内角のわたし

著者 :
  • 双葉社
2.83
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本棚登録 : 271
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575246148

作品紹介・あらすじ

若くて可愛い女の子、いつまでそう扱われるの? 愛され守られたい、自立し強くありたい、無関心で平穏に過ごしたい――3つの本心に引き裂かれながら、社会が望む女性像に擬態して生きる森。その異質な気配に気づいた職場の同僚に声をかけられるが……。一人の女性が見つめる世界の歪みと、その先の希望を克明に描いた物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「好きと似合うがイコールじゃなくなったら死んだほうがマシ」
    と混乱する “サイン”
    「だったら死ねばっ」
    と毒を吐く “コサイン”
    「いやそれうちらも困るやん」
    と茶々を入れる “タンジェント”

    駅前のファッションピルに入っているショップで、洋服の試着をしている場面から始まる。

    え〜〜(⁠@⁠_⁠@⁠)
    サイン・コサイン・タンジェント
    って、高校の時に苦戦した三角比!?
    頭の中が苦手意識でいっぱいになる。

    でも数学嫌いの皆さん、安心して下さい。
    数学の話ではありません(笑)

    主人公は、理不尽な事だらけの世の中を懸命に生きる女性、森ちゃん。
    変化し続ける社会に対応し、女性である自分を守るため、3つの人格を作り、毎日を何とか乗り切っている。
    苦しみながら……

    きっと誰しも森ちゃんのような苦しさを、自分の内側に抱えているものかも知れない。
    自覚があってもなくても。
    それを声にしてくれた作品だろう。

    苦しい感情をコミカルに描いているが、結構読みづらかった。
    嫌な男たちが何人も登場するので、気持ちがザラザラするし。
    でもラストは森ちゃん自身が変化していき、前向きな気持ちになれてホッとする。

    • かなさん
      aoi-soraさん、おはようございます!
      私、数学苦手なんで
      レビュー読んでドキドキしちゃいました(^-^;
      手にするには
      ちょっ...
      aoi-soraさん、おはようございます!
      私、数学苦手なんで
      レビュー読んでドキドキしちゃいました(^-^;
      手にするには
      ちょっと勇気のいる作品だと思ってましたよ…。
      2023/11/22
    • aoi-soraさん
      かなさんも数学苦手ですか
      仲間です(笑)
      「内角」なんて、野球のインコースしか頭に浮かばなかった(^^ゞ
      この本は数学じゃないんで、大丈夫で...
      かなさんも数学苦手ですか
      仲間です(笑)
      「内角」なんて、野球のインコースしか頭に浮かばなかった(^^ゞ
      この本は数学じゃないんで、大丈夫ですよ~
      でも最初の方は、頭がこんがらがって読みづらかったなぁ…
      2023/11/22
  • 森ちゃんの内側に住んでいるサイン、コサイン、タンジェントの3人が脳内会議を開き外界を測りにかける。
    うぁー、三角関数とか無茶苦手なアレルゲンなんですけど。呼吸できなくなるんですけど、保健室行っていいですかっていいたくなる感じに読みづらかったんですが次第に慣れてくると、可愛いが大好きで愛想ふりまくサイン、勝気で毒舌おばさん入ってるコサイン、日和見主義でやりすごすタンジェント、内角に守られて自分を形成してる森ちゃんは、他人からの無自覚な悪意や好意からも傷ついてしまう知覚過敏で許容量超えるとフリーズしてしまうこともあったりで、女の子って器から抜けきれないでいる。
    歯科助手の先輩には、毅然として隙のない「直線」と女の魅力を武器に生きる「曲線」がいるけどどちらにもなりきれない森ちゃん。
    スマホの育成ゲームのなかに居場所を見つけたり、新人君と共通点をみつけたりしながらも違和感が襲ってくる。女編の付く漢字は何故か嫁に媚、嫉妬と蔑んだイメージを連想させる被害妄想ぶり。多様性とか弱さを盾にするとか、自覚なしで加害者になってることには気づかないところは死角だったりだけど。髪を切っても、機種変しても、思考はぐるぐる回って三角形の内側からは出られないのか、前を見て歩きだせないでいる自分。なんだか生きづらさを感じさせる作品でした。

