- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575241532
作品紹介・あらすじ
姑が亡くなり、住んでいたマンションを処分することになった。業者に頼むと高くつくからと、嫁である望登子はなんとか自分で遺品整理をしようとするが、あまりの物の多さに立ちすくむばかり。「安物買いの銭失い」だった姑を恨めしく思いながら、仕方なく片づけを始める。夫も手伝うようになったが、さすが親子、彼も捨てられないタイプで、望登子の負担は増えるばかりである。誰もが経験するであろう、遺品整理をユーモアーとペーソス溢れる筆致で描く長編小説。
感想・レビュー・書評
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垣谷さんの作品は
本当に読みやすいですね
こちらもあっという間に読めました
作品によっては
あまり読了感の良くない作品もありますが
こちらは気持ちよく読み終われました
題名の通り、姑の遺品整理をする話
物が捨てられず
びっちり残った3DK
自分も実母が物を捨てられない人なので
将来遺品整理をすることを考えて
ゾッとしました
終活に断捨離するタイプでもないしな…
今は考えないでおきます…
遺品整理を通して
義母のこと、
そして実母のことを
改めて知る機会になる
どちらも素敵なお母さんだなと思いました(^^)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ぷっと吹き出してしまうようなタイトル。
いつもわかりやすく現実味のある作風ですね。
参考になる?かどうかは…
望登子の姑が急になくなり、マンションの部屋が遺されました。自分で遺品整理をすると決めたものの、よく知らない土地、あまり来なかった部屋…
しかも、エレベーターなしの4階という。
なぜこんなに、よくもこれほど溜め込んだと呆れるほどの物が大量にあったのです。
途方に暮れつつ通っていましたが、なぜか誰かが部屋に入っているような気がする…?
そんな小さな謎もありつつ、ご近所の人との出会いもあり、思わぬ助けを得ることも出来るようになっていきます。
実母はすでに亡くしている望登子でしたが、自分で身の回りのことをすっかり片付けて逝ったことを思い出しては、姑はだらしないと感じます。
ところが、姑の部屋に物が多くなりがちな理由や、おせっかいだけど温かな人柄を知ることにも。
そして実母のほうも、通り一遍ではないのですよね。
ユーモアと物語性、現実に起こりそうなことをうまく混ぜ合わせ、大仕事を乗り切る力を応援してくれそう?
老人の部屋にはこういう物が多い、あるある!な現象には笑えます。
私の場合、大きな物置と化した家で実の親が捨てなかった物に囲まれ、「でも汚宅にはしない!」ように「倦まず弛まず」「一度に一つずつ」と自分に言い聞かせながら、少しずつ何かやっていますので。
あ~、思わぬ手助けが欲しい!(笑) -
さすが!!姑の遺品整理問題をコミカルに描く!
姑の多喜が急逝し、遺品整理をすることになった望登子。大量の遺品に押しつぶされそうになりながら奮闘!
姑の遺品整理を通じて、姑多喜の生活や本当の人となりを知る。
血は汚いと言うけど、本当にそう思う。
姑の遺品は躊躇せず捨てる望登子も、実母の遺品整理の時には、捨てることを躊躇する発言を弟嫁にしている。やっぱりこうなるんだな…思い出って、厄介だ。
自分で断舎離して、すっきり逝きたいものだ。
遺品整理って、亡くなった人の人生の総決算みたいな所もある。多喜さんみたいに、人情溢れる生き方にも素敵だなと憧れる。
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読んだ後はステキだなって思えるお話でした。
お義母さんが突然亡くなって遺品整理をするってところから始まりますが
あー、我が家のお義母さんも物持ちがいい人だから頼むから断捨離してくれーって思ってしまいました。
捨てたら?と提案しても取っておくし、私が捨てようとすると拾うし。
でも、この本を私が読んでるのを見てか
ちょっと整理しようとしてました。笑
で、私も主人公が遺品整理に大変な思いをしてると教えておきました。
話の内容的には、お義母さんがすごくステキな近所付き合いをしていて近所の方達が手伝ってくれて
遺品整理もそこまで大変な思いをしなかったと。
旦那に手伝わせると、捨てたがらない‥家に持って帰ると言い出す
うちの旦那も、掃除してて「捨てるよ」と言ったら取っておく物置に入れておくっていう始末。
今じゃ、勝手に処分してます。笑
実の親の遺品の手帳(日記)を譲り受け、読んで感動的なとこもあったけど。
手帳、私は見られたくないなぁ。 -
こういう人情噺的な作品は好きだなあ♪
義母が不意に亡くなって団地で一人暮らしだった姑の遺品整理に青息吐息の五十代半ばの嫁の孤軍奮闘物語ですが、実は奥深くて考えさせられるイイ話なのです。
実の母も既に亡いけど用意周到で全てに気配りされていて遺品整理の苦労など皆無だったのに、姑ときたら予想を遥かに超越した大量の物品のヤマ! ヤマ!ヤマ!
