- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575242096
作品紹介・あらすじ
次々とイレス患者のマブイグミに成功する識名愛衣。患者たちの心の傷は最近都内西部で頻発する猟奇殺人と繋がっていることが次第に分かってきた。しかも、この事件は23年前の少年Xによる通り魔殺人とも繋がっている。少年X……それは愛衣自身の忌まわしきトラウマでもあった。過去を乗り超えるため、患者を救うため、愛衣はこの難事件の真相究明に挑む。
『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』
2年連続本屋大賞ノミネートの著者最新作、感動のフィナーレ!
感想・レビュー・書評
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下巻は23年前に起きた連続殺人事件の謎の解明です。
やっぱり怪しいなと思った人物が怪しかったです。
でも、マブイとかクルルとかの説明がたくさん出てくるけれども、私は純粋なミステリーを期待していたので、実証のないものの説明を懸命にされても「それって、ホントかな~」とか思ってしまいあまり信じられませんでした。
でもこれはただのミステリーではなく、ハリーポッターのような物語としてよめばいいんだと考えると面白く読めて物語の中に入ることができました。
だって怪物まで登場してくるし本当にびっくりしました。
最後は23年前の事件の最大の被害者である愛衣が犯人を赦すという結末が人がよすぎると思いましたが、この結末しかなかったのだろうと思いました。
最後の愛衣と家族の交流はよかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
識名愛衣は都内病院の精神科医。眠りから覚めなくなる奇病、イレス《突発性嗜眠症候群》が同時多発で発症し、4名のうちの3名を担当することとなった。ユタの血を引く愛衣は、マブイグミをして魂を救済していく。
そんな最中、同僚の華先輩が担当するもう1名のイレス患者が巷を騒がしている連続殺人事件に関連していると聞かされる。そのイレス患者とは一体誰か?イレスはなぜ同時多発で発症したのか?
そして、愛衣自身が巻き込まれた23年前の事件とは?
いやー、仕事あるのに夜更かしして読み耽ってしまった。
特に後半。物語が進むにつれ、どんどん引き込まれていった。上巻で少しずつ感じていた違和感が、実は全て伏線でどーんと回収された時は、「なるほど~っ!」と思わずひとりで騒いでしまいました。
ストーリーはとても複雑だけどスピード感があって、あたたかくて感動的。
採点は5点に近い4点。少年Xの魂の闇をもう少し丁寧に描いて欲しかった…なんて贅沢なことを少し思ってしまったので。
さて、2020年本屋大賞では、「medium 霊媒探偵城塚翡翠」との霊媒師ミステリー対決勃発で、どちらが上位か結果も楽しみ。僕の好みは「ムゲンのi」の方だな。 -
良き時間だった。
夢幻の世界、全ての謎が解けていくミステリ…上下巻通して心を縛りつけられるほどの良き時間は思わず声が出るぐらい、それぐらい良かった。
ずっと心に閉じ込めてきたものを解放する時、してあげる時、向き合わなければいけないその時に、人はどれだけのパワーと勇気を必要とするのだろう。
その過程、心の動きが巧くファンタジーとして表現されていたと思う。
今、自分の周りにいてくれる人、ペットを思い浮かべる。今以上に包み込み、包まれたくなる。
読後は確実に胸の辺りに温かさが広がる素敵な作品。-
私結局知念さん読んでないままで…
この作品も本屋大賞にノミネートされているし今度こそ読んでみようと思うんだけど、私に合っているかしら?
...私結局知念さん読んでないままで…
この作品も本屋大賞にノミネートされているし今度こそ読んでみようと思うんだけど、私に合っているかしら?
今度映画化される「仮面病棟」だっけ?
どっちの方が面白いかな?2020/02/02 -
けいたん♪こんにちは♪
わかるー、私、実はあまり知念さん得意じゃなくて。
仮面病棟は…正直ダメだった。たぶん、あざとい人物が大嫌いだからだ...けいたん♪こんにちは♪
わかるー、私、実はあまり知念さん得意じゃなくて。
仮面病棟は…正直ダメだった。たぶん、あざとい人物が大嫌いだからだと思う。
これは医療ミステリーとファンタジーで、好きな知念作品。
泣けたしおすすめだよ。2020/02/02
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夢幻の世界で、ユタとして成長する愛衣。眠り続ける「イレス」患者達を、現世界に手繰り寄せる、ファンタジー。
患者達にまつわる殺人事件、そして「少年X」へと立ち向かうミステリー。
漱石の「夢十夜」には、心酔しておいて、知念さんの、渾身のスピリチュアル的ファンタジーは、、というのは、全く自分ながら身勝手だと思う。
ちゃんと帯にも ミステリー×ファンタジーって書いてあったのに、心構えが足りなかったのが、敗因だよね。
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下巻も色彩豊かな描写と壮大でハラハラする展開が目白押しで、とても楽しめた。終わり方も素敵。
「他人から受け取った心の欠片がマブイ(魂)に蓄積され、そこから分離してククルが生まれる。人間は死ぬときに、マブイの欠片をその人に対する感情と一緒に身近な人たちに遺す。そのマブイは受け取った人物のククルの一部として残り続ける。」というような考え方が、とても参考になった。身近な人を亡くして落ち込んでいる人に是非すすめたい本。
人間は誰しも、たくさんの愛情をかけられて育つべきなんだということを思った。 -
眠り続ける病気・イレス、医者の愛衣は祖母から受け継いだユタの力で患者の心の中に入り込み、心を解放して患者を治してゆく。愛衣にも辛い過去があり、患者の心とともに自分の心にも立ち向かう。
ファンタジーのような、心のありようをわかりやすくえがいているような…なかなか馴染めなかった(ウサギのような分身とか出てきたところで引いた)。でも、患者同士のつながりや、愛衣の心、犯人の正体、気になり続け、最後まで読みました。愛情や、想いは残る、宗教ぽさも感じますが、まあ、そんなもんなんだろうなと感じたくらい。そして、著者の猫へ深い愛情もあるのかな。印象に残ったのは、心の中のところ、装丁の影響があるのかもしれないけれど、頭の中に色彩がビシビシ伝わってきたな。 -
ファンタジーサスペンスな様相を呈していたが、やはりもっと現実に近い設定の方が好みだった。
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本当に、下巻・第4章ですべてがひっくり返された…!!
上巻で感じていた違和感の正体も判明。
そういうことならつじつまが合う…!!
ちゃんと、第4章で語られる内容のヒントは、随所にありました。
けれどそのヒントの統合の仕方は、まったく思いつかないものだったので、とても驚きました。
物語の細部に感じていた、わたしの持っている言葉ではうまく説明できない違和感の正体も、第4章を読むことで明らかになりました。
本の帯にある「医療系なのにファンタジーで、ミステリー!」という表現は、読みきってみると本当にそうでした。
上巻で危うく離脱しそうになりましたが、読みきってみれば医療系もファンタジーもミステリーも堪能させていただきました。
タイトルが「ムゲンのI」とされている意図も、最後まで読みきることでわかるとおもいます。 -
ずっと感じていた違和感…
その違和感がだんだん強くなっていく。
主人公の成長とともに、進んでいく話をスラスラと読めていたはずなのに…
違和感の正体の先の現実に衝撃を受けたけど、最後まで楽しく読むことができました!
著者プロフィール
知念実希人の作品






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