卒業タイムリミット

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575242270

作品紹介・あらすじ

私立高校で人気女性教師が誘拐され、72 時間後に始末するとネット動画で予告された。3年生の黒川のもとに「誘拐の謎を解け。真相は君たちにしか分からない」と挑戦状が届く。仲間になったのは、体育会系男子、学年一の美女、そして幼馴染みの優等生。4人は事件を解決できるのか? 『このミス』大賞出身作家が送る青春の光と影を描いたタイムリミット・ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  •  高校の人気女性教師が拉致監禁された。72時間後(卒業式当日)に始末するとネットに動画がUPされる。そして3年生の不良男子、サッカー男子、ミスコン女子、優等生女子の4人に挑戦状が届けられる。この4人は、いづれも過去に教師との間に何かあったよう。冒頭や作中にはさまれる「告白カード」に書かれた内容でそれらが次第に明らかになってくる。WHO?, WHY?

     初めて読む作家さん。東大法学部卒か。ちょっと重めの青春ミステリー。面白くて一気に読んでしまった。けど、犯人の動機などはツッコミどころ満載だな。偶然も多すぎるし。読者を騙す手口も、どこかで読んだよこれ。
     犯人はダークサイドに堕ちてしまったが、卒業した4人の未来が明るいものであることを願わずにはいられない。

  • 卒業式の3日前、生徒に大人気だが同僚からはうーんな私立高校女性教師水口の拉致監禁事件がネットでの公開で発覚した。同時に卒業間近の元不良黒田と同級生4人に犯人から「誘拐の謎を解け。真相は君達しか分からない」と挑戦状が届く。4人は72時間と設定されたリミット内に真相に迫れるのか?黒田が信頼する教師も巻き込んで普段交流のない不良·文武両道·ミス高校の美少女·学年一の才媛とタイプの違う4人が謎に迫るうちにだんだん打ち解けていく明るい展開の裏で「告白カード」でそれぞれ水口や容疑の濃い教師達との確執が語られる度に怪しい人が増えていきどんどん読ませる。犯人あっさり見つかったな、と思ってからの実は…で始まる伏線回収が綺麗に決まってる。色々苦く残るが爽やかな終わり方に持っていったので読後感は良かった。

  • 私立欅台高校では、「一人一人に居場所を」という小菅理事長の教育理念のもと、「告白カード」の記入と、全生徒と理事長の個別面談が行われて、生徒たちは息苦しさを感じていた。卒業式を控えたある日、英語教師・水口里紗子が誘拐され、72時間後に始末するとネット動画で予告される。そして、四人の生徒に挑戦状が届いた。

    「告白カード」と誘拐事件の捜査が交互に描かれている。登場人物は多そうで限られており、正統派ミステリ。

    理事長の崇高な理念は悪くないけれど、実現したいなら、まず教員の質をあげるべきだろうに。生徒と個別面談する前に、教員と個別面談して本質を見抜いてくれ、と思ってしまう。

  • 不登校で不良仲間とつるんでいた黒川は、担任の新任教諭の熱意で卒業できることになった。卒業式まであと3日という時に、派手で教諭らしくないと評判の英語の女性教諭が監禁されている動画が学校に送られてくる。そして黒川と他3人の三年生に犯人から挑戦状が送られてきた。何の繋がりもない3人は、なぜ選ばれたのか。教諭を助けることはできるのか。

    いろいろ突っ込みたいところは無いわけではないけれど、最後はまぁ良しとしていいかなぁ。

  • やっぱ、この作家さん頭いいな。
    楽しく手のひらで転がされました。

  • 登場人物たちが頭の中で動き出すような文章。ぜひ実写化してほしい話でした。高校生が主人公なので、やはり大人にはちょっと物足りないかも。

  • 卒業数日前に、一教師が監禁された。
    改心した黒川のもとに挑戦状が届く。
    同じく届いた3人と共に犯人の特定を急ぐ。

  • 帯に惹かれて購入。
    女性教師が誘拐されて、72 時間後に始末するというネット動画が発信されました。その後、主人公のもとに「誘拐の謎を解け。真相は君たちにしか分からない」という挑戦状が届きます。指定されたところに集まってみると、何も共通点がない、クラスもバラバラの4人の高校生たち。果たして、教師を救うことはできるのか?犯人は誰なのか?というストーリーです。
    誘拐事件ではありますが、そんなに重い雰囲気ではなく、青春ストーリーを前面に出している印象でした。時折登場する、ある高校生たちの告白が、最初は何を表現しているのか気になっていました。段々と真実が分かってくると、その意味が分かってくるかと思います。

    犯人は誰なのか?疑っては違い、疑っては違いという繰り返しで、犯人も意外な人でした。ただ、そこからの告白以降が、前半とはうってかわって、重いストーリーでした。その気持ちの落差に「何?この展開」と思わず、思ってしまいました。そのあとの結末は、明るい感じで終わりましたが、その直前まで、色々なことが起きたので、素直に爽やかな気持ちには、なれなかった印象でした。
    全体としては、偶然のことが多すぎて、よく出来た話だなと捉えてもおかしくないかなと思いました。
    作者の作品は初めて読みましたが、わかりやすく、ライトノベル寄りの雰囲気が醸し出されていて、グイグイ引き込まれました。

  • 秀逸だった。
    話の整合性がきれいにとれていて読後感が良かったです。

    終盤まで大きな展開がなく少しだれた感じがあり少し惜しいなと思いました。

  • 女教師が誘拐され、その誘拐犯に招集された4人の高校生。犯人を特定するべく奮闘する高校生たちだが、それぞれ隠してる事情があり、、。

    さらさら読めてそれなりに面白かった。犯人も最後まで分からなかった。けど個人的にはもうひとひねり欲しかった。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。東京大学在学中の2014年、「夢のトビラは泉の中に」で、第13回『このミステリーがすごい!』大賞《優秀賞》を受賞。15年、同作を改題した『いなくなった私へ』でデビュー。21年、『十の輪をくぐる』で吉川英治文学新人賞候補、『トリカゴ』で大藪春彦賞受賞。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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