罪なき子

著者 :
  • 双葉社
3.25
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本棚登録 : 110
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575241020

作品紹介・あらすじ

凄惨な通り魔殺傷事件が起こった。青年が次々と人を襲い、男女二名を殺し、ほか二名を傷つけた。青年は死刑囚の息子で、加害者家族への嫌がらせのため、生きる希望を失い犯行に及んだと供述している。青年の心の闇に興味を抱いた水木弁護士は弁護を買って出たのだった……。

感想・レビュー・書評

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  • 無差別事件の犯人として捕まったのは、死刑囚の子だった。事件の動機は死刑になりたいがため、そして死刑になりたい理由は、死刑囚の子である自分を虐げた社会への復讐であるという。「死刑になりたいから人を殺した」という事件は現実にもありふれているけれど、こういう動機はどうなんだろう。加害者家族の悲哀というのはひどく重いものだろうということは、想像に難くはないのですが。正しいと言えないにせよ、あまりにやりきれない思いです。
    ところが。終盤になって展開を見せる事件の真相には愕然。それは思いもよらなかった! しかしやはり、加害者家族につきまとう偏見と排斥はどうにかならないものなのかなあ。なぜ自分と直接関係のない相手にそこまで残酷になれるんだか。

  • なんか、全体的にうすかったなーと思った。

  • 図書館で見つけてタイトルに惹かれて読んだ!

    加害者遺族と死刑がテーマの話。
    どちらも非常に興味のある事柄なので面白かった。

    ネットでの晒しも含め、偏見や差別がなくなってほしいなーと思う。

  • 無差別殺人を行い死刑判決を望む男は死刑囚の息子だった。差別を受け続けた人生の終わらせる手段として死刑を求めるという男の真実を弁護士が探る法廷ミステリー小説。

    タイトルや帯から、もっと死刑囚の息子の生きてきた人生をたどって彼の内面に入っていく話だと思ったら、どちらかというと彼の起こした無差別殺人事件の謎を考えるお話だった。暗さはそこまでなく、ふんふん…と読み進められる。弁護士の人生よりもう少し彼の心や生きてきた道について書いて欲しかったかな。

  • 最後がイマイチ

  • 死刑になりたくて通り魔殺人をおかした青年、片瀬と、弁護人としてその真理を探る水木。
    犯罪者心理としては面白く読めた。
    意外な真実?も出てくるけど、そこはちょっと小説っぽすぎるような。
    父が死刑囚で、冤罪だったかも…的な部分をもっと読みたかったかなー。
    これはこれで、読みやすく、あっと言う間に読み終えた。

  • 犯人はは死刑囚の子で世間から迫害され生きるのが嫌になった、死刑になりたいために偶然その辺にいた人を殺したという事件。しかし弁護士が調べていくうちに、実は殺す人間も含めて計画的な犯行だったという。
    主役の弁護士が有能なのはわかるけど、依頼者である犯人が望んでないのにあれこれ、それはもう警察並みに調べつくしていくのは契約としてどうなのか?
    結局は殺された不倫関係の男女がいて、女の旦那が自殺したため復讐を実行した弟の犯行で、死刑囚の息子は父の冤罪というか死刑制度を世間に考えさせるために身代わりを受け、死刑判決が出たのちに、真犯人は別にいることを暴露するためだったというオチ。
    文章は読みやすいが、ほぼ人と会って話を聞いての展開しかないので盛り上がりに欠けるかな。
    はっきりいうと、死刑になりたいか人を殺す奴は一人で死ね説に賛同、つうか、誰も認めてくれない~、居場所がない~とか言うやつは外国行けよ、なんで世界は広いのに狭い日本での生活しか考えないの?まだまだ文明の発展してない諸島や、日本人がいないところなんていくらでもあるんだからそこにいって一からやり直せばいい。お前の過去に何があったとかわかんねーから。

  • まあまあですね。良くできてる。お話としては良いのですが後半に怒濤の迫力みたいなものがあったらなあ。と思いました。

  • 罪なき子
    小杉健治さん。

    加害者家族の話。

    最後まで読んで納得。

  • 文章が好みでなく途中で断念

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著者プロフィール

一九四七年、東京都生まれ。八三年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八八年「絆」で日本推理作家協会賞、九〇年「土俵を走る殺意」で吉川英治文学新人賞を受賞。他に「仇討ち東海道」「遠山金四郎」「風烈廻り与力・青柳剣一郎」「栄次郎江戸暦」「蘭方医・宇津木新吾」「親子十手捕物帳」「八丁堀赤鬼忠孝譚」「義賊・神田小僧」シリーズなど著書多数。

「2023年 『剣の約束 はぐれ武士・松永九郎兵衛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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