むかしむかしあるところに、死体がありました。

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575241662

感想・レビュー・書評

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  • 話題作。
    昔話の世界観をミステリに当てはめた?と言う点は、それほど目新しくもない設定だが、中身がガチ目の特殊設定ミステリでとても楽しめた。逆にライトミステリを好む人には合わないかも。後味悪いし、特殊設定ミステリのノリが独特なので。
    続編の赤ずきん、、、は先に読んでしまったが、あまり合わず印象薄かったので、こちらは素直に楽しめた。

    一寸法師、、、アリバイ崩しがモチーフだが、中身は完全に流行りの特殊設定ミステリ。ロジックを積み上げるために細かく設定を練り込んでいる点は感心した。

    花咲じいさん、、、ダイイングメッセージがモチーフ。中身はホワイダニットと感じた。バタバタしている印象だが、後味は悪い。

    鶴の恩返し、、、倒述ものと思わせて置きながら、実際はアレ。まあよくできていると言えばできているけど、ミステリマニア以外の人はどう思うだろうか。

    浦島太郎、、、密室らしいがこれも特殊設定だよな。登場人物がわかりにくく読みにくいかも。

    桃太郎、、、本当は怖い日本昔ばなしみたいなプロットだが、中身は孤島もの。そして誰もいなくなった。トリック自体は極めてオーソドックス。

  • 自分が知っている昔話の中でのミステリーなので、意外な人が犯人な事が多く、面白いです。お話の内容は複雑なのにわかりやすく、意外とすぐ読み終わってしまいました。

  • 誰もが知っているむかし話の設定はそのままに
    その世界で繰り広げられるミステリー小説。
    いやはや、一寸法師はそんなヤツだったのねと失望したり、鶴の恩返しのツルに同情したり、おい!桃太郎はそんなことになってたのか!と裏設定に驚愕したり、後半になるほどのめり込んで読んでしまった。

    竜宮城の間取り図なんかも描かれており、ページを戻って図を見ながら話の展開にドキドキ。色んな仕掛けがあって面白い!子供には読み聞かせはできない、ちょっとブラックなお伽話でした。

  • 日本昔ばなしの原型を留めておきながら、本来のストーリーではあり得ないような衝撃の展開がどのストーリーでもあって、面白かった。
    我々の脳に刻まれた物語があるからこそ、それを利用して、大きな衝撃を与えるように精巧に作られた本格的ミステリー。

    鶴の倒叙返しでは、二度読むことによって初めて、辻褄が合うという今までなかったような作りがとても興味深かった。

  • 荒唐無稽である(^ ^;
    何せ舞台は「昔話」の世界(^ ^;

    桃太郎やら浦島太郎やらの、誰もが知ってるお話の
    ストーリーをなぞりつつも、視点を変え、
    書かれていない部分を妄想で補い、
    こねくり回して二回半ひねりしたような奇著(^ ^;

    昔話にむりやり殺人事件を「ねじ込み」、
    まさかのあの人が容疑者?(^ ^;
    一体どういう脳細胞の使い方をすれば、
    こんなにヒネくれた解釈ができるんだ!?(^ ^;
    という感じ(^ ^;

    でも、じっくり読んでみると、
    荒唐無稽ではあるが、その世界観の中では
    設定も論理も推理も破綻がない(^ ^
    伏線もきちんと回収されている(^ ^

    むしろ伏線は「ものすごく分かりやすく」提示され、
    そこで読者は必ず引っかかるようにできている。
    が、世界観が異常(失礼!)なので、
    まさかそう来るとは、という感じのオチを迎える(^ ^;

    結論は、読み物としてはもの凄く面白い(^ ^
    全体的にかなり「凝った」構成になっているので、
    斜め読みしてると置いてかれますぜ(^ ^;.

  • 昔話の主人公たちが、いやいや?ミステリー やらされてる感じがして、ちょっと悲しいです。みんな~よく頑張ったね。
    読んでたら慣れるか、と思ったけど、私はう~ん無理かなあ。

  • 完全なる題名買い。

    昔話のリメイク?深く掘り下げたというよりは、土台のある新たな物語といった感じであった。

    以前に森見登美彦の作品で似たような作品があったが、やっぱり著者によって焦点の合わせ方や描き方が全然違い、ジャンルとしてこのような作品は好きだなと感じた。

  • 昔話をミステリーにという発想が面白い。
    50ページずつの短編なので、一気に読めた。
    でも子どもの頃に読んでいたお話が、めでたしめでたしとならないのは、やっぱりちょっと悲しいかも。
    元の昔話が上書きされて、原作を忘れてしまいそう。

  • 短編ミステリーはあまり読んだことがなく、久しぶりに読んだ。
    さくさくと読みやすくて面白かった。
    特に好きな話は''つるの倒叙がえし''と''絶海の鬼ヶ島''。
    そういうことか!っていう伏線回収の多さと物語の壮大さに、短いながらも読み応えたっぷり。

    ''つるの倒叙がえし''に関しては、一度読み終えてからもう一度読み返すと、アナザーストーリーになってるという仕掛けで、そんな巧妙な仕掛けを味わったことなくて、すごい衝撃を受けた。
    ''つるの倒叙がえし''だけでも、誰かに読んでもらって面白さを共感したいなと思える程でした。

  • 思ってたよりも面白かったけど、どれも少し後味が悪め。
    昔話もぼんやりとしか覚えてないので、本家の日本昔話をもう一度読んでみたくなりました。

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著者プロフィール

1980年千葉県生まれ。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回講談社birth小説部門を受賞しデビュー。「ブタカン」「西川麻子」「猫河原家の人びと」などシリーズ多数。2019年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が各ミステリーランキングや書店年間ランキングにランクインし、本屋大賞にもノミネートされた。

「2023年 『あかがみんは脱出できない(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青柳碧人の作品

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