- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575306873
新装版『坊っちゃん』の時代の感想・レビュー・書評
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カラー版は1冊でストップなのかな?
http://www.futabasha.com/botchan/
双葉社のPR(旧版)
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(新装版)
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明治38年、坊ちゃんを書こうとする漱石。いろいろな登場人物が出てきて楽しめるけれども、どこまでが創作? 坊ちゃんと近代日本がオーバーラップしているというテーマには、うなずかされた。
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2017年5月20日
ブックデザイン/日下潤一+浅妻健司 -
本日が命日。初めて知った漫画家さんです。小津映画みたいに尊敬されてるとは知らなかった。
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英国留学から戻った夏目漱石が、『坊っちゃん』を書き始めようとするとき。
夏目漱石の周囲の人々を通して明治という時代を描く。
漱石の家に集まる若き日の荒畑寒村、森田草平、坊ちゃんのモデルだった(?)太田仲三郎、山嵐のモデル(?)堀紫郎。
この5人がゆる~く繋がりながら、明治という激動の時代を駆け抜ける。
森鴎外が住んでいた家に、留学から戻ってきた漱石が住んでいた。
二人が樋口一葉の住んでいた家の前で彼女の思い出を語り合う時、一葉の後にそこに住んでいた森田草平を訪ねて平塚らいてうを見かける、なんてことがあったかどうかはわからないが、そんなことがもしかしたらあったのかもしれない。
漱石と小泉八雲の関係。
日本が西洋とどう対峙していくかを顕わしているかのよう。
どうしても近代社会になじむことができない漱石が、ロンドン留学中に神経症を発症したのは有名な話だが、『坊っちゃん』の中にも近代対古き良き日本の対立がある。
漱石は古き良き日本に心を寄せてはいるのだが、結局近代化には勝てないことも知っている。
西洋と日本を比べたら、日本は遅れている国である。
はたして本当にそれだけなのか。
日本には日本の良さがあるではないか。
自分の意志であるのなら、絶対にイギリスへ行くことなどなかったというくらい外国嫌いの漱石が、生活のために英文学を教える。
なんとか小説を書くだけで生活できないか計算する漱石。
漱石にとって小説を執筆するということは、神経のささくれを寝かせるのに必要な行為だった。
ただ自己の精神の解放と慰安が目的であった。
漱石のセリフとして「根がしっかりしていてこそ、嘘話の葉も青々と繁る。こうすりゃよかった、ああすりゃもっとおもしろかったってね。言ってみりゃ小説なんざ。思い切りのすこぶるつきに悪い負け惜しみか、頭の屁みたいなもんだよ」とある。
近代化のシンボルとして山縣有朋や桂太郎、伊集院影あきが登場。
安重根や東条英機もチラリと出てきて、北原白秋、伊藤左千夫、国木田独歩なんかもそこら辺にいたりして、知らなかった明治がぎゅうぎゅうにつまったマンガなのである。
236,237ページの写真(マンガだけど)が圧巻。 -
いま改めて読み直すと、〈西洋化=近代化〉への反省と国民主義的ナショナリズムという、いかにも1980年代的な批評のパラダイムが見えてしまう。どこか司馬遼太郎の明治論と似ているようにも感じられた。
第1巻は、漱石『坊っちゃん』の構想を枠としながら、さまざまな階層・立場から見た「明治」を交錯させる、というもの。文学者だけが中心化されているきらいはあるし、女性人物たちがつねに「見られる側」に置かれるという問題点はあるにせよ、「明治」の多士済々ぶりは描けていると思う。かれらは皆、若かったのだ。
だが、この描き方――漱石山房を階層をまたぐ出会いのトポスとする――だと、「明治」が抱え込んだ圧倒的な文化的・社会的・政治的格差と、権力の生成過程を知るがゆえの内向した鬱屈を捉えることが難しくなるようにも思う。第3巻、第4巻の記述をもう一度確かめてみよう。
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