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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784575247831
作品紹介・あらすじ
物語のラストでこれまでの景色が一変する「どんでん返し」。そんな短編を5つ、収録しました。――家に帰宅すると、なんと男が死んでいた……「妻は嘘をついている」。人気ロックバンドの新曲MVに出演したことで、日常が嫌な方向に向いていく……「まだ間にあうならば」など、心地よさも心地悪さも味わえるミステリ短編集。著者のヒット作『最後のページをめくるまで』『あなたが選ぶ結末は』も合わせて読みたい一冊です。
感想・レビュー・書評
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あなたにも身に覚えがあるかも… 嘘の動機を徹底的に描いたミステリ短編集 #その嘘をなかったことには
■きっと読みたくなるレビュー
嘘をテーマにしたミステリー短編集です。何処にでもありそうな日常を切り取った物語ばかり、めっちゃ身近なところが怖いんすよね。
本作一番の強みは嘘の「動機」ですね。嘘をつく理由って、何か醜い欲望を隠すためなんですよね。隠し事、虚栄心、保身、独占欲、復讐など、嘘の本質を見事に描いてます。自分にも身に覚えがある気がするー、うんうん。
どの作品にも意外な真相が組み込まれていて、そのままショートドラマになりそうで。イヤ~な気分になりながらも、しっかり楽しませていただきました!
●妻は嘘をついている【おすすめ!】
会社経営者の妻とその会社に経理として勤める夫、ある日自宅で見知らぬ男の死体が見つかる。空き巣の最中に病死したとのことだが、夫は真相は妻の浮気ではないかと疑り…
これこれ!現代のダメ男っぷりが良く描けてますね~、大好きです。自分では頭が良いと思っていて、頭が良いふりをする典型。何も成し遂げずにプライドだけ高い奴。いるいるー
同僚の恵麻に対する自分勝手な妄想がキモすぎるんだよね、気持ちは分かるんだけど甘えすぎ。
●まだ間にあうならば【おすすめ!】
人気バンドのファンで駆け出し俳優の美南。そのバンドのMVに出演したことをきっかけに友人やファンとの関係性も変わっていく…
人間の汚い部分が出ていて最高。私、世の中で一番の汚物は嫉妬だと思うんですよ。そして推し活って尊い活動みたいに脚光を浴びてるんだけど、愛情の反対側には憎悪があることを忘れてはいけないよね。
●三年二組パニック
高校の卒業式前日、三年二組に仕返しをしてやるという噂があった。担任の先生がクラスの生徒たちに聞き取り調査するのだが…
あまりの真相に愕然としましたね、読書しながら「サイテー」と声にだしてしまったのは生まれて初めてです。
●家族になろう
義理母が亡くなり、実家の片づけを手伝うことに。義理父と母の手紙が出てきて…
家族関係の厭らしさを緻密に描いてますね、義理父と母、妻、夫、兄妹、それぞれの立場がよくわかる。終始嫌な気持ちで満載なんですが、ただ長い人生、簡単なことばかりではないよなーと同情もしてしまう。
●あの日、キャンプ場で
大学の映画サークル、キャンプ場で撮影しながらアウトドアを楽しんでいた。アイドル顔でありながらも我が儘な千鶴は仲間たちに冷たくされ、キャンプ場から帰るときに置き去りにされてしまった。二日後、千鶴が死体で発見されてしまい…
いいねー、出てくる登場人物、全員大嫌い。そりゃ、こんなことになるわ! と言いたい。目的達成のためなら何でもやっていいという、現代のありがちなバランス崩壊した価値観。嫌いだわー。あ、作品自体は大好きですよ!
