分かれ道ノストラダムス

著者 :
  • 双葉社
3.28
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本棚登録 : 264
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239867

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ作家さんだけど面白かった。
    主人公と一緒に泣いたり笑ったり胸キュンしたり。
    楽しませてもらった。
    ノストラダムスや『ドニー・ダーゴ』、コニー・ウィリスの作品など懐かしくも大好きなアイテムが出てきて嬉しかった。
    後から八女くんはもろタイプだと気がついた。
    うーん、楽しかったわけだ(笑)

  • 表紙や序盤の展開を見て、まさか、こんな物語になるとは思いませんでした。トリッキーさ、ここにもありましたね。

    「基」の死に複雑な心境を抱きつつ、逃げようとしているのか、向き合っているのかすら分からない、「日高あさぎ」の青春の痛みを伴う人生は、ノストラダムスの年と重なり、思わぬ自体への遭遇により、却って、生と死の身近に存在する様を目の当たりにさせられることによる成長物語と、私は捉えました。

    ただ、今作は結構突拍子もない展開や、非現実めいた出来事が多い印象を抱いてしまい、上記のように書きましたが、結局、青春物語なのか、ミステリーやサスペンスなのか、分からないジャンルレスな感覚によって、終盤のメッセージが、すんなりと頭に入らなかったかなとは思いました。

  • 1999年、初恋の人の三回忌を終えた16歳のあさぎ。どうすれば彼は死なずに済んだのかとたらればを探る過程で、本好きの少年八女と知り合う。当時の不安定な世情を思い出してどきどきしながら読みました。後悔なく生きてる人なんて少ないと思う。
    無数の仮定を膨らませては萎んでいって、確かに信じられるものなんてなくて、どうにかこうにか現実と折り合いをつけてくしかない。陸上で溺れるみたいなしんどさがあったけど、折れないあさぎと八女くんが心強かった。からっぽじゃなくなってよかった。「本」が繋いでくれたのがとても好き。

  • ずっと「分かれ道」と「ノストラダムス」のあいだに「の」を脳内補完していたことに読了してから気が付きました。1999年7月、終末の予言が指し示したとされる月のとある街を舞台にして、高校生の主人公とその友人たちが、過去への後悔や身近な人の死や差し迫る「終末」への恐怖、将来への不安などを乗り越えつつ、カルト教団を裏で操る人間の悪意に立ち向かうというお話です。読後感としては、すごく、というほどでなく、期待通りふつう、でした。作中には「当時」を連想させるキーワードやアイテムがいろいろ登場して、ちょっと懐かしい感じもします。

    ノストラダムスあり、サリン事件あり、9.11ありの20世紀末。私の周囲にも「宗教」に対する率直で無邪気でナイーブな嫌悪を表明する人もそれなりに居たように記憶していますが、一方で私の自宅がある地域にはいくつかの新興宗教団体(20世紀前半設立のものも含め)の拠点やその信者がわりと住んでおり、「伝統的」なキリスト諸教派の教会も点在していて、そういったコミュニティ/ソサイエティに属している人たちはどんな思いで当時を過ごしていたのかなと思ったりもします。もちろん自らが置かれた状況も知らず迂闊な意見表明をしていた人たちのメンタリティは当時から不思議に思っていましたが。

    作中で「宗教」は人の依存や精神的充足をこれ見よがしに象徴する(象徴させられてしまった、象徴として祭り上げられてしまった)ものにすぎないという認識がそれとなく示されていますが、当時も今もその点は意識してものを見ることの重要性は変わらないなと思いました。

  • ノストラダムスの予言に怯える時代、かつて好きだった人を亡くした女子高生が、カルト集団の暴走に巻き込まれていく。

    直木賞にノミネートされていた作者だったため手にとってみたのだが……。パラレルワールド、ノストラダムス、カルトなどたくさん盛り込みすぎて、ストーリーも人物描写も類型的で中途半端。大人が読むにはかなり物足りなかった。

  • 時は1999年、今となっては懐かしいノストラダムスの大予言が(面白半分に?)取りざたされていた時代。中学生時代に好きだった少年を亡くした過去を持つ主人公が、ふとしたきっかけで彼の日記を手に入れたことから、「あったかもしれない未来への分かれ道」について考え出すことに。
    ところが、時を同じくして勢力を広めつつあった新興宗教のきなくさい影が主人公たちの近くに迫り…

