- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575240412
感想・レビュー・書評
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せきしろという人を全く知らずに読むという行動を起こしましたが、それが功を奏したか物凄く心がキリキリしました。コミニュニケーション能力が低い男の子が、高すぎる自意識に振り回されて、今の自分は本来の自分ではない、でも何をしたら良いか分からない。友達は出来ない、出来ても心を開くなんて事は考えられない。
居場所が無いまま東京で漂うせきしろは、1リスナーでしかなかったラジオへの投稿に全てを注ぎ込むのでありました。
自分はこういう自己破滅的な行動に出られる性格ではないのですが、元々内向的で友達も出来にくい人間で、暗黒の高校時代を送る自意識過剰の少年だったので、妙に分かる部分が沢山あって背筋がひやりとしました。
自伝的な本なので成功者が書いているのに、胸にノスタルジーではなくて痛みが・・・。
最近読んだ本の中で、「明るい夜にかぎって」「ハガキ職人タカギ」という2冊がラジオへの投稿をテーマにしているものがありましたが、どれも青春だなあと思わせるものだったのに対して、この本は胸苦しくなる時間の浪費をとうとうと書いています。これもまた人生・・・。個人的に好きな本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
同じ「ハガキ職人もの」では、少し前に「笑いのカイブツ」というキョーレツなのを読んでしまった。これはせきしろさんが書いたのだから、あれとは違うだろうと思っていたのだけど、いやまあ、これもかなりのものだった。
強い自意識を持つ若者を吸収する場が、かつての社会にはもっとあったような気がする。ラジオでハガキを読まれること以外に。 -
すんごくじりじりした。
夢の話なんかおもしろくない(って最近読んだどの本かでも言ってたけど)って、わたしはけっこう夢の話好き。するのも好き。きくのも好き。夢の話がおもしろいんじゃなくて、不毛な話を夢中にしてる人、おもしろい。 -
何かを好きになって、それがいつまでも好きなのは自分だけというパターン。楽しいことがあって、それをずっと楽しんでいると、いつしか誰もいなくなっている状態。「私」はその感覚を芥川龍之介の短編から『トロッコ』状態と例える。
深夜ラジオにハガキを投稿することが生活の中心だった「あの頃」。採用ゼロで悔しさから寝付けず、ネタを考え続け、いつしか夜は明け、世の中が動き出す。窓越しに青く澄んだ朝焼け空。ガラスに反射するぼんやりとした顔。どうしようもなさが愛しい、自伝的小説。 -
「笑いのカイブツ」ほどブッ飛んではいないにしろ、こちらも中々の生活ぶりだった。
結局救いがあろうがなかろうが、熱中するものが見つかる時、それまでの人生を合わせてもなお足りない濃度の何かを感じてるんだろうなぁ。 -
ずっとラジオを聴き続けてきた。エアーチェックに心を踊らせ、常連たちの投稿に腹を抱えて笑った。ハガキも出した。不採用を繰り返し、初めて読まれた時の感動は忘れられない。そして今もラジオを聴き続けている。そんな僕らにとって最高の青春小説であり、恋愛小説だったりする本著。背中の痒い所を優しくかいてくれる感じで良い。ラジオは僕らをキラキラさせてくれる。 昔も、今も変わらず。
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放送作家でもある著者の自伝的小説。上京し芸人を目指すも相方は学業に専念、目的をなくした主人公はラジオ番組のネタ投稿を中心に生活が変わる。その時代の空気と孤独と虚しさ、行き場のない怒りが漂っている。
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深夜ラジオが大好きで毎週聴いているので、自分の中でかなりハードルを上げてしまいました。
特に目立った展開もなく、救いもないので
個人的にはもやもやしてしまいました。