背中の蜘蛛

著者 :
  • 双葉社
3.56
  • (40)
  • (188)
  • (153)
  • (24)
  • (6)
本棚登録 : 1232
感想 : 167
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575242140

作品紹介・あらすじ

東京・池袋で男の刺殺体が発見された。捜査にあたる警視庁池袋署刑事課長の本宮はある日、捜査一課長から「あること」に端を発した捜査を頼まれる。
それから約半年後――。
東京・新木場で爆殺傷事件が発生。再び「あること」により容疑者が浮かぶが、捜査に携わる警視庁組織犯罪対策部の植木は、その唐突な容疑者の浮上に違和感を抱く。そしてもう一人、植木と同じように腑に落ちない思いを抱える警察官がいた。捜査一課の管理官になった本宮だった……。

感想・レビュー・書評

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  • 4.0
    ジウシリーズを思い出させる様なグロい描写もありましたが、ジウで慣れたのでそこは大丈夫でしたが、今回はネットの話でネットの怖さをあらためて思い知りました。
    もちろんフィクションですが、すべて架空の話でもないだろうなという思いもあります。
    サイバー犯罪自体はたくさんありますし、
    巻末の参考文献の多さにはビックリしました。それと同時にこれだけ参考に出来る文献が出ていると言うことは、半ばあり得ない話でもないんだろうなと思い、怖くなりました。悪いことをしていなくても、何かに巻き込まれたり、悪者に仕立てられたり、ネットという目には見えにくい世界が今後どんどん進み、どこに向かっていくのだろう。いずれ全ての人々が監視される社会はそう遠からず来そうな気もします、、
    面白かったけど、真面目に働くのがちょっと虚しくなる様な話でもありました。

  • ★3.5

    東京・池袋の路上で男の死体が発見された。目撃者もなく捜査は難航、
    捜査にあたる警視庁池袋署刑事課長の本宮はある日、
    捜査一課長から「あること」に端を発した捜査を頼まれる。
    「あること」がきっかけになり捜査が急転。
    それから約半年後―。
    東京・新木場で爆殺傷事件が発生。
    再び「あること」により容疑者が浮かぶが、捜査に携わる警視庁組織犯罪対策部の植木は、
    その唐突な容疑者の浮上に違和感を抱く。
    そしてもう一人、植木と同じように腑に落ちない思いを抱える警察官がいた。
    捜査一課の管理官になった本宮だった…。
    「あること」とは何なのか?池袋と新木場。
    二つの事件の真相を解き明かすとともに、
    今、この時代の警察捜査を濃密に描いた驚愕の警察小説。


    第一部の裏切りの日では、池袋で男性の刺殺死体が発見された。
    捜査が難航する中、捜査一課長から殺された男の妻の過去を調べる様に命じられる。
    命令系統から外れた指示だったが、それによって事件が解決する。
    捜査一課長の命令が何だったのか…?
    疑問が解かれぬまま第二部の顏のない目…次の事件が始まる。
    こちらもあるタレコミによって容疑者が早々にあがる…。
    その情報の出所が不鮮明すぎる。
    ここまでは、次々と事件が起こり、警察の捜査の様子。
    特捜本部の息詰まる様な様子。捜査員の心情などとても緻密に描かれていた。
    大きな謎を胸に抱えたまま、何だか上手く入り込めず胸が詰まる様な
    何とも言い難い感情を抱いて読み進めていた。
    第三部の蜘蛛の背中で、ふたつの事件の裏の真実を追う本宮と植木の様子や、
    本宮の後輩の警視庁総務部情報化運用三係の上山の様子。
    それとは別に警察とは関係なく、壊れてしまった男と
    とても貧しく苦しいいき方を強いられている姉弟との友情が描かれていた。
    そのバラバラだった三つのお話が絡まり始めて頁を捲る手が止まらなくなりました。

    そうだったのかと、胸のつかえは取れましたが…。
    今の日本・今の世界…とっても怖すぎる世界になってしまっていたんだと
    知らされました。
    情報管理・監視社会…。
    今現在、既にこの物語の様に警察はなっているのかな?
    それとも近未来を描いているのかな?
    警鐘を鳴らそうとしているのかな?
    この巨大なシステムを扱う人間がとても大切だと思った。
    歪んだ正義を持った人がここにいると怖すぎます。
    それを扱う人間は高潔な人てあって欲しい!

    必要悪なのかな。
    どこか他人事の様に思えるのは、自分は国家から調べられる
    対象ではないと思っているからかな。

    帯にも「読後、あなたはもうこれまでの日常には戻れない」と、
    とても怖い言葉が書かれていましたが、今更パソコンもスマホも手放せない

  • 題名からして、おどろおどろというか気持ち悪い。
    でもこれはスパイダーというネット盗聴機器のバックドアみたいな話から来た題名。
    警察の犯罪調査も色んな意味で曲がり角に来ている。
    ネットやディープサイトとか、仮想通貨とか、今までの手法では探知できない闇の中で蠢く犯罪を、どう摘発するか?
    警視庁では新たな機器を用いた運用第三係という部門を設置して、ネットから拾った情報を捜査本部に「タレコミ」という形で情報提供する。
    そんな不自然な情報に疑問を感じた本宮警視(池袋の刑事課長>本庁一課の管理官)が、その絡繰りを手繰り寄せる。
    その一方で深層ドロドロ情報に精神を病んでしまった元警官が引き起こす事態。
    なんだろうな?ちょっと散漫な感じ。なんか色々な要素が入っていてイマイチフォーカスが当てにくい感じだったなあ。
    ま、でもよく読ませるモノに仕上げている。振り返るとアレコレ思うことは有るけど、読んでる間は夢中になって読んでたな。

