活している楓と、過去に殺人を犯した卯月。
    中学の同級生だった2人が再開し惹かれあっていく。
    この物語では割と周りの人が理解があるし、終わり方もよかったけど、現実では社会復帰難しいんだろうし、こう簡単にいかないと思った。

  • 絶対悲しいラストが待っていると思ってたので、ちょっと拍子抜けした気分です。

  • 暗い作品である。重い過去を背負う男女の話。結末は救いがある。

  • バッドエンドを期待していたわけではないですが、きれいにまとめた感があります。消えない月を先に読んだからかな。

  • 14歳の時に同級生を殺害してしまった少年と、その同級生のアラサーになって再会してからの話。
    主人公の女性は、婚約までしていた男性が実はとんでもない嫉妬深い男でストーカーにまでなり、挙句望まない妊娠で堕胎する。その罪を背負いながら、かっての同級生で加害者の卯月くんと出会い恋仲になっていく。
    最終的には二人に子どもが出来るんだけど、それもまた二人にとっても子どもにとっても試練だと思うし、子どもは親を選べないからその辺りをこの二人がどう向き合って行くのかを知りたかった。
    うーん、やっぱり綺麗にまとめているように思える。
    加害者が更生して真っ当に生きていくことって出来るのか、出来ないから罪を犯してしまうんだと思う。
    大多数の人間は殺したいほど憎い人間が居ても、それを実行に移しはしない。でも、復讐という言葉もあるけれど、、なんだろうなぁ、主人公は自分に酔ってる気もした。彼をわかってあげられるのは私だけ、っていう共依存にも思える。とにかく読んでて苦しい、そして現実にはこんなに周りの人間が理解ある人たちばかりとは限らない。

  • 過去に深い心の傷を負った男女のお話。
    立場の違う二人が出会い縛られた心を解いていく様子が丁寧に表現されている。
    話の途中途中で原因となる過去が描かれるが引き込まれる。
    ただ正義の場面が少しでも欲しかったなとも思う。
    でもあえて今作ではそういう正義を問う場面は省いたのかも・・・。

  • いや
    だからと言って
    それをしてしまったら
    同じ種類の人間になるよ
    と言いたい

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著者プロフィール

1979年東京都生まれ。2010年『国道沿いのファミレス』で第23回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。13年に『海の見える街』が、14年に『南部芸能事務所』がそれぞれ吉川英治文学新人賞候補となる。ほかの著書に『夏のバスプール』『感情8号線』『罪のあとさき』『タイムマシンでは、行けない明日』『家と庭』『消えない月』『シネマコンプレックス』『大人になったら、』などがある。

「2018年 『水槽の中』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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