    というニュアンスの青春小説プラスミステリの小説です。前作とはまた雰囲気を変え、主人公たちの複雑に入り乱れる感情をメインに描いていて、細やかで傷つきやすいこの世代の心理描写がとても巧いです。

    後半からはきなくさい大人たちの暗躍が表出してかなりバイオレンス風味を増し、なかなかえぐさもある展開へ。この容赦のなさはある意味作者らしい、のかもしれません。善きも悪きも容赦なし、というか。ほのぼのもキレキレも同じ世界線にある、というどこか冷めて見据えているような物語の作り方は、私はとても好みです。

    人生には選択肢が無限大に存在し、間違ったのか正しかったのかわからないまま人生をつづけていかなくてはいけない。けれど今生きている、という選択肢を選んでいるだけで、それだけで正解、といっても良いんじゃないか、と。

    そしてかけがえのないだれかと出会えたという今があるなら、なおのこと。

    そういうキラキラほわり、とした気持ちにさせてくれたので、この本を読んだという選択もまた私にとってはベストでした。こういう好き嫌いだけでない絆で結ばれた少年少女って好物です…ありがとうございました。

  • これは中高生向けの作品ですかね、とはいえ大人でも十分楽しめました。特に後半の展開はハラハラドキドキで、物語の前半からは予想できない内容でした。
    舞台は1999年、世の中的にはノストラダムスの大予言で盛り上がっている、という設定(年齢のせいか、個人的にはそれほど盛り上がった記憶はありませんが…)。主人公の女子高生ネギは友人の基の3回忌で彼の日記を託され、パラレルワールドの存在を知り、基の死の分かれ道がどこにあったのかを探ろうとします。同じクラスの八女君の力も借りながら、やがて八女君の知り合いである久慈さんとつながり、そこから不穏な事件に巻き込まれていくことになります。
    このパラレルワールドへの分かれ道をさがすのが物語の前半とすれば、後半は行方不明になった久慈さんの捜索とカルト教団との対決といった構図で、かなり趣が異なります。ラストはてっきりネギのために生前、基が予約していたバースデーケーキを受け取り彼の想いを知り涙するネギ、という展開かと思っていましたがそうではなかったですね…。
    登場人物としては主人公のネギよりは八女君のほうがキャラとしても秀でた印象で、ネギはだいぶ危なっかしい、八女君や友人たちとの組み合わせでバランスがとれているといったところでしょうか。カウンセラーとして登場する桐は最初からあやしさ満点で「何かある」と思わせる点では非常にわかりやすかったですね。
    青春ミステリーとの評も見受けられますが、どちらかというと高校生が主役の冒険活劇、青春サスペンスといったほうが良いかもしれません。映像化すればそれなりに盛り上がるかもしれません。

  • 深緑野分さんの既作品とは雰囲気が異なり、現代を舞台にした作品はこれが初めてではなかろうか。日常の謎を扱うのは深緑さんの得意とするところなのか。そこにパラレルワールドと青春物語を付け加えて、ノストラダムスの大予言で味付けしている。かなり欲張って盛り込まれているが、飽きさせることもなければ最後まで楽しめる作品になっていると思う。深緑さんのどこかに影のある作風は大好きで、ハードルをあげてしまう自分が怖い。Foyle's Warが好きな私としては、次作の舞台はイギリスを希望してやまない。

  • 1999年を舞台にノストラダムスの大予言に揺れる人々を描いた作品。主人公の過去の後悔や思春期特有の不安定座は巧みな表現によって色濃く描かれていて、共感をしてしまう。そして宗教や終末感など、散りばめられた不安が繋がり、大きな恐怖へとなっていくストーリーはハラハラと楽しめた。主題はその時の選択や分かれ道であり、ラストシーンもそれが強く伝わってきた。ただ主人公が抱えていた後悔に対しての感情がどこに向かっていったのか、再読してちゃんと確認したいところ。

  • 舞台が90年代なので
    年代がちょっと懐かしい。

    平衡世界などSFっぽいかと思えば一応キチンとした論理的な話もあり。

    少し切ないところもあり。

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著者プロフィール

1983年神奈川県生まれ。2010年「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年に刊行した長編小説『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞7位、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』では第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞第3位、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補となった。

「2020年 『この本を盗む者は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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