ガラスの殺意

著者 :
  • 双葉社
3.69
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本棚登録 : 279
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575241129

作品紹介・あらすじ

「憎きあいつを殺したのは……私!?」二十年前に起きた通り魔事件の犯人が刺殺された。警察に「殺した」と通報したのは、同じ事件で愛する両親を失った女性。だが、彼女はその現場から逃げる途中で交通事故に遭い、脳に障害を負っていた。警察の調べに対し、女性による殺害の記憶は定かでない。復讐は成し遂げられたのか、最後に待つ衝撃の真相とは? 驚愕の長編サスペンス・ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 事故の後遺症で短時間しか記憶を持てない主人公。
    その主人公の手には血塗れの包丁が。
    殺したの?
    この人は誰?
    私はなに?

    疑問がいっぱいの中、何となく状況を把握して
    理解はするものの、それさえもまた忘れてしまう。

    とても読みやすく一気に読了。
    無駄な描写がないのに引き寄せられていく文章。
    綺麗なミステリー。

    こんなに読みやすい小説は久しぶり・・・かも(笑)

  • 「聖母」以来はまっている秋吉さん。
    今回もしっかりだまされましたよ!ころっと!
    途中で、だんなが怪しい!と気づき、今度こそ見破った!と思ったけど、それも秋吉さんの計算のうちでしたね^^;

    パターンは見えてきたので、だまされる前提で読むんだけど、それも面白いのがすごい。

  •  冒頭からグングン引かれていく展開で、次はどうなる?と気になり、あっという間に読了。
     ただ、面白いだけではなく、記憶障害の麻由子の立場になって読むとかなり読むのが辛かった。

     男を殺し、自首する麻由子。ただ、麻由子は記憶障害を患っており、自分が本当に殺したのかわからない。しかし、状況は麻由子が殺人を犯したことを雄弁に語っている。麻由子を19年間も献身的に支えながらも殺人を犯したことをすんなり受け入れる夫。麻由子の近所にすむ老女の久江は夫の虐待をリークし、弁護士を雇い麻由子が釈放できるように計らう。一体何が正しいのか。誰を信じればいいのか。
     
     刑務所の入り口に
     
     自分が殺人を犯したこと。
     刑務所に収監されていること。
     自分は大学生ではなく41歳であること。
     夫がいてとても愛してくれていること。
     自分は事故による記憶障害があり、物事を忘れてしま うこと
     両親が通り魔に殺害されたこと

    などのメモを残し、忘れるたびもう一度その現実を突きつけられる麻由子。毎回初めてその現実を突きつけられるのはどれ程の苦痛を生むのだろうか。と考えると胸が圧し潰されそうになる。
     
     また、麻由子を担当する刑事の優香は、母親がアルツハイマーを患い、施設に入所させてしまったことに後ろめたい思いを拭えないでいる。そんな母親と麻由子を重ねて見てしまうのだった。

     さて、序盤は麻由子に自分を投影して苦しみながらも、誰が犯人なのかと謎解きしながら楽しく読めた。最後はやはり帯にもあるように、二転三転するどんでん返しも楽しめた。ただ、それだけだったら単に面白いだけになってしまうが、ラストの海での麻由子と夫のシーンは秀逸。思わず目頭が熱くなってしまった。
    3.5

  • 短時間しか記憶することができない女性が殺人事件の自分で110番通報し犯人として逮捕された。
    のっけから物語にどっぷりで、物語の展開が気になります。
    新聞の書評で「忙しい時には(徹夜してしまうので)読むな」と書いてあったとおり、途中で休むことを許してくれない本です。
    最後まで、どうなるんだろうとハラハラドキドキとなること請け合いです。
    認知症の人が周りにいると登場人物の気持ちがよくわかります。