人間の厭らしさを、しかと体験させてくれる本作、面白かった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間は、都合が悪くなると、嘘をつく。
《妻は嘘をついている》
ある日、夫が帰宅すると、見知らぬ男が死んでいた。仲の冷えた夫婦の其々の思惑。
《まだ間に合うならば》
売れない女優が、人気ロックバンドのミュージックビデオに出たことで、ネットリンチに会う。
《三年二組パニック》
高校の卒業式で、「誰かが、誰かに仕返しをする」と言う噂を聞いた、担任が真相を探るが。
《家族になろう》
義母が亡くなり、遺品整理をする夫。その遺品の中で見つかった、恐ろしい物。
《あの日、キャンプ場で》
大学の映画研究会が、撮影の為、キャンプした時に、仲間が、事故で死んだ。
私的には、《家族になろう》で、義母が抱えていた、恨み故の嘘が、「ひゃー」と一番怖かった。残された夫婦のその後は、一体どうなるのだろう。 -
5作の短編集。
サクッと読める、ミステリーでした。
タイトル通り「嘘」がキーになっています。
嘘をつくとその場は乗り越えられるかもしれないけど、いつかバレるのではないかとドキドキとした嫌な気持ちを持ち続けるはめになります。
ついてもいい嘘もあるとは思いますが、できるだけ誠実でありたいと読んでいて思いました。
好きだったのは「あの日、キャンプ場で」
まさに、ついていい嘘とついてはいけない嘘の象徴作品。物語の結末の先が知りたい! -
今、出張で東京に来てます
ど田舎から大都会に来てます
羽田空港すげぇー!
ビルたけぇー!
人多ーっ!
東京!Σ(゚Д゚)
田舎っぺ丸出しですみません(^.^;
明日もう一日東京で夜にはど田舎に帰ります
今日一日疲れたので、本のレビューはこれで勘弁してくださいm(_ _)m
どーーーん
でーーーーーーん
返しぃぃぃぃぃーーーっ!
┻━┻ミ\(≧ロ≦\)
の短編ですw-
mihiroさーん
ありがとうございます!
無事に帰ってきました<(`・ω・´)
疲れが取れたら本のレビューは真面目に書こうっと!
(いつ...mihiroさーん
ありがとうございます!
無事に帰ってきました<(`・ω・´)
疲れが取れたら本のレビューは真面目に書こうっと!
(いつものように…)2025/02/13 -
土瓶師匠
レビューにキレを出すためにどんどん出張に行かせてくれ!って会社に交渉しておきますw
東京はなかなか行く機会がないのでゆっくり都会...土瓶師匠
レビューにキレを出すためにどんどん出張に行かせてくれ!って会社に交渉しておきますw
東京はなかなか行く機会がないのでゆっくり都会を楽しみたいですね
それも、会社に交渉しておこーっとw2025/02/13 -
aoiさん
疲れました〜(;´д`)
けど、楽しかったです!
お土産は空港で買うことになりましたが、喜んでましたよ^_^
けど、東京ずるい...aoiさん
疲れました〜(;´д`)
けど、楽しかったです!
お土産は空港で買うことになりましたが、喜んでましたよ^_^
けど、東京ずるい、行きたーい、と羨ましがってましたw2025/02/13
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「王様のブランチ」で、たまたま本作が紹介されていたこともあり、気になって手に取りました。ミステリー短編集のライトなイヤミスという感じで、なかなか面白かったです。
以下あらすじです。(Amazonより引用)
物語のラストでこれまでの景色が一変する「どんでん返し」。そんな短編を5つ、収録しました。――家に帰宅すると、なんと男が死んでいた……「妻は嘘をついている」。
人気ロックバンドの新曲MVに出演したことで、日常が嫌な方向に向いていく……「まだ間にあうならば」など、心地よさも心地悪さも味わえるミステリ短編集。
個人的には「妻は嘘をついている」が、好みだったかなと思います。少し疑問に残った箇所はありますが、本作の中では1番予想が立ちにくかったこともあり、この短編を好みとして選びました。 -
嘘だらけの5つの短編集
個人的には「妻は嘘をついている」が好きですかね。
ただ、全ての作品が人間の汚い部分が露わになっているので、
少し重い感じがしました。
短編なので、少しずつ読みたい方にはいいですが、やはり心が重くなります。
僕自身は、少し苦手な作品でした。 -
第一話の衝撃的な展開には、思わずゾッとしてしまいました。同時に、登場人物の男性の浅はかな行動には、何とも言えないというか、男って馬鹿だなと…
