- Amazon.co.jp ・マンガ (151ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575335149
感想・レビュー・書評
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心が温まります
夜明けの図書館シリーズの2作目
2013.05発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
ありがとうの音、男子の自立、こおろぎや、笑顔のバトンの4話。
暁月市立図書館で働く新人の司書・葵ひなこ26才の活躍を書いた物語です。
【ありがとうの音】
葵ひなこは、司書2年生になり。利用者の゛知りたい゛をお手伝いするレファレンス・サービスも少し自信を持って対応できるようになりました。そんな時に、入院している姉との思い出の絵本を探している丸山綾さんから゛ありがとうの音゛という言葉が入っている絵本をと……。
綾は、いつも無理難題を言う姉を守っていると思っていましたが、小さい頃に姉妹で、よく同じ横書きの絵本を読んだ時に、最後のページだけは姉が手で隠して、意地悪をして文頭の文字しか見えませんでした。その文字を縦に読むと「ありがとうの音」と読めました。
その言葉を覚えていて、葵さんに探してもらうと。姉が隠したページは、父への思いを書いたもので。父を早くに亡くして寂しがる綾を思い、姉は、綾を守るためにこのページを手で隠して綾に見せないようにしたのです。
《感想》
姉の気遣いが伝わってくる物語です。本当は、仲の良い姉妹なのだと思いました(ホッコリ)
【男子の自立】
暁月中学校(男子校)料理部は、部員数が3人で廃部の危機にさらされている。そこで文化祭で部員を集めるため、何かインパクトのある料理をと考えて図書館に集まるが、いい案が浮かばない。その時、司書の葵が、本を見ながら館内を歩いてみてはと。
中学校の校章から軍隊カレーの話がまとまる。文化祭の模擬店で軍隊カレーを出し、男子の未婚率が20%に達していることを話し、男子の自立のためにも料理は必要とアピールすると部員が集まって来る。
《感想》
図書館の中の本棚を見て歩くことを゛ブラウジング゛というのをはじめて知りました。このところコロナでカウンターで本を借りたらすぐ帰っていましたが。前のように少し本棚を見てみたいです。
【こおろぎや】
“こおろぎや そなたのこえは”しか分からないが、歌の名前を知りたいと老婦人が図書館に来ます。老婦人は、芸妓仲間で競争相手がボケて、この小唄を聞かないと死んでも死にきれないと言うが。ボケが酷く家族の名前も分からず、施設に入れられそうになる所を。
葵が、”こおろぎ”でなく”鈴虫”ではと調べだし、その歌を視聴覚機器で聞かせると、昔のことを思いだし急に若返りボケが治ります。
《感想》
ボケって、何かの拍子で治ることがあるのか。私もそろそろボケて来ているので。。。(笑)
【笑顔のバトン】
東京から転校してきた倉橋奈々11才は、学校に馴染めず図書室に来るとホッとします。そんな奈々を見た葵は、自分の小さい頃を思い出します。父が転勤族で、数年ごとに学校を変わっていました。
内気で人見知りな葵は、同級生と話ができず、学校の図書室で図書担当の透子先生と、拾って来た草花を調べるのが楽しみでした。そして花の名前が分かると感動して透子先生に言いますが、先生が「その気持ちを同級生に話してごらん」の一言で、皆と話が出来るようになりました。
《感想》
何かきっかけが有ると友達が出来ます。そのきっかけが図書館に有りました。気持ちが開いて行くようです(笑顔)
【読後】
4つの話それぞれに、読後感が良く、ほっこりします。特に「笑顔のバトン」が、良かったです。そして図書館業務の中でレファレンス業務が如何に来館者を勇気づけるかを、マンガで分かりやすく書いたものです。
次作を読むのが楽しみです。
埜納タオさんの本を読むのは2冊目です。
【豆知識】
「ブラウジング(browsing)」とは、情報を閲覧すること。
【初出】
「JOURすてきな主婦たち」に、第5話「ありがとうの音」は、2012年5月号。第6話「男子の自立」は、2012年8月号。第7話「こおろぎや」は、2012年11月号。第8話「笑顔のバトン」は、2013年3月号に掲載したものです。
【JOURすてきな主婦たち】
『JOURすてきな主婦たち』(ジュール すてきなしゅふたち)は、双葉社が発行する日本の女性向け月刊漫画雑誌。1985年、『Jour(ジュール)』として創刊。2000年、『Jourすてきな主婦たち』に誌名を変更。発売日は発行月の前月2日。
読者層は出版社の広告向け資料によれば2008年の時点で25歳以上の読者が9割近くを占めており、当時の当雑誌は「25歳以上の既婚女性」向けを謳っていた。2011年の時点では31歳以上の読者が9割近くを占めるようになっており、当雑誌は「30歳以上の既婚女性」向けを謳うようになっている。
←Wikipedia
2021.04.18読了
※シリーズの感想と読了日
夜明けの図書館シリーズの1作目 2021.03.23読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4575334626詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1巻にまとめて感想記載 very good!
