あなたのゼイ肉、落とします

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239928

感想・レビュー・書評

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  • ◇◆━━━━━━━━━━━━
    1.感想 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    とてもいい感じでした♪
    それぞれのお話は全く繋がりはなく、内容も大きく異なるので、完全に短編集として読むことができる作品になっています。
    特にケース3 吉田知也は、サスペンスのような空気感を出していて、謎に迫っていくお話になってました。ここでは、小萬里さんは…?何の本だっけと思う感じでした。

    身体のゼイニクを落とすのではなく、心のゼイニクを落とす!!それが、本作のテーマになっています。
    決して、痩せるためのヒントが得られるかもしれないと思って手に取ってはダメな作品です(笑)

    個人的には、先に読んだ、「あなたの人生、片づけます」より、こちらの作品の方が面白かったです。自分の心の無駄な部分を削ぎ落としていくってのは、なかなかに面白いですね。ストーリーに優しさを感じられるものが多くて、特にケース4を読み終わった後は、微笑ましい気持ちになりました。

    自身の心に意識をむけていき、いらないものを、削ぎ落としていく。それは、なかなかに、面白い取り組みかもしれません。目に見える「顔や身体」ばかりに意識がいく中で、目には見えない「心の整形」も必要ですね。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    2.あらすじ 
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    ケース1 園田乃梨子
    主人公はかつて美人であった乃梨子。歳とともに太っていって、49歳になって体重がまったく落ちなくなったことに対して悩み、小萬里に救いを求める。

    ケース2 錦小路小菊 
    華族でありながら、貧乏な家に育った小菊が、パティシエという夢に向かって、小萬里に救いを求める。

    ケース3 吉田知也
    事故で1年強の記憶を失った知也の両親が小萬里に救いを求める。

    ケース4 前田悠太
    太っていることでイジメにあっている小学生の悠太。ゴミ捨て場で小萬里の本を見つけた事がきっかけで、小萬里に救いを求める。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    3.主な登場人物 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    大庭小萬里 こまり、「あなたのゼイ肉、落とします」を出版、十萬里の妹

    ケース1 園田乃梨子 49歳
    40代半ばまで、48キロをキープしてきた
    59.8キロ

    俊彦 夫
    怜奈 娘、24歳
    照美 義姉、夫の兄の嫁

    ケース2 錦小路小菊 こぎく 18歳
    小雪 姉、美人、背が高い
    小梅 姉
    田中春子 親友
    陽介 先輩
    ミドリ 陽介母

    ケース3 吉田知也 32歳
    梶原課長 上司
    杉浦恵太 同期
    多加子 姉
    内藤友香子 幼馴染
    加藤京香 元恋人

    ケース4 前田悠太 10歳
    加奈 お隣のお姉さん

  • 垣谷さん8冊目。あなたのぜい肉には必ず「こころ」のぜい肉もついている。いや~最後の前田悠太10歳は泣けてくる。母子家庭で22時まで母親を待ちわびる悠太。親戚も近くにはいない。学校ではい苛められている。食事はお菓子、栄養不足で太ってしまっている。これこそ子どもの不条理。でも母親は懸命に子どものために働いている。うー泣ける。そこに我らが大庭小萬里の登場!豚汁の作り方、お米の炊き方を伝授し、母親の心のぜい肉をそぎ落とす。社会がこういう子ども、母子家庭に興味を持ち、一緒に生きる方法を考えなければいならない。⑤↑

  • 心の贅肉も落とします!
    心に贅肉(ストレス)がつくと、体は太るのかも。
    小萬里さんの宿題に向き合い、交流のなかで解決方法と正しいダイエット方法を学び、心身の贅肉を落としていく。
    小萬里さんって、スーパーソーシャルワーカーいやカウンセラーじゃないですか
    人はひとりじゃ生きられないから、摩擦が起こる。
    親子って、力関係がどうしても親が強いし、家は密室だから、問題が起こりやすく解決しにくいと、つくづく思う。

    食生活の知恵、勉強になります

  • 「あなたの人生、片づけます」の大庭十萬里の妹、大庭小萬里が、ぜい肉に悩む人々にビシビシと厳しいお言葉(いたって常識的な)を浴びせる本作。

    今回も小気味良く、スカッとした気分にしてくれた。

    先が見えず、やる気も出ない…そんな時にサクッと読めるおすすめの本。

    2021.4.18

  • 姉・十萬里の片付け屋さんのお話よりも重かった気がする。なんとなく、片付けられない人の方が重そうだと勝手に思っていたのに。

    小萬里さんの依頼もまずはチェックシートから。普通の質問。小萬里さんのがっちりした体形は、依頼者から見たら最初は怪訝な表情になるよう。それから宿題をしていくうちにゼイ肉、心のゼイ肉まで届く指導。
    知也の亡くした記憶の間の出来事、とても怖かった。
    悠太は加奈ときょうだいのようになれて、小萬里さんに頼ることができて、母の肩の荷がおりただろう。

  • ちょっと前に「あなたの人生、片付けます」を読んでおり、片付け屋の大庭十萬里さんの妹さんが活躍する本作も読みたいと思い手にとりました。
    妹さんは大庭小萬里さん、「あなたのゼイ肉、落とします」の著者で心のゼイ肉も落とすと紹介されている。そんな大庭小萬里さんがダイエットの個別指導を行うのは、働きながら家事も手抜きしない主婦、夢を諦めきれない元華族の女子大生、事故で直近の記憶をなくしているサラリーマン、家庭環境や体格のことでいじめを受ける小学生の4人…。4作品の中で共感できるのは主婦、あぁ~いいなぁと思ったのは小学生の話でした。
    読み終えて感じたのは、ダイエットの具体的な方法を提示するというよりは、一人一人の生活に焦点を当てての指導になっていること…抱えている事情はそれぞれ違うけれど寄り添って解決に向けて一緒に取り組んでくれるという姿勢が感じられ、頼もしいし見習いたいとも感じました。って…私も痩せなきゃなんだけれど(^^;)

  • どの話もすごくよかったです。ホッコリ少し泣けます。やっぱり垣谷さんの作品は、好きです。

  • 園田乃梨子49歳のお話しに共感。以前は少し太っても炭水化物を抜いたらすぐ痩せたのに…など分かる分かる!と。
    そしてこの作品の良いところは、太った痩せたをテーマにただダイエットをしていくのではなく『心のゼイ肉』を落としていくところ。
    連載短編でどの話しも前向きで読んでさっぱりできました。

  • タイトルに惹かれて読んだけどおもしろかった^^;
    小萬里さんが、次々と、ダイエットとともにそれぞれの持つ悩みを解決に導いてくれる。
    私も、身体のゼイ肉といっしょに心のゼイ肉を落として、筋肉をつけたいなーと思う。

  • 心のぜい肉と身体のぜい肉。なるほど。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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