木皿食堂3 お布団はタイムマシーン

著者 :
  • 双葉社
3.93
  • (13)
  • (17)
  • (14)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 142
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575313376

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 脚本家の木皿泉さんのエッセイ集第3弾。
    前2作は、講演やら他人の本の解説やらいろんな形態の文章が集められていて、‘ごった煮‘感が強かったが、今回はエッセイと自作品のあとがき、藤野千夜さんとの対談のみの構成。

    エッセイは、2015年から2018年のもの。時事ネタも多く、相模原の殺傷事件や、ピコ太郎の事にも触れられている。奥さまはピコ太郎のPPAPは‘セックスを連想させる’と書かれている。そんなこと感じた事なかったので仰天した。一連の仕草が性行為を思い起こさせ、PPAPの文字が‘遺伝子配列の文字のようにみえる’そうだ。旦那さまはピコ太郎が‘大黒さま’に見えると言う。打出の小槌で、どんどん産み出してくれるイメージだそうだ。
    こうやって、出来事から意味を作り出していくところがモノを作られる方独特のものかな、と思った。
    あと、相模原の事件の犯人の動機の’嘘っぽさ‘に関しては全く同感だった。

    おしどり夫婦として有名なおふたり。そのラブラブっぷりは清々しい。エピソードそれぞれにお互いへの慈しみが感じられる。裏表紙の裏にちょこんと載っている旦那さまのチェックのフードつきポンチョ姿が愛らしい。

    対談によると、作家の藤野千夜さんは昔漫画の編集者だったそうで、自身を主人公のモデルにして『編集ども集まれ!』という小説を上梓した。その中に私の敬愛する大島弓子さんが登場!トランスジェンダーである主人公が女性の格好で働きだした時に『つるばらつるばら』の本に励ましの言葉を入れて渡してくれたというエピソードがあるそうだ。
    彼女にとってはこんなに心強いことなかっただろうなあ、と思った。大島さん素敵。

    タイトルの『お布団はタイムマシーン』は旦那さまの呟いた一言から。布団の中で、本を読んだり、いろいろ想像したり、過去を思い出したりということかな。それを受けて奥さまはあとがきで「こんな小さな場所で人はどんなところにでもいけるのだ」と書かれている。
    さてさて、今夜はこのマシーンでどこにいこうか。

  • 神戸新聞、日経プロムナードなどに書かれた、わずか2ページほどのエッセイが、約190ページぎっしり詰まった本です。タイトルは和泉 務氏の言葉から。布団の中は、過去や未来のことが浮かんだり考えたりするからという。
    たった2ページの中に、TVドラマ1本分の中身が入っちゃってる!と感じることもあったし、たった1行に心動かされて先に進めなくなってしまうこともあった。ことほど左様に「ぎっしり」の内容だった。
    「人の親切」にはいくつものドラマのエピソードが詰まっていたし、「みかんとゾンビ」には、お金が数などではなく、みかんのように腐るものだったら、ない人に配ることができるのに・・・なるほど・・・と、これはわずかな貯金を切り崩して生活している人や、年金ぐらしのお年寄りは困ってしまうよ、持ってる人の論理だな、などと突っ込みながら。
    たくさん楽しめる、お得な本です。

  • 木皿泉、というか、妻鹿さんのキャラ全開、という感じで面白かった。
    そして夫婦の在り方を改めて考えるきっかけももらえた気がする。
    もっともっと知りたくて、過去に発売されたDVDブックを注文してしまった。高いのに・・・
    でも「すいか」ではまっちゃったんだから、これも縁、と気が済むまでお付き合いさせてもらおうと思う。

  • 妻鹿さんはものすごく芯がしっかりした人で、だからぶれない。それがすごく伝わってくる。”ちょうどいいは、人に決めてもらうものではない。自分だけが知っているものである”は名言だなぁ。

  • 同年代+思考のカタチが心地よく☆マネはできないけど。

  • 食べ終わった食器を洗うのはめんどくさくてためちゃうのに、旦那さんを介護しながらお風呂に入れるのはしあわせを感じるって、それは愛以外のなにものでもないよ。
    お布団でぬくぬくしながら、本を読んだり、昔のこと思い出したり、妄想したり、お布団はタイムマシーンだわ、ほんと。

  • 初エッセイ。ぎっしり。ふむふむと、しみじみと、可笑しく切なく、少し立ち止まってそれらを考える。そう、考えさせられるエッセイ。

  • シリーズ第3弾。
    安定の面白さ。
    私が読みなれてしまったのか、
    最初に感じた衝撃はかなり薄れてしまった。
    日々の中で立ち止まって考えること、
    何気ないことの大事さをしみじみ思う。

  • エッセイ+藤野千夜との鼎談。
    希望がないから嫉妬したことがない、とか。
    挫折するほど、頑張って何かをしたことがない、とか。
    態度も目つきも口も悪い、とか。
    一般的な常識から外れたところに存在するので、ものの見方や感じ方が新鮮。
    旦那さまとの愛情あふれるエピソードには、心あたたまる。

  • 共感するところが随所にあって、発見するたび楽しいです。

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

木皿 泉(きざら いずみ)
日本の脚本家・作家で、和泉 務(いずみ つとむ)と妻鹿 年季子(めが ときこ)夫妻2人の共同ペンネーム。
『やっぱり猫が好き』から2人共作となり活動を続けている。『すいか』『野ブタ。をプロデュース』、『セクシーボイスアンドロボ』『Q10』などのテレビドラマの優れた脚本家として知られる一方、2013年に9年越しで書かれた初小説『昨夜のカレー、明日のパン』が極めて高い評価を受け、第11回本屋大賞(第2位)、第27回山本周五郎賞の候補に選出。自身の脚本によってドラマ化もされた代表作となる。
小説第二作目、最新刊として2018年4月刊行、『さざなみのよる』がある。

木皿泉の作品

木皿食堂3 お布団はタイムマシーンを本棚に登録しているひと

ツイートする