分かれ道ノストラダムス

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 302
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239867

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ作家さんだけど面白かった。
    主人公と一緒に泣いたり笑ったり胸キュンしたり。
    楽しませてもらった。
    ノストラダムスや『ドニー・ダーゴ』、コニー・ウィリスの作品など懐かしくも大好きなアイテムが出てきて嬉しかった。
    後から八女くんはもろタイプだと気がついた。
    うーん、楽しかったわけだ(笑)

  • 表紙や序盤の展開を見て、まさか、こんな物語になるとは思いませんでした。トリッキーさ、ここにもありましたね。

    「基」の死に複雑な心境を抱きつつ、逃げようとしているのか、向き合っているのかすら分からない、「日高あさぎ」の青春の痛みを伴う人生は、ノストラダムスの年と重なり、思わぬ自体への遭遇により、却って、生と死の身近に存在する様を目の当たりにさせられることによる成長物語と、私は捉えました。

    ただ、今作は結構突拍子もない展開や、非現実めいた出来事が多い印象を抱いてしまい、上記のように書きましたが、結局、青春物語なのか、ミステリーやサスペンスなのか、分からないジャンルレスな感覚によって、終盤のメッセージが、すんなりと頭に入らなかったかなとは思いました。

  • 感想を書いたつもりで完全に忘れていたやつ、、、どうしよう、ってくらい中身を覚えていない。
    亡くなった友人の日記帳を譲り受けた主人公は、友人の死ななかった可能性について考えるようになる。いったい何が友人を死に導いたのか、それを知りたくなった主人公はクラスメイトの少年に協力を受けながら友人の死までの行動を追っていく。
    そこに絡みつく終末思想をもった新興宗教団体絡みの事件。
    果たして友人の死にそれは関係があるのか。分かれ道に立つ主人公たちはどの道を正しいと選ぶのか。

    たしかオーブラントの少女が面白かったので気になってきて、文庫を待てずに買ってすぐ読んだんだったか。この時はなんだかあまり頭に入ってこないと思いながら読み終えた。でも今ぱらりと読み返してみて、あれ?面白いぞ、、、とびっくり。本って同じ文章なのに閉じた後に煮込み続けられてるんじゃないかと思うくらい、次に開けた時が違うことがある。まさにそんな本だったみたい。

  • たまにはこういうのもいいな

  • 深緑野分さんの既作品とは雰囲気が異なり、現代を舞台にした作品はこれが初めてではなかろうか。日常の謎を扱うのは深緑さんの得意とするところなのか。そこにパラレルワールドと青春物語を付け加えて、ノストラダムスの大予言で味付けしている。かなり欲張って盛り込まれているが、飽きさせることもなければ最後まで楽しめる作品になっていると思う。深緑さんのどこかに影のある作風は大好きで、ハードルをあげてしまう自分が怖い。Foyle's Warが好きな私としては、次作の舞台はイギリスを希望してやまない。

  • 1999年、初恋の人の三回忌を終えた16歳のあさぎ。どうすれば彼は死なずに済んだのかとたらればを探る過程で、本好きの少年八女と知り合う。当時の不安定な世情を思い出してどきどきしながら読みました。後悔なく生きてる人なんて少ないと思う。
    無数の仮定を膨らませては萎んでいって、確かに信じられるものなんてなくて、どうにかこうにか現実と折り合いをつけてくしかない。陸上で溺れるみたいなしんどさがあったけど、折れないあさぎと八女くんが心強かった。からっぽじゃなくなってよかった。「本」が繋いでくれたのがとても好き。

  • 初めて読む作家さんでした。
    想像通りに進んでいったかな。

  •  病死した友人の三回忌で、その祖母から日記を託された高1の浅葱は、亡き友人の思考実験を知り、その跡を追い始める。見え隠れする、終末論に影響された新興宗教との関わり。信じられるのはいったい誰なのか。喪失を巡る痛みと後悔、死への恐怖、それを逆手に取り人の心を操ろうとする者との対決。
     不安に支配され、まともな判断力を失うことへの警告。
     他者を「悪者」と決めつけて排斥する思考停止は、裏返しの盲信であることも示唆している。

  • ずっと「分かれ道」と「ノストラダムス」のあいだに「の」を脳内補完していたことに読了してから気が付きました。1999年7月、終末の予言が指し示したとされる月のとある街を舞台にして、高校生の主人公とその友人たちが、過去への後悔や身近な人の死や差し迫る「終末」への恐怖、将来への不安などを乗り越えつつ、カルト教団を裏で操る人間の悪意に立ち向かうというお話です。読後感としては、すごく、というほどでなく、期待通りふつう、でした。作中には「当時」を連想させるキーワードやアイテムがいろいろ登場して、ちょっと懐かしい感じもします。

    ノストラダムスあり、サリン事件あり、9.11ありの20世紀末。私の周囲にも「宗教」に対する率直で無邪気でナイーブな嫌悪を表明する人もそれなりに居たように記憶していますが、一方で私の自宅がある地域にはいくつかの新興宗教団体(20世紀前半設立のものも含め)の拠点やその信者がわりと住んでおり、「伝統的」なキリスト諸教派の教会も点在していて、そういったコミュニティ/ソサイエティに属している人たちはどんな思いで当時を過ごしていたのかなと思ったりもします。もちろん自らが置かれた状況も知らず迂闊な意見表明をしていた人たちのメンタリティは当時から不思議に思っていましたが。

    作中で「宗教」は人の依存や精神的充足をこれ見よがしに象徴する(象徴させられてしまった、象徴として祭り上げられてしまった)ものにすぎないという認識がそれとなく示されていますが、当時も今もその点は意識してものを見ることの重要性は変わらないなと思いました。

  • ノストラダムスの予言に怯える時代、かつて好きだった人を亡くした女子高生が、カルト集団の暴走に巻き込まれていく。

    直木賞にノミネートされていた作者だったため手にとってみたのだが……。パラレルワールド、ノストラダムス、カルトなどたくさん盛り込みすぎて、ストーリーも人物描写も類型的で中途半端。大人が読むにはかなり物足りなかった。

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著者プロフィール

深緑野分(ふかみどり・のわき)
1983年神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年刊行の長編『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞ノミネート、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』で第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞ノミネート、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補。19年刊行の『この本を盗む者は』で、21年本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」第3位となった。その他の著書に『分かれ道ノストラダムス』『カミサマはそういない』がある。

「2022年 『ベルリンは晴れているか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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