未来

著者 :
  • 双葉社
3.36
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本棚登録 : 1669
レビュー : 226
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575240979

感想・レビュー・書評

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  • 2019.1.5.読了
    湊さん、作家生活10年の集大成的作品。直木賞候補作品。直木賞候補にならなかった方が良かったんじゃないのという酷評の嵐の中、やはりずっと読んでいる湊さん作品ということで読んだ。
    湊さん、あなたが生きてきた中でいったい何があったの?と思うくらいの子供や女性への虐待の描写にあらためて驚いた。この作品の大きな欠点は、直木賞選評で高村薫さんが書かれた、「さながらトッピングの『全部のせ』でもはやもとの料理が何だったかわからないその過剰さと書かれていたことに尽きる。また、林真理子さんの長編をいっきに読ませる腕力はさすが、おもしろいといえば非常に面白い、が、湊さんにはこの面白さの先にあるものをぜひ、つかんでほしい。また、浅田次郎さんの足すは易しく引くは難いものだということも当たっている。
    日頃、直木賞選者の好き勝手直木賞暴論に腹を立てていたが、今回は共感した。
    あまりに素材が多すぎて、いったい何が書きたいと思われたのかわからなかった。ただ、

    ふこうは他人に降りかかるものだと、無意識のうちに思い込んでいるのではないか。幸せと問われるという不幸だと答えるくせに、その不幸は他者と足並みを揃えたしあわせだということに気付こうとせずに。

    相手の望んでいない善意はただのおせっかいです

    など、人の偽善的な感覚に対しての歯に衣着せぬ言葉に共感することが多かった。

    何が書きたいのかはっきりしてほしいことが一番である。批判的なことを書いたが、読んでいる時はページを繰る手が止まらず、止まらないまま、終わってなくなったページをもっと繰って結末を知りたいというもどかしさが残念だった。

  • いろんな所で同じ悪夢のループ…という感じで、救いがない物語。作者は何を書きたかったんだろう。

  • 人の人生というのは本当に数奇なものだと考えさせられました。平凡でいることが、どれだけ幸せなのか改めて考えさせられました。

  • 子どもや女性、弱い立場の者が被害者となる事件が後を絶たない。
    一時的に新聞やニュースで取り上げられるが、継続して報じられことはほとんどない。それほどにありふれたこととなってしまっている、世間の無関心さも冷酷だ。
    そんな世間に一石を投じるような思いで書かれたのではないだろうか?ニュースと違い、小説はある一定期間残る物だから。
    確かに、ほとんどの登場人物はどこか人格が破綻しているし、重苦しい闇が続くような内容は、リアリティがないと感じるのも事実だが、作者が伝えたい現実を凝縮したらこうなったのではないだろうか。社会的弱者の声なき声をすくい取った物語なのだろう。2018.12.16

  • 約束した未来でも、確実に来る未来はない。そして、自分で切り開かない未来に私という存在はない。
    ストーリーに描かれた人物一人一人が、彼ら自身で未来を作った。良くも悪くも、それは自分が決めたことであって、尻拭いも自分自身でやるということ。
    人生は辛いことだけじゃない、彼らの人生に幸あれ。

  • 「こんにちは、章子。私は20年後のあなたです」

    400頁超の重厚な表紙の本。
    本も重かったが、中身も重い。
    誰かが、誰かを守りたいという気持ち、わかるんだけど。救われない
    最後の曖昧な終わり方
    お後がよろしくないようで。。。

  • これまでにない物語の進み方に興味が持て、一気に読むことができた。少女の30歳への自分の未来に手紙を書くことから始まる。現在の色々な問題や悩みをエピソード毎に謎解きをしていく。
    苦しい環境の中からそれぞれの人が考え、踠き、主人公は成長していく。人の優しさと正義が醸し出され、それが印象として強く残った。

  • 最高。久しぶりに一気読み。400ページ以上あるけど3日くらいで読んじゃったよ。続きを読みたくて、寝たくないってのも久しぶり。最初は電車の中で読み始めたけど、不覚にも泣いてしまったよ。明るい湊かなえかなって思わせて、やっぱりいつもの湊かなえかなってなって、その後もクルクル回って、告白以来の集大成ていう帯の文句の通り。今年のベスト3に入るなぁ。おススメだよ。読後感はあえて書かない。

  • 「告白」から10年。
    酷評も多いけど、私にとっては 初めて、告白を超えたな、と思える作品でした。
    長編だといつも湊節が薄まってる気がしてたのに、今回は原液!
    物語の始まりに比べてラストが尻すぼみだと思ってたのに、そんな事なかった!
    Ⅲで、真珠の燃えてほしくないもの、って何だ?って思って章子部分読み返して確認して号泣!
    最近、ラストに希望を持たせて終わる湊小説も多かったけどイマイチだなー、って思ってたんだけど、今回は私的には納得できるものでした。あそこで声を上げて、きっとドリームランド社員に届いて、2枚の栞が発見されて、原田さんは会社から大目玉くらうも夫婦で救う、っていう全てが繋がる未来を、勝手に想像させていただきました。
    告白の、120%イヤミス、から、途中イヤミス後味スッキリ、に進化出来たかと思いました。

  • 小学生の時、家庭や学校の事、イジメで悩み引きこもりになって立往生していたら突然、未来の自分から手紙が届く。その手紙を励みに主人公は自分の未来へと立ち向かう。。。一体どこからこの手紙は届いたのか。後半は両親、友達、先生の生い立ちや過去の心の痛みが解ってくるのですが、複雑で苦しいものばかりでこれでもか、と言わんばかりでした。でも、それでも主人公は前に進むしかない。夢の国に逃げてはいけない。現実を受け止め一歩ずつ確実に前を向いて歩き出した時、主人公のラストは明るい未来がある、と信じたい。

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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