人間の心の複雑さと脆さ。
誰もが抱える嘘、勘違い、思い込みが、時に人を傷つけ、破滅へと導く。
それぞれの物語に散りばめられた人間の業のようなものが残ったな。 -
水木さんの作品、読むの二作目。
『最後のページ…』よりは少しソフトで読みやすく面白かったです。
1から5まで順に重くなっていく感じ。
イヤミス好きな人にはオススメ☆
■それぞれのあらすじ、【読んで思った一言】
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1.妻は嘘をついている
妻の不貞を疑っていたが、自分が会社の後輩に興味を抱いているのを妻は気づいていた。
ある日、妻が出張に後輩が自宅に訪れ、カレーを振る舞ったが…。【人を呪わば穴二つ】
2.まだ間にあうならば
推しのアイドルグループのオフ会。
自身が推しのプロモに参加したことから周囲の目線が変わってきてSNSも炎上に…【疑心暗鬼】
3.三年二組パニック
卒業式前日、誰かに復讐をするという噂がたつ。
副担任だった僕は空回りしながらも、生徒たちに連絡を取り合うが復讐相手は…【口は災いのもと】
4.家族になろう
義父に猛反対されながら、駆け落ち同然で結婚。
子ども授かり幸せの矢先、義母が亡くなる。
亡くなった義母の自宅から昔の手紙が出てきて…
【遠回しの復讐】
5.あの日、キャンプ場で
同じ映研サークルの部員がキャンプの帰りになくなった。女子全員から疎ましく思われる存在であり、腹いせに置いて先に帰ることに。事故死だと思っていたが、部員それぞれボロが出てきて…【真実が正義とは限らない】 -
短編集いくつかの種類読ませていただきましたが、今回はどれも当たりって感じでした。
最後の最後でひっくり返さたり、驚かされたり、ゾクッとさせられたり。
短編なので2度読みしやすいです。 -
登場人物の誰かが嘘をついており、最後に種明かしされるという、ミステリ短編集です。
読後感からすれば、イヤミスと言ってもいいかもしれません。
確かに、ああそれが真相なのねとは思いますが、どんでん返しとも思えず、しっくりもせずのお話が大半でした。 -
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嘘や隠し事が共通テーマの短編5つ
どんでん返し!という感じではないけど、最後まで毒がじわじわ効いているイヤミスな雰囲気
意図的に他人を騙そうとする嘘もあるけど、社会生活を送る中では"自衛のための嘘"に出くわすことが多い気がしていて
それは都合の良い解釈や認知を歪ませることで、自分にとっては嘘でなくなる(自覚のない嘘になる)こともある
そうすることで「嘘をついている」状態の気持ち悪さからは逃れられるけど、相手がいる場合はその相手の解釈までは手出しできないわけで
LINEの誤送信を自分の画面から消しただけ、みたいなより気持ちの悪い状況も生むよなぁと思った -
全ての話がモヤモヤするー!
特に最初の話は意図が全く分からん。
最後の話の『誰かを罪に問いたいという欲求は、無関係な人をこんなにもいい気持ちにさせるものなのか』って最近のSNSによく見られる怖い部分だよなー。 -
※
01 妻は嘘をついている
02 まだ間にあうならば
03 三年二組パニック
04 家族になろう
05 あの日、キャンプ場で
意図的につく嘘
心のある精一杯の嘘
無自覚な嘘
積もり積もった年月のある嘘
ついた後に際限なく苛まれる嘘
嘘と聞くと、どうしても後ろ向きの感情を
想像せずにはいられなくなる。
そんな、どこか後ろ暗い思いを想像させる
嘘にまつわる5話。
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2025.07.09
さまざまなバラエティーに富んだ作品の集まり。
ネタバレしない範囲で私の考えは、「その手紙は開かない」「それ以上触れない」
世の中、知らなければよかったということばかりだから。 -
「妻は嘘をついている」「まだ間にあうならば」「三年二組パニック」「家族になろう」「あの日、キャンプ場で」5話の嘘にまつわる短編集。どちらかといえば、嫌ミス。やっぱり嘘はよくないですよ。
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5つの短編から成る小説です。
それぞれの物語には日常の中に潜む不穏さや、人間の内面にある嘘や秘密が描かれており、読んでいて思わず引き込まれるような雰囲気がありました。
