未来

著者 :
  • 双葉社
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レビュー : 224
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575240979

感想・レビュー・書評

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  • 佐伯章子(あきこ)、須山亜里沙、篠宮真唯子(先生)、佐伯(樋口)良太(章子の父親)らの過去の悲惨さをこれでもかというくらいに語られる。親が鬼畜すぎて自分の心も壊れそうだ。なぜ「未来」という題名なのか、不思議に思うほど過去に取り憑かれている。登場人物にとって未来は絶望なのか希望なのか、客観的には絶望の未来しかない。そんな中でも必死に生きようとした、またはしている人々の強さには脱帽だ。いや決して強い人々ではない。でも強く生きようとする人間の業のようなものを感じた。

    読むと止まらなくなるし、心に与えられる衝撃が強いので、心して読んだほうがよい。

  • 湊かなえさんの全てが詰まった作品。
    今まで読んだ湊かなえさんの作品の中で今まで一番好きなのは「告白」でしたが、この作品はそれを超えました。

    主人公である章子。
    両親の良太と文乃。
    同級生の亜里沙と先輩の智恵理。
    章子の担任・篠宮先生。
    父・良太の学生時代の同級生・森本。

    様々な人たちの苦悩や葛藤、その中で自分が何を成すべきかという思いや意思。
    それらが「物語」として描かれるだけに留まらず、自分自身に置き換えた時に、ちょっとした環境や境遇、接する人たちのズレでこんなことが起こりうるという怖さを感じるとともに気持を強く持たなければいけないと感じさせられました。

    (たぶん)人が誰でも持っている痛みや苦しみ、悩み。
    そしてそれを隠すために身につけるずるく醜い部分。
    でも生まれながらに持っている人を愛し敬う気持ち。
    それらが丁寧に描かれていてなおかつストーリー性が高く先が気になる展開で一気に引き込まれました。
    年明けからこんないい作品を読めて幸せです。

  • 最高。久しぶりに一気読み。400ページ以上あるけど3日くらいで読んじゃったよ。続きを読みたくて、寝たくないってのも久しぶり。最初は電車の中で読み始めたけど、不覚にも泣いてしまったよ。明るい湊かなえかなって思わせて、やっぱりいつもの湊かなえかなってなって、その後もクルクル回って、告白以来の集大成ていう帯の文句の通り。今年のベスト3に入るなぁ。おススメだよ。読後感はあえて書かない。

  • 「告白」から10年。
    酷評も多いけど、私にとっては 初めて、告白を超えたな、と思える作品でした。
    長編だといつも湊節が薄まってる気がしてたのに、今回は原液!
    物語の始まりに比べてラストが尻すぼみだと思ってたのに、そんな事なかった!
    Ⅲで、真珠の燃えてほしくないもの、って何だ?って思って章子部分読み返して確認して号泣!
    最近、ラストに希望を持たせて終わる湊小説も多かったけどイマイチだなー、って思ってたんだけど、今回は私的には納得できるものでした。あそこで声を上げて、きっとドリームランド社員に届いて、2枚の栞が発見されて、原田さんは会社から大目玉くらうも夫婦で救う、っていう全てが繋がる未来を、勝手に想像させていただきました。
    告白の、120%イヤミス、から、途中イヤミス後味スッキリ、に進化出来たかと思いました。

  • 「こんにちは、章子。わたしは20年後のあなたです」ある日、突然届いた一通の手紙。
    送り主は未来の自分だという……。『告白』から10年、湊ワーールドの集大成!
    待望の書き下ろし長編ミステリー!!

    こちらの本ですが実は、私が湊かなえを知り、また、愛読するようになった「一冊目」の本です。それまでは巡り合わせのご縁がなく知らなかったんですが「タイトルに惹かれて」購入。いざ本を開き読み進めてみると、「あ、これは未来の自分とのタイムリープ系なのだな」と彼女の作風を知らない私は思ってしまいました。
    しかし、章を追うにつれ、DVや近親相姦、親殺しの計画と実行、自殺や公務員がAV出演の過去などの公序良俗に反するようなネタがこれでもかというほど盛り込まれており、自分の心がどうにかなってしまうのではないかという危険を感じつつも、今後の展開で「未来」が切り開かれていくのではないかという淡い期待を抱きながらあっという間に読み進めてしまいました。

    結末は...ここでは伏せておきますが、、、、
    「私はこの作品がきっかけで湊かなえの虜になりました。」

  • 告白と同じように、手紙文体の小説。

    人間のグロさが出ている作品。

    いい人そうな登場人物が全員とも心の闇を持っている。

    何が真実で何が嘘か表面的な事柄ではわからない
    ネット社会の現代、真実は本人しかわからないんだろうなと
    改めて感じた作品。

  • 人の心理をついて複雑だった。人の心を探るのは難しい。

  • 章子に30年後の自分から手紙が届くところから話はスタート。章子だけでなく、いろんな人の一人称での物語が展開されながら少しずつ謎が解けていく感じ。ラストがもう少し前向きに歩みを進められた感が描かれて欲しかったなと思う。

  • 読みやすい文体と、謎の答えを早く知りたくて、一気読みで寝不足…。読むに従って登場人物みんな家庭に問題を抱えてて、絶望しかなかった。篠宮先生のエピソード、真珠のエピソード、ありさの弟、誠一郎…。(女性二人はそのあと愛する人と人生を送れたけど)この後、章子たちは自首して智恵理のようになったとして、章子のママの文乃はうまく立ち回れたのかな?
    警察は、いろいろ見落としがあるけどそれでよいのか?

  • 物語に引き込まれ一気読みした作品。

著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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