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新米司書ひなこ、2年目。
「ごちそうは森の中」の奔放な姉の気遣い、中高一貫の進学校料理部の彼ら、小唄の彼女、恩師、一筋縄ではいかないのだけれど、どれもいい話だった。 -
葵ひなこ図書館司書二年目。
絵がとっても綺麗と思っていたけど
本当にすごい時間をかけて発表しているんですね。
2年4か月で8話。
四つともとても良いお話でした。
「ありがとうのおと」が好き。
ところで「学校行けない子は図書館に行ってみて」
みたいなこと聞いたことがある気がするんだけど
その後どうなったかな?
〈……ムダって……そうかな
ちょっと気になった本を手にするだけでも
何かに気づいたり考え方が広がる事もあるし
それって
ムダじゃなくて機会(チャンス)だよ〉 -
公共図書館や大学図書館で働いていた頃を思い出す。
利用者の人と関わり合うのが好きだったな。毎日のんびりペースで来館なさる老夫婦、子どもを抱えてお話し会で涙するお母さん、宿題を分担し合ってこなす中学生。本と人をつなぐ仕事ってやっぱりいいな。 -
私も司書になったらこんなレファレンスができるような人になりたい、、
断片的なものから見つけ出すのって難しいけどやり遂げた時の達成感はすごいだろうな。 -
2巻も面白かったです。私も子供の頃読んだ絵本で忘れられないものがある。タイトルを忘れてしまって、覚えているのはあるページの絵だけ。その絵は幼かった私の心にドーンときて時間を忘れて眺めていたのをなんとなく覚えている。この漫画に出てくる図書館司書さんなら、こんなおぼろげな記憶からでも親身になって本を探してくれそうだ。
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全国の司書さん、司書を目指す学生さん、図書館利用者さん、本好きさんに読んで欲しいマンガ。
これ、1巻も面白かったんですよね。
主人公は新人司書(2年目)の女性。
図書館に持ち込まれる、様々な「こんな本を探して!」という、レファレンス・サービスを題材にしています。
たいていは困った依頼が多いのですが、それぞれのエピソードに、心温まる人間ドラマが隠されていて、不覚にも涙が出そうになりました(感涙)
もう、1話目のホステスのお姉さんと主婦の妹の幼い頃の思い出の絵本の話なんて、ズルすぎる~
結婚披露宴の新婦から両親への手紙並の破壊力があります!!
「ありがとうのおと」って、あの絵本ほしい!
本っていいなぁ~
図書館っていいなぁ~
人間って、いいなぁ~♪
と思えるマンガ。
司書って大変なお仕事なんですね。だけど本好きとしてはちょっとうらやましい(苦笑) -
新米司書による奮闘記・第2巻。2年目選手になった司書・葵が前巻に引き続きレファレンス業務に奮闘します。
利用者の曖昧な記憶を頼りに、本や歌(!)を特定する司書は「本が好き」だけでは済まされない多方面からのアプローチや、何より根気が必要なんだなぁと感心するばかり。
「本っていいよね!」を色々な立場から再認識できる漫画です。 -
2巻では絵本の話と「こおろぎや~」の歌の話が特に好き。
特に歌の話の方では涙が・・・。
インターネットで検索するのとは違った調べ物のかたち。
最近図書館とは疎遠になってるけど、こういう暖かい図書館があるといいなと思う。