  • 他人からどう見られるか? どう振る舞うのが最適か? 望まれる自分を演じることに疲れてしまったあなたに送る物語 『内角のわたし』伊藤朱里|ブックレビュー|COLORFUL(2023.3.2)
    https://colorful.futabanet.jp/articles/-/2049

    「内角のわたし」書評 かわいく強く平穏に生きる困難|好書好日(2023.05.13)
    https://book.asahi.com/article/14906407

    home | kfkx
    https://www.kashiwaikfkx.com/

    内角のわたし - 伊藤朱里 (単行本) | 双葉社 公式
    https://www.futabasha.co.jp/book/97845752461480000000?type=1

  • 何も知らずに読み始めたときは、3人いると思ったらこれ、みんな主人公の人格なのね。って感じで最初は読みにくかったー。

    そこに理解が追いついてからはサクッと読めました。サイン、コサイン、タンジェントの3つの人格がバランスをとって生きている主人公。そこから浮き彫りになるのは、女性という性が直面する理不尽さや不条理さ。

    物語で女子高生が電車でおじさん?に怒鳴られるシーンに主人公が居合わせる場面が妙に印象に残っている。そこで思い出したのはかつてバイト先の店長に言われたひとこと。

    「もし、事故があったときは迷わず警察を呼びなよ。〇〇ちゃんは女だからってことでナメられることもある。だから警察を呼んできちんと対応してもらいなさい。」

    当時の私はなんで?って思ったけど、大人になるにつれて、女ってだけでナメてもいいって思う人は世の中にたくさんいるんだなぁということも学びました。

    あー生きづらい生きづらい。

  • なんと表現していいのか。主人公の気持ちが痛いほどわかるし、敏感すぎにも思えるし、若さやかわいいさを重要視させらてきた過去の自分にもシンクロして、それが彼女の中の3人の意識と同化してざわざわします。加害者が「年配の男性」とも限らない、被害者が「若い女性」とも限らない、自分が被害者と思っていても加害者であるかもしれない。そして至る所にそれらは存在して"つぎたしのタレ"のようになくならない。そんな世の中はなんて生き難い。主人公がたどり着く、とにかく考えることをやめないことしかできないのかもしれない。感想をうまく言うことが難しい小説ですが、喉に小骨が引っかかったような読後感が残る小説でした。

  • 死ぬまで自問自答して、自分の中でああでもないこうでもないを言い合っていくのだろう。
    自分を甘やかす声と糾弾する声、その他いろんな声と仲良く向き合っていかなきゃならない。

  • 自分の中に3人いて、それを見ている感じ、懐かしい。おばあさんの話、こういうの説得力があるからすごい。

  • 多様性では片付けられない生きづらさをより感じる。多様性という言葉が広まるほどに、多様性がまるで万能である言葉のように使われていると思う。当たり前に万能であるはずはなく、多様性なんて言葉で全てが解決されるはずなんてもちろんない。
    自分の絶対的正義のために他人を道具として利用する快楽には、利用される側としての不快感にも、利用する側の快楽の享受にも実感がある。
    その凶暴性を伴う快楽がある限り、理不尽で不条理なこの生きづらさも永遠に続いていく恐怖がある。

  • 私の中にもサイン、コサイン、タンジェントいるなと思いつつ、途中でお腹いっぱいになり返却。

  • 言わんとすることはわかる。
    女の子の話。自分の考えていることはしっかり伝えましょう!ということ。

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著者プロフィール

1986年、静岡県生まれ。2015年、「変わらざる喜び」(「名前も呼べない」に改題)で、第31回太宰治賞を受賞。他の著書に『稽古とプラリネ』『緑の花と赤い芝生』『きみはだれかのどうでもいい人』『ピンク色なんてこわくない』がある。

「2022年 『名前も呼べない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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