    作品紹介・あらすじ-------------------
    東京・池袋で男の刺殺体が発見された。捜査にあたる警視庁池袋署刑事課長の本宮はある日、捜査一課長から「あること」に端を発した捜査を頼まれる。
    それから約半年後――。
    東京・新木場で爆殺傷事件が発生。再び「あること」により容疑者が浮かぶが、捜査に携わる警視庁組織犯罪対策部の植木は、その唐突な容疑者の浮上に違和感を抱く。そしてもう一人、植木と同じように腑に落ちない思いを抱える警察官がいた。捜査一課の管理官になった本宮だった……。

  • 東京・池袋路上での死体が発見される。半年後、今度は新木場で爆弾事件が起こる。どちらも出所不明の情報により捜査が急展開する。捜査一課の管理官本宮は偶然にも二つの事件に接しており、引っ掛かりを覚え、事件の真相とともにその引っ掛かりの影を追う。
    第162回直木賞候補作品
    情報の裏にあるモノを追う本宮、そして、情報を扱う部署にいる上山との絡み合い、そして本当にありそうな情報収集手段、集中して読めました。誉田さんならではのグロテスク過ぎなところもないし、これからの警察捜査への警鐘、読み応え充分。どんなに技術が進もうとも人間の心がブレーキをかける、人の力を信じたい。

  • 近い将来、警察が直面するであろう事態を予測しながら描かれたであろう作品です。
    誉田さんらしく人間としての刑事が主役ですね。

    第一部、第二部ではモヤモヤした気持ちになりましたが、第三部のための話をここまで描いているのは、丁寧に背景を説明しないと、表面だけの話で終わってしまうからだなぁと思いました。

    コンピーター・システムに携わる立場から見ると、いろいろ突っ込みどころ満載ではありますが、物語としては楽しめました。
    でも、メタデータの説明は納得できない事項でした。


  • 内容紹介 (Amazonより)
    ついに、ここまできた――。前人未到、孤高の警察小説が誕生した。
    東京・池袋の路上で男の死体が発見された。目撃者もなく捜査は難航、しかし「あること」がきっかけになり捜査が急転。
    それから約半年後。東京・新木場で爆殺事件が発生。こちらもな捜査はなかなか進展しなかったが、「あること」が転換点となり容疑者が浮かぶ……。
    捜査に携わる管理官を中心に、新時代の警察捜査を濃密に描く。著者史上、もっとも尖った警察小説。





    久しぶりの誉田哲也さんの作品です。
    登場人物が多くて どの事件がメインなのか途中でわからなくなってしまってました。
    スノーデン事件の事は映画を観て知っていたので その時はネットは怖いと思いつつも未だやめていない自分がいます。
    不思議なのが 映画を製作したのはアメリカでちゃんと日本でも公開出来てることが 私には???って思うんですよね。
    事実なら公開なんて出来ないんじゃないかと思うんですが...でもあり得るとも思ってしまうんですよね。
    後半はもう誉田ワールド全開って感じの胸糞悪い気持ちでいっぱいでした。

  • 著者には珍しい東野圭吾風理科系サスペンス、とは言ってもそんなに近未来でもなくもう既にチャイナでは行われていそうなサイバー監視の話。しかしこれまで反対されてきた監視ビデオによる犯罪捜査が当たり前のことになってしまった現在、サイバー監視だって国民認知の捜査手法と認められてしまうのかも。しかしそれを扱う人間は高潔な者でなくてはならないだろう、本作で登場した国家権力を勘違いした奴が出てくれば物語のような悲劇も起こりうるかもしれない。しかし日本人の情報はアメリカ全て持っており日本人の背中には蜘蛛が張り付いている。

  • ITを使って、あらゆるメタデータを使って犯罪の予防、または犯人を予想するスパイダーを運用する、運三、この部署は非公開かつ、合法でもない秘匿部署だが、これは必要悪なのか?

    プライバシーはあってないようなもの。

    この話はフィクションだが、ノンフィクションでもおかしくない怖い話だ

  • ブクログのレビューはイマイチだったが、帯に惹かれ、買ってしまった。
    第1章、第2章は全く別の登場人物による別の事件が描かれ、「ちょっと失敗したかも」と思ったが、第3章でタイトルでもある「背中の蜘蛛」に入ると、展開がガラッと変わった。
    捜査一課管理官の本宮と、組織図にも載らない「運三」の係長に抜擢された上山の二人を中心に物語が進んでいく。
    犯罪の巧妙な手口、プライバシーの可視化など、警察捜査を取り巻く環境は大きく変わっている。
    その中で防犯カメラや、通信の傍受などは、やはり捜査の過程では必要悪にならざる得ないことを考えさせられる。
    これまでは、人間臭い警察小説が多かった作者が、知的犯罪を描く違和感は少しあったが、帯にあるように読み終わった後に、いろいろ考えさせられる内容ではあった。
    それにしても。
    本宮の性格が最初と最後で、随分変わっているのが、すごく気になったのは私だけだろうか??

  • 情報管理社会の問題提起。単に是非の問題ではなく、運用する側のメンタルにも焦点をあてている。管理するのもされるのも人間だということだ。

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著者プロフィール

誉田哲也

一九六九年東京都生まれ。二〇〇二年『妖の華』で第二回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、〇三年『アクセス』で第四回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』『歌舞伎町ゲノム』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から始まる〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズがあり、映像化作品も多い。『妖の掟』『オムニバス』ほか著書多数。

「2021年 『歌舞伎町ゲノム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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