  • 殺人容疑で逮捕された、高次脳機能障害を持った女性。彼女の記憶は長時間保たれることがなく、したがって事件のこともまったく覚えていない。彼女自身の混乱と、捜査する警察側の当惑が痛々しくも読む手が止まらないミステリ。
    動機といい状況といい彼女が殺したことは間違いなさそうに思えるのだけれど。徐々に湧き上がる記憶の断片に不穏なものが感じられます。いったい誰が味方なのか、誰を信じればいいのかがまったく分からない心細さがひしひしと迫りました。二転三転するラストの展開も圧巻。
    そしてあの人の作為がとても胸に沁みました。うーむ、それは考えてもみなかった。切ないながらも余韻が優しい読み心地の作品です。

  • 高次脳機能障害の女性が主人公。彼女は短時間の記憶しか持たない。その彼女の視点で描かれる部分がリアルで、苦しかった。物語はさておき、こういう症状の人は実際にいる訳で、なんてリスキーな人生なんだろうと気の毒になる。
    小説はハラハラドキドキで、一気読みです。

  • 10分で記憶が消える女が殺人犯だった?

    犯人が二転三転して(!?)ってなる。旦那さんは味方だったんだね。何を信じていいか、何を疑えばいいのかわからなくなるときってどうしたらいいんだろうね。老婆がやばいやつだったとき震えたわ恐ろしすぎ

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    20年前に起きた通り魔事件の犯人が刺殺された。警察に「殺した」と通報したのは、その通り魔に愛する両親を殺された柏原麻由子。だが、麻由子は当時現場から逃げる途中で交通事故に遭い、脳に障害を負っていた。警察の調べに対し、麻由子による通り魔殺害の記憶は定かでない。はたして復讐は成し遂げられたのか―?

    忘れてしまう。何度繰り返しても忘れてしまうのは、高次脳機能障害とは言え悲しい。
    刑事の認知症の母親の介護と2本の話が平行して話は進む。
    しかし、、、犯人はそこでしたか~。

  • 設定の奇抜さに惹かれて読み始めたものの、それだけではなかった。あっという間に惹き込まれて一気読み。

    介護の話は、それなりに身近なこともありグッときました。

    お話が進むうちにどうしようも無いやるせなさと切なさが持ち上がり、同時に真実が見えなくて気持ちが二転三転。

    そして真実は予想の三歩先でした。

    特に最後の海のシーンは切なかった。
    残酷なのか、ハッピーエンドなのか…。

    すごく考えさせられるものを、ものすごい疾走感のなかで読みきって、ちょっと呆然としてる読後感。

    単純に『面白かった』という言葉では表現し難い感想です。でも確実に読んで良かった。

  • これは良かった。いつも秋吉さんの本は良くも悪くも「残らない」のが持ち味だと思っていたが、これは考えさせられるし、余韻がある。麻由子は、交通事故を負った21歳で記憶障害となり、それ以降の記憶が最大20分間しか留めておけない。41歳のある日、そんな彼女が殺人犯として逮捕されるがー。ミステリとしては想定内。睨んだ奴が黒幕であった。しかし麻由子の記憶の無限ループの描写、彼女を追う刑事の母の認知症問題等、脳の障害の辛さが心に響く。ラストも温かく切ない。イヤミスでなく新境地ぽいかな?既読の中では上位ランク入り。

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著者プロフィール

秋吉 理香子(あきよし りかこ)
脚本家・小説家。ロサンゼルスで育つ。早稲田大学第一文学部卒業後、ロヨラ・メリーマウント大学院にて映画・TV製作についての修士号を取得。
2008年、「雪の花」で第3回Yahoo! JAPAN文学賞を受賞。翌年、同作を含む短編集『雪の花』でデビューし短編TVドラマも制作された。2013年『暗黒女子』を刊行し、本作は2017年に清水富美加・飯豊まりえ主演で映画化もされるヒット作・代表作となった。
以降、『機長、事件です! 空飛ぶ探偵の謎解きフライト』、『ジゼル』といった作品を刊行している。

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