「落とし」の技術: いかにして、相手の本心を見破るか

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575296716

感想・レビュー・書評

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  •  先日読んだ『空気の読み方』の中で、取材の参考になる本として紹介されていたので、読んでみた。

     コメンテイターなどとしても活躍している元刑事の著者が、刑事時代の取り調べでいかに被疑者を「落とし」た(=自白させた)かを明かした本。

     被疑者との駆け引きには「心理戦」の趣もあって、読み物としてはそこそこ面白い。刑事ドラマの取り調べシーンなどよりも、もっと泥臭く人間臭いドラマが展開されるのである。

     しかし、著者が明かす「落とし」の技術が、ライターの取材やビジネスの交渉ごと、あるいは女性を口説き落とすテク(笑)に応用できるかといえば、かなり疑問。なにしろシチュエーションが特殊すぎるので、我々の日常とはかけ離れた世界であり、「これは使える!」という感じにはならないのだ。

     というわけで、実用書としては役立たずな本。単純に読み物として楽しむべし。

     ただ、かなりいいかげんなことも書かれている。たとえば――。

    《水玉模様のネクタイをしている被疑者は、「自己顕示欲が強い」という証拠。
     レジメンタル・ストライプが好みという被疑者は、「オーソドックスな感覚だが、少しレトロ派」。生き方をガラッと方向転換するのが苦手で、あまり変われないというタイプ。
     一方、あまり多くはないが、無地のネクタイが好きだという被疑者もいる。このタイプこそ要注意人物だ。(中略)犯罪者でいえば、用意周到、冷酷非道な犯罪を犯すタイプだ。》

     豊富な取り調べ経験から得た経験則なのだろうが、こんな占いまがいのくだりがあると、本書全体も眉唾で読みたくなる。

     本筋と離れた部分で興味深かったのは、「昭和の名刑事」として知られる平塚八兵衛(ちなみに、私は石川球太の劇画『ザ・のら犬』でこの人のことを知った)が、じつは取調室で被疑者に暴力をふるう常習者だったことを明かしたくだり。

    《平塚刑事の取り調べを受ける被疑者は、誰もが恐怖で顔面蒼白になって取調室に入っていった。そしてしばらくして部屋を出てきたときには、体のあちらこちらに殴られた痕を残していたのだ。》

     ううむ……。「なーにが名刑事だ!」という感じですね。

  • 図書館で借りました

  • さんまのほんまでっかニュースを見て著者の話が面白かったから借りてみたが…
    つまらん!
    随所に出てくる自分はいい男臭にうんざり。
    期待した私がバカでした。


    借りた所:川崎市図書館
    借りた日:2007/02/13-2007/02/27
    読んだ日:2007/02/13-2007/02/27

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著者プロフィール

東京都葛飾区に生まれる。祖父外科医、父内科医、母小児科医。早稲田大学卒業。在学中に1年間英国居住。商社を経て警視庁入庁。地域警察(交番等)、刑事警察(盗犯、暴力犯、強行犯等)、英会話能力を買われて公安外事警察(防諜、外国人犯罪、テロ、情報調査等)の捜査に従事。沖縄剛柔流空手6段。日本拳法3段。警視庁柔道2段。全国警察逮捕術大会の優勝チームのコーチを務める。(社)日本安全保障・危機管理学会の顧問、研究講座講師。日本経済大学大学院講師。漫画『まるごし刑事』原作者。
著書には『警察裏物語』(バジリコ)、『日本警察 裏のウラと深い闇』(だいわ文庫)、『悪の経済学』(KKロングセラーズ)、『心理戦で勝つ技術』(KADOKAWA)、『刑事捜査バイブル』(双葉社)、『警察・ヤクザ・公安・スパイ 日本で一番危ない話』『警視庁 強行犯捜査官』(さくら舎)など多数。

「2021年 『麻薬捜査の裏舞台』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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