片付けれど片付けれど減ってくれないので出るのは愚痴と溜息と怨み節ばかり。しかも自分はデパートのテナントのパート身分、夫婦で暮らすマンションから整理に通うのも大変なのに義母の息子である夫は仕事に託けてほぼ任せきりで途方にくれるばかり。
ギブアップ寸前だったけれど、あの身勝手で嫁にキツイだけだと思っていた姑の、団地暮らしの実像が思わぬプレゼントを齎してくれる。
単なる遺品整理の苦労話にあらず、人生とは 個人とは 家族とは 夫婦とは 付き合いとは 暮らしとは等々色々な大切なことを考えさせてくれました♪ -
今回も、社会問題を深刻になり過ぎず、どこか明るく前向きな気持ちで読み終えさせてくれる、垣谷マジックにハマった。
一人息子の嫁が、突然亡くなった義母の遺品整理をする物語。
実の親子なら、家も物も、自分の思い出と親の思い入れとが混じり合い、なかなか手離すことが難しいだろう。
逆に嫁の立場となると、捨ててしまいたいが、勝手に処分してしまっていいのだろうか…という逡巡がある。
しかし、扉や引き出しを開けるごとにびっしりと詰まった物たちが迫ってくる状況は、亡き姑がいることを想定した天井の辺りを睨んで、愚痴りたくもなる。
実母が亡くなった時は、机に指輪が1つ残されていただけだった、というから突然亡くなったとはいえ、姑とのギャップはかなりのものだろう。
そんな主人公の茂登子に同情しつつも、エレベーターなしの団地の4階を何往復もして、片付けをする彼女は、良き妻良き嫁以外の何者でもないと思う。
都会では、人に相談することなく何でも己で解決するのが常だが、義母の暮らした団地ではまだ近所付き合いがあり、遺品整理を通して亡くなった義母の知らなかった一面を知ることになる。
口喧しく噂好きな人と少し軽蔑するところもあったのに、団地の人からは、感謝される存在であったと知れたことが、遺品整理に通い続けた茂登子へのご褒美だったのかもしれない。
小説の中に50を過ぎたら、物を手離していく、というようなくだりがあるのだが、いや、本当にそうだ。
子ども達が困らないように、自分の物を整理していかないと。
2022.2.16 -
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初めまして、しのさん、突然に知らない人間から、ごめんなさい(^-^;私もこの本読みました。姑は他界しているのですが、母は本に重なります。「断...初めまして、しのさん、突然に知らない人間から、ごめんなさい(^-^;私もこの本読みました。姑は他界しているのですが、母は本に重なります。「断捨離しないとねェ」と、たまに言いますが・・・・垣谷美雨さんの本は、何冊か読んでいますがどれもいいです。タイムラインから、本棚を拝見しました。図書館大好き人間です。どうぞよろしくお願いいたします!2021/03/30
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この作家さんは 題名と 本の 結論は 逆になることが 多いです。
でも 良い意味で 逆になるから 読むのをやめられないのですが。
読み終わって こころが ほんわかになるのが たまりませんね。
今回は 旦那も 良い人になり 男としては 良かったです。
次回作 楽しみです。