ストーリーの設定やテーマ自体はとても私好みで、読む前から期待していたのですが、読み終えた後には、どうしても拭いきれないモヤモヤが残ってしまいました。
その理由のひとつが、どの短編も「結末」が描かれていないことです。
物語が盛り上がってきたところで、突然プツンと終わってしまう。
まるで、話の途中で誰かに本を取り上げられたような気分でした。
まさに「尻切れトンボ」という言葉がぴったりで、「え?ここで終わり?」という戸惑いが何度もありました。
また、物語がすべて主人公の主観で進んでいくため、読んでいる側は事実が分からず、誰が本当のことを言っているのか、何が嘘なのかが見えてこないのです。
その曖昧さが作品の魅力なのかもしれませんが、私にとっては逆にストレスになってしまいました。
読者に考えさせるスタイルは、もちろん悪くはありません。
でも、私は物語の中にある程度の答えや結末を見つけたいタイプなので、ずっと考えさせられるだけでは物足りなく感じてしまいます。
そんな中で唯一、短編「3年2組パニック」だけは、きちんと物語の結末まで描かれており、とても読みごたえがありました。
ストーリーの構成もしっかりしていて、キャラクターの心情にも共感でき、読後感もスッキリ。
まさにこの作品の中で一番心に残った短編でした。
もし他の短編もこのようにまとめられていたら、もっと満足度の高い一冊になっていたと思います。
全体としては、物語の雰囲気やテーマ性はとても好きでした。
だからこそ、「もう少しだけ解説があれば…」「せめて結末だけでも描いてくれたら…」という気持ちが強くなってしまいました。
惜しい、と感じてしまう作品です。
読者にすべてを委ねる形もひとつの方法ですが、読者の中には、私のように「導き」や「答え」を求めている人もいると思います。
読んでいて考えさせられる部分も多く、面白さは十分にありましたが、心から「読んでよかった」と思えるには、あと一歩何かが足りなかった。
そんな、惜しさと期待の入り混じる一冊でした。 -
嘘から始まり最後の一捻りで唸る。「妻は嘘を」と「家族になろう」(義母笑顔が意味深)が秀逸。「妻は嘘を」面識ない遺体。不甲斐ない主人公に罠。「3年2組」無自覚嘘は最悪。「キャンプ場」主人公の生死不明。
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#読了 #その嘘をなかったことには #水生大海
全5話の嘘にまつわるどんでん返し短編集。
第4話の『家族になろう』は、義母が死に疎遠だった妻の代わりに遺品整理をする夫。妻宛の紙の箱の中には…
どれもラストは驚き、サクッと読めるイヤミスです。 -
短編集
どんでん返し度の高さでは「家族になろう」が一番「うへぇ」と思った。
他は…そこまでどんでんとは思わなかったけど、面白かった。
なんとなく女性の強さとか強かさみたいなのが全編に漂っていて、男性は影が薄めに感じた。
「まだ間に合うならば」は「その嘘」がどの嘘なのか、ちょっとよくわからなかったなぁ…私まだまだだなぁ -
「その嘘を、なかったことには」できない5本の連作短編集。
どの話も独立しており、関連はないため、どこから読み始めてもOK。
どの話の嘘も、なかったことに…と軽く言えない嘘ばかりで、見えない悪意のようなものも感じられる。
真相がはっきり書かれない作品たちで、結局のところ「こういうことなのかな…?」という推測を、読者にさせるのだが、その推測のレベルが作品によって違っている。
ほぼ確証ありレベルのものから、「えっ、これはどういうこと…?」レベルの作品まであるので、本当に、作品によってモヤモヤ度が異なってくる。
特にモヤモヤ度MAXだったのは、ラストの【あの日、キャンプ場で】だった。
ラスト1行の意味が、点を打って強調されている単語が含む意味が、「えっ?そういうこと?」という方向ではなく、「はっ?どういうこと…?」という感じで、全くわからない。
主人公は一体、なにがしたかったんだろう…?とモヤモヤしてしまい、主人公の状況にも寄り添えず。
逆に、「この真相が本当だったら、キツすぎる」という話は、【家族になろう】。
これは、この真相が真実なら主人公には全く非がなく、両親の行いに巻き込まれた形で、今の関係性が崩れていくことが、切ない。
隠された男女関係は、当人を越えて悲